遺伝子組換え食品のラベル義務化を支持するのはなぜか

遺伝子は、あらゆる生命の基礎となるものだ。遺伝子操作は、この基礎をかき乱す。

 

合衆国の多くの州で遺伝子組換え食品のラベル義務化が立法議題に入っている。アンケートを繰り返した結果、90%以上の人がGM食品のラベル化を望んでいる。地元の下院議員に遺伝子組換え食品があなたの懸案事項であることを伝えよう。

  遺伝子はあらゆる生命の基礎を形作っている。遺伝子組換え(生命の基礎を関係のない品種の間で技術的に入れ替えること)は、強力な農業ツールとなり得るとして、1990年以来広められて来た。しかし、今まで市場に出て来た非常に多くの遺伝子組換え(GM)食品は次のようなものだ。除草剤に耐えたり、殺虫成分を生成したり(だから、理屈としては、農家はより少なく化学品を使用)するよう遺伝子操作された作物。強制的にもっとミルクが出るよう遺伝子操作したホルモンを投与された酪農牛からのミルク。これらの製品を適用して来た国もあるが、多くの国は禁止している。なぜなら、GM品種の実際の利点が不明瞭なままであり、特に、害虫は、科学操作した作物の特性に順応するからだ。

  消費者にとっての利点と欠点は論争になっている。1992年、米国食品医薬品局は、嘆かわしくも限られたデータに基づいて、GM食品は非GM品と「実質上同等」だと裁決した。この裁決は、それ以降攻撃にさらされてきたが、政府は新たな安全試験を要求し損ねて来た。その間に、GMコーンや大豆を含む何千もの食品が、食料として供給されてきた(GM食品を避ける方法を学ぶには「遺伝子組み換え食品を避ける方法 」を参照)。

  最近の研究で、世間の懸念が高まって来て、GM食品にラベル表記する要求が新たに出て来た。研究で、遺伝子組換え作物(GMO)と相関がでているのは、癌、肝臓や腎臓機能の低下、胃炎、胎児の発育不全。あなたがGM食品に賛成であれ反対であれ、ひとつ確かなことは「科学は不完全である」ということ。

  GMOのラベル表記の発議権で、カリフォルニア州にて2012年に投票されたが、53対47で敗れた。ラベル表記の提案者側は約8億円を費やし、大規模農業と食品加工業は約50億円を費やした。GM食品のラベル表記は、単なる食の安全以上の意味がある。消費者として、何を食べているかを知る権利に関するものなのだ。しかし、ラベル表記は、また、いかに私たちが、大規模農業が支配的になるのを許しているかということでもある。GM食品を食べたり、家畜に与えたりしたくないという人もいる。私たちの食物の方針を多国籍企業の思うままに決めさせたくないがために、ラベル表記を推し進める人もいる。

  アメリカ合衆国民は、食品は中に何が入っているか示すラベル付きであるものと思っている。オレンジジュースは、オレンジから直接作られたのか、「濃縮還元」なのか、明示されることを求めている。塩、砂糖、グルタミン酸ナトリウム(Monosodium Glutamate=MSG) 、人口甘味料や着色料、ビタミン、その他の内容物が添加されていれば、ラベル表記を求めている。肉のラベルでは、12%までの塩水を注入して「風味処理」している場合は、明示することを求めている。ミルクには、脱脂粉乳なのか、脂肪分1%なのか、2%なのか、全乳なのか、表示を求めている。GM食品は、ラベル表記されるべきだ。単純に考えて、消費者へ全てを語ることに反対するのは、良識的ではない。

  モンサントと大手食品企業は、遺伝子操作は世界の増え続ける人口に食糧供給するために重要だと盛んに主張する。そんなのは、ばかげている ― 飢餓はほとんど経済の不均衡によるもので、食物が必要なところへ届くのを妨害するシステム的な腐敗だ。食料不足によるものでは無い。それから、「世界の増え続ける人口」という点については、今こそ、社会にとって、無制限の人口増加は持続可能ではないと認識する時だ。私たちは賢い道を選択する必要がある。

  アンケートが何度も取られ、私たち【アメリカ国民】の内90%以上の人が、GM食品がラベルに表記されることを望んでいる。カリフォルニア州でのGMOラベル表記の発議権は、打ち負かそうと大海のように注ぎ込まれたお金にもかかわらず、昨年ほぼ通過するところだった。今では、合衆国の州のほぼ半数で、GM表記の必須が立法議題に入っている。

  GM食品のラベル表記を懸念しているなら、今こそ、下院議員にコンタクトする時だ。

- マザー

 

Why to Support Labeling GM Foods

An editorial from MOTHER EARTH NEWS 

August/September 2013