多年生植物: 手間を減らして沢山育てる

PHOTO: BETHANN WEICK
PHOTO: BETHANN WEICK

パーマカルチャーの技術と食用造園の工夫を組み合わせて、多年生野菜を育てよう。

毎年食べ物を収穫できる ~ 1年生作物を育てるよりも少ない手間で。

 

新しい農業技術革新に求められるのは、より多く成って、より長い間採れて、しかも少ない手間であることだろう。これらの命題は、現実のものにできる。ガーデニングのやり方をもっと自然に則ったやり方にすすんで変える人たちにはできる。

自然のしくみには、常に、1年生野菜だけでなく、多年生野菜も含まれている。多年生植物には、食べられる根、新芽、葉っぱ、花、果実があり、毎年育つ。

果樹や低木に加え、100種類以上の多年生野菜が北米でよく育つ。

 

より多くの多年生野菜を育てると、より多様性のある菜園づくりとなり、本当に手間が減る:育てる時間が減って、収穫する時間が増える。

「手間ゼロの菜園づくりを手に入れられる」とEric Toensmeier(Perennial Vegitables の著者)は言う。

「僕らの多年生野菜は11年前に畝を作って植えたんだけど、未だに食物が成っている。しかもやってるのは年一回堆肥とマルチを加えるだけ。」

 

多年生作物を育てて、グリーンハウスを使わずに収穫シーズンを長くするには、寒冷対策箱などの器具を使えばいい。キクイモを冬の間中収穫できる。凍結を防げるだけのマルチを施しておけばいい。

「多年作物の中には、ギシギシのように、雪解けの始まる3月まで食べられるものもあるよ。」とToensmeierは言う。彼はマサチューセッツで菜園している。「春に収穫する作物は、ほとんど多年野菜だよ。そいつらが終わる前に、一年野菜が育って来るんだ。」

多年野菜づくりをすることは、トマト、ペッパー、などの一年野菜をあきらめるという意味ではない。多年野菜の驚くべき利点を味わうには、単純に、今ある菜園計画を考え直して、土地の中で使ってない場所を新に見つけるだけでいい。

 

多年草化の3つの方法

 

菜園を“多年化”するのにデザインと計画は需要。一旦、新しい多年生の食用作物が根を下ろせば、その後は何年も成る。次に述べるのは基本的な3つのデザイン方法。

 

1.枠を超える。 「食用多年菜園を始める方法のひとつは、既にある菜園のエッジ(接縁)を広げること。」とBethann Weickは言う。彼は、ニューハンプシャー州ドーチェスターでパーマカルチャー農園や教育的農村生活を勧めるD Acresのガーデンエデュケータ。多年野菜は多年野菜のみの畝でよく育つ。なぜなら、広がった根は、穴掘りや耕しで、じゃまされることなく育つから。だけれども、1年草を間に植えるのは、成功のコツであり、菜園の侵食を抑制する方法のひとつだ。

 

菜園のエッジ(接縁)を広げるために、34フィート【訳者注:約90120cm】幅の多年生植物の畝を1辺や多辺に、手で掘ったり、耕したりする。あるいは、植えるまでの1年待っても構わないなら、Weickのカンタンシートマルチ手法に従って、土地を整えよう。「4層の厚紙で地面を覆って、木質チップの厚めの層をトップに被せるのよ。」と彼女は言う。「堆肥を厚紙の層の下に置いて、肥料として加えるの。1年もすると、草が途絶え、マルチが有機物で豊かになって、植物を植えられるようになるのよ。」地域ごとに利用できるその他のマルチ材料でも良いとWeickは言う。言ってみれば、新聞紙の厚い層に、粉砕した落ち葉や草のくずをトップに被せるのでもいい。

 

2.食用の土地にする もしすでに、多年生の装飾用の縁取りや、エクステリアの低木を育てているなら、多年生作物を組み合わせることを考えてみよう。ハマナ(浜菜)やギシギシなど。多くは魅力的な葉や花をそなえていて、装飾を覆うほど伸びまくることはない。もし、ガーデンスペースに限りがあるなら、特に緑の多年生野菜をプランターで育ててみよう。

 

土地の中で今使っていない所を利用しよう。食べられる多年生野菜用に土地を整えよう。

 

「このような食物の大好きな点は、いろんな隙間にいろんな物を育てられること。」とToensmeierは言う。「すべてが必ずしも、ほとんどの多年生野菜のように、完璧な日当たりとローム質の(豊かな)土を必要としてはいないだよ。」たくさんの多年生の緑とハーブを育てられる。例えば、野生の球根野菜のように、家の北側の陰になるような場所や木の下のじめじめした場所など、土地の中で使ってない場所で育てられる。

 

3.植物のつながりを創り出す。 もし、すでに多年生野菜を育てていて、ガーデンの多様性を更にレベルアップしたいなら、パーマカルチャーを考えてみよう。自然の生態系システムにならって、パーマカルチャーで、植物、土、昆虫、自然の相互の協力関係をよりいっそう促進するんだ。パーマカルチャーデザインにおいては、食用野菜、ハーブ、果樹、つる植物は、背の高い果物やナッツの木の下で育つ。このワザはいわゆる「レイヤー化」だ。

Weickは、5ヵ年計画を菜園家へすすめている。ガーデンを食用植物でレイヤー化し始めたという菜園家へ。「1年目は、拠点として果樹を植えるのね。その年とその後の何年かは、シートマルチのワザを使って、下層植物用に、木の下に植える場所を用意するのよ。」と彼女は言う。1年目は木の周り半径2-3フィート【訳注:約6090センチ】にマルチして、木の生長にあわせて、徐々にマルチの範囲を広げていく。1年目が終わったら、多年草をマルチした場所に植え始められる。多年草は、果樹の低木や、つる植物といったもの。(詳しくは、"パーマカルチャー:自然な育て方”を参照)

 

多年草ベスト10

 

次に示すのは専門家オススメの広く使われてる多年野菜。風味、生産性、多様性の観点で選ばれたもの。

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Perennial Vegetables: Grow More Food With Less Work

/ April/May 2012 / By Vicki Mattern

PHOTO: BETHANN WEICK