ローコストな植床の作り方

Photo By Matthew Stallbaumer
Photo By Matthew Stallbaumer

マザーアースニューズの編集長 Cheryl Long の庭(カンザス州トピーカ)では、廃材で縁取りした不耕起の植床を使っている。 Cheryl が、どうやって、また、なぜ、不耕起の植床と通路をつくるべきなのか説明している。またここでは、なぜ、畝が必須でないのかも説明している。

時々、園芸ライターは、必要以上に 多くの労力や経費をかける。畝立てした植床がその一例。作物は、植床 がどうであれ、しっかり育つ。植床は、 地表面でも、畝立てしても、掘り下げ て(これは乾燥して風の多い地域なら 良い選択肢)も良い。

  植物を植える専用の植床と歩く為 の道を維持するのが重要。押し固め た土壌は、植物の力強い成長の敵だ。 植物が地中に根を張りやすければ張 りやすいほど、素早く必要な養分を吸 収でき、より日照りに強くなる。もし、 植物が、押し固めた土壌へ根を張る のにエネルギーを浪費すると、うまく 成長して実をつけるエネルギーが少 なくなる。

  自然界では、(北米の)草地ネズミ、 モグラ、ミミズなどの生物が、地中に トンネルを空ける(だから押し固め防 止になる)。また、人や大きな動物は、土壌の上をそんなに歩かない。でも、 菜園では、私たちは非常にひんぱん に行ったり来たりする。そう、足で確実 に土壌を押し固めているのだ。「ひと 冬、休耕地を近道にして、ほとんど毎 日使っていた。」と Anthony Boutard (市場向け菜園家)は、『Beautiful Corn』という素晴らしい自著で語って いる。「3年後の航空写真でも、見たら、通り道のところが生育が悪くて判 別できた。

  土壌が押し固まるのを防ぐ最良の 策は、育てる区域、歩く区域を定めて配置すること。まず、土地全体を測 り、紙に絵を描く(もしくは、専用ソフト Garden Planner software を利用くだ さい)。植床の幅は、通路から容易に 植床の中心まで届くように。どこで堆 肥作りしたいか、菜園を柵で囲うなら どこを門にしたいか、考えよう。それか ら、どこを空けておいて、作業台ひと つふたつと、眺めを楽しむベンチを 置くか考えよう。

  スペースに限りがあれば、通路は 30cm ほどの細さにする。でも、常に、 メインの通路何本かは、十分広くして、 園芸カートや手押し車を使えるように しておく。もし、菜園が傾斜になって いるなら、ならすよりも、傾斜方向に 不耕起の植床を配置して、侵食を最 小限にする。植床は、だいたい全て、 同じサイズにする。そうすると、被覆 資材【作物を覆う】、害獣プ避け、チキ ン・トンネル【鶏が中で動き回れるトンネ ル状の柵】を入れ替えても共通に使 える。木の杭、パイプ、鉄筋を使って、 植床の角に目印をたてる。杭は、ホー スのガイドとしても働く ― しくみは単 純で、プラスチックパイプで軽く滑っ て、ホースが杭の外側をつたって引 きずられる。

 植床でさまざまな野菜を育てるほうが、単一作物を育て続けるよりも効 率的だ。幅 1m 前後の植床で、どちら 側からでも、簡単に草取りや収穫が できる。さまざまな植物を隣り合わせ て植えて、広い不耕起の植床に通路 が無いほどにすると、作物が育ち、互 いに土を日陰にして雑草を抑える。し かし、もし、各畝の脇に通路を設ける と、菜園の土をより押し固めることに なる。しかも日光が当たる区域をより 多く残すことになるので、雑草が伸び やすくなる。また、不耕起の植床と通 路で、施肥と水やりが効率的になる。 「畝立て園芸」について多くの話を聞 くが、土地に水はけの問題がない限り、 植床を畝にする理由が実のところな い。実際、畝を立てると、利点欠点 が多くある(この記事の最後の「畝立 てした植床の利点と欠点」を参照)。 気軽に、畝立てはやめて、安い植床 を利用してみよう。やって良かったと 思うはず。

 

安い植床で育てる 6 つの手法

 こちらは、ゼロから植床を創る 6 つ の手法で、最も重要な教義(歩く区 域と植える区域を分けるようにする) を簡単に取り込んである。  即席菜園。現状、芝や雑草に覆われた区域には、耕さないで新たな植 床を創る簡単な方法がある。表土を 入れた袋を植床に横たえて、段ボールシートや新聞紙で通路を覆 う方法だ。袋の上部をカットして、長 いナイフで底に排水穴を空ける。これ で、小型の作物(レタス、インゲンマ メ、バジルなど)を植える準備ができ た。刈り草やわらを使って、袋と段ボー ルの通路の縁を隠す。それから、ホー スを取りに行こう!夏の間中、袋と (段ボールなどの)マルチで、雑草が 全て死に絶える。シーズンの終わりま で全く耕す必要がない。その頃には、 徐々に、ビニールの袋を取り除いて、 表土を元々の土に混ぜる。(このよう な「即席植床」の詳細は、 http://goo.gl/yHDtQ を参照。)即席 植床は、ここで網羅している他の手 法ほど上手く収穫できないだろう。だ が、利点は、新しい植床を素早くつく れて、耕さなくて良いことだ。

   ラザーニャ菜園。もし、刈り草、落 ち葉、わら、干し草を提供してくれる 良い場所があるなら、「ラザーニャ」 植床を始められる。植床と通路を枠 で囲い、通路に段ボールを置いて、 植床を何層にも厚くマルチする。マ ルチは有機資材なら何でも良く、草 を抑える。秋にラザーニャという手法 を使えば、春に植床へ植られるように なる。分解中のマルチの層の下の土 へ苗を移植する。種をまくには、マル チを覆うように土を広げるか、厚いマ ルチ(ゆっくりと堆肥に変わっている) が元の土と混ざるように掘る必要が ある。  耕作とかき集め。表土を袋詰めす るのは安くなく、時には、元々の土壌 に良くないことさえある。。。

 

How to Make Cheap Garden Beds
By Cheryl LongApril/May 2013

 

< 関連記事 >

打ち固めた植床

不耕起の植床の手入れ

省スペースでたくさん作物を育てる(省力的に!)