2012年の農的暮らし大賞:モダンな農的暮らしで良い生活をおくる

 

自給自足への道は、究極のゴールと言えるほど価値あるものかもしれない。これは、たくさんの気づきや学びの内のひとつで、2012年の農的暮らし大賞受賞者が学んだものだ。

 

 

「農地暮らし」という言葉は、芝の敷かれた家の前に並んだ家族、裏手の農地で鋤をひいて耕すラバのイメージを思い起こさせる。そんな開拓者たちは、本当に生計をたてる為に労働した。汗水垂らして、家を建て、作物を育て、井戸を掘り、家畜を育てた。近年の農的暮らしは、この説明が合わない。でも、そんな暮らしを自ら選んでる人たちは、やればできる精神で、良い暮らしをおくる新たな方法を見つけている。

 

去年の秋、マザーアースニューズが、2012年の農的暮らし大賞のノミネートを募った時、こんなにも様々なDIYな人たちがいるとは予想だにしなかった。カナダの田舎で100エーカー以上の土地に住む家族から、せかせかした都会の1/3エーカーの区画で小さな家に住むカップルまで、あらゆる種類の自給自足な人たちが、北米全土からノミネートした。

 

候補者は、信じられないくらいグリーンな人たちで、大きな菜園を広げ、果樹園の世話をしてた。ほとんどの人たちは、食品保存を日常的にやっていて、冷凍、脱水、ビン詰、地下倉庫での食料保存などをしている。多くの農的暮らし実践者たちは、地域の作物で自分の菜園を補い、鶏類や家畜を育て、卵、肉、乳製品や肥料を得ている。

 

多くの応募者にとって、自給自足の主要な部分は、エネルギーの効率化だ。再設計やアップグレードで、古い家を、よりエネルギー効率の良い家にするのはよくある。また、再生可能エネルギーを使った手製の家もそうだ。

 

応募者のほぼ全員に言える、とても啓発的な特性のひとつに、より自給自足的なコミュニティーを形成する為の労力がある。多くの農的暮らし実践者たちは、ご近所さんへ情熱を分け与えて、教室を開いたり、進んで助けてあげたり、自分の家や菜園を見せてあげたりしている。あるいは、自分たちなりに、良い暮らしをおくっていること自体で、ご近所さん、友達、家族へ参考例を示している。

 

今年の農的暮らし大賞をひとりだけ選ぶのは、とても大変だったので、大賞を3名と入賞者4名を選んだ。私たちの好みは、概ねここで示してあるが、他の農的暮らし人とストーリーは、ネットの「Star 2012 Modern Homesteaders」でもっと見られる。

 

手製の家で良い暮らしをおくる

 

一番最初の家族は、ニューヨーク州メコ出身で、Dan Gibsonが推薦した。Danは私たちの「Energy Independence Community(電力使用減らす情報のハブ)」のチーフコーディネータだ。この役割で、何年も北東部を回る中で、Gibsonは、たくさんのオフグリッド【訳注:送電線とつながない】な家を訪れた。受賞した家族について、Gibsonはこう書いている。「ただ一家族だけ10年以上もオフグリッドで暮らしていて、伐採して、加工して、組んだ木材で、自分たちの土地へ家を建てている(自分たちの手で)。」Jim Strickland(大工)とLaurie Freeman(フルトン-モンゴメリ・コミュニティ・カレッジの生物学の教師)は、1982年に初めて出会った。Laurieは、最初の会話を思い出す。二人は代替建築について語り合った。それは、彼らの関係の土台となるものだったと言えそうだ。JimLaurieは今のオフグリッドな家に引越す前でさえ、手製の小屋に住み、その小屋も送電線とつながってなかった。2000年の4月に、電気料金の最後の支払いをしたきりだ。

 

JimLaurieは、木造のストローベイルの家を手作りで建てた。木材の骨組みは、近くで見つけた石を加工した、ある種の基礎の上に設置した。友人やご近所さん126名を集めて、昔ながらの家造りをした。その日のイベントの思い出としてとっているノートの一番最初に、ボランティア参加者のコメントがある。「素晴らしい!何もかも感激したよ!」本当にスゴイ、家が基本的に手工具で建てられたと考えると。チェーンソーとポータブル製材機だけ補助的に使って。壁は稲ワラと漆喰で作られ、グリーンハウスは全ての窓やドアをリサイクルガラスで仕上げてある。

 

JimLaurieは、家に太陽光パネルを付けて、太陽エネルギーを全ての電気と給湯に使っている。スケッチから始めて、最初の温水ヒーターを作ってから、「ちょっとした災難」をいくつか経て、JimLaurieは今のシステムを組み上げた。温水パネルは、70年代のシステムからの廃物利用で、他の部位は、自分たちで設計して作った。太陽エネルギーの利用について、Gibsonはこう書いている。「彼らは21世紀の便利な物をたくさん持っていて、それでも、送電線とつながっている平均的な家の10分の1以下の電気を使うだけなんだ。」

 

熱心な菜園家のJimLaurieは「豆-ジャガイモ自立」だ。二人とも農的暮らしとはかけ離れたキャリアを積んでいるのに、大きな菜園の世話をして、余った収穫物を冬の数カ月の間、大きな地下倉庫に入れて保存している。地下倉庫は、一年のうち9カ月間、410℃に保たれる。二人は様々な鶏を育て、一年中平飼い卵を楽しみ、また、蜂の巣から蜂蜜も楽しんでいる。

 

もしかしたら一番のポイントは、JimLaurieが自分たちのスキルを自己完結で終わらせてこなかったことかもしれない。彼らは積極的に地域コミュニティを改善しようとしてきた。過去8年間にわたり、自宅で毎年建物とソーラーのツアーを開催している。彼らは、また、北東部オーガニック農家組合で、たくさんの自給教室を開いてきた。Jimは、農的生活の記事をいくつも書いてきた。記事の内容は、家を建てることから、オフグリッド(電力自立)で暮らすことまで。(Energy Independence CommunityにてオンラインでJimの記事が読める。)

 

Gibsonが、二人の推薦文に書いている。「もし僕が、石油で生活が楽になる以前に、西を目指しているとしたら、JimLaurieがグループにいるのが分かれば、全くもって準備万端って気になるだろう!」

 

Our 2012 Homesteaders of the Year: Living the Good Life Through Modern Homesteading

 

August/September 2012