菜園の野菜を冷凍保存する

野菜を冷凍するのは、速くて簡単な食料保存方法で、多くの作物（アスパラガス、ブロッコリー、グリーンビーンズ、ペッパー、夏カボチャ、色の濃い葉物野菜、ジューシーな果実の類など）が、冷凍すれば実際最適に保存される。野菜を冷凍する素晴らしさのひとつに、少ない量（それ故、自分の菜園の余り物を上手に利用）でも、多量（旬の時期、ファーマーズマーケットの特売作物、自家栽培作物）でも出来る点がある。ビン詰めと違って、野菜を冷凍する際は、酸性度や塩分に注意を払う必要がない。代わりに、好きな色や風味の野菜を混ぜ合わせられる。例えば、彩りにニンジン、歯ざわりにライキョウの球根、風味付けに緑の葉のハーブを使う。冷凍混ぜ合わせに、枝分かれしたまろやかなオニオン、ブラックペッパーその他の「シードスパイス」を加えて、冷凍する際の好ましくない風味を変えることもできる。

  私の冷凍室のスペースの多くは、野菜が占めていて、大半は冷凍用の袋に入れて上手く積んである。なぜなら、最初はクッキーシートの上で野菜を平らにして冷凍したから。変わった形の包装用（冬にロールキャベツを作るために湯がいて平らに冷凍したキャベツの葉など）に冷凍スペースを割り当ててもいる。しかも、中をくりぬいて詰め物ができる野菜の取合せ（パッティーパン、ズッキーニ、小型のナス、ピーマンなど）を蒸気で湯がいて（steam-blanch）、冷凍している。季節の終わりまでに冷凍室の中身は、私の菜園の多様性が丸ごと反映される。

冷凍の基礎

  果物と野菜は完璧に奇麗な最適状態でいつも使う。冷凍する野菜のほとんどは、2～5分か、丁度煮えるまで湯がくべきだ。湯がく（まとまった時間で、野菜を沸騰水で温めたり、蒸したりして、それから素早く冷水か氷水に沈める）と、野菜の栄養を失ってしなびさせる酵素の活動が止まる。冷やした野菜は、袋、ビン、その他の冷凍用容器に詰める。また、果物や湯がいた野菜は、奇麗なキッチンタオルでさっと軽く拭いて、クッキーシートの上に重ねずに置いて冷凍し、それから容器の中に入れてもよい。冷凍の際、クッキーシートを使うことで、果物と野菜が互いにくっつかないようにして、必要な時に容器から少量ずつ取ることができる。

液体の冷凍（膨張用にスペースが必要）でない場合は、冷凍用容器内から可能な限り空気を取り除く。ジッパー式の冷凍用袋では、手で空気を絞り出す。一方、真空シーラーでは、袋を密閉するように空気を吸い出す。真空密閉は、

フリーザーバーン（食物表面の周辺で再凍結し風味や食感を損なう氷の結晶の形態）を減らす。なぜならば、結晶が形成されるスペースがないからだ。冷凍しても安全な容器の選択肢について詳しくは、後述の「ビン詰め容器で冷凍出来るか？」を参照。

National Center for Home Food Preservation ( NCHFP )によると、果物と野菜は、適切に処置して保存すれば、冷凍室で8～12ヶ月間もつ。真空密閉の袋は、通常の冷凍用袋よりも費用がかかるが、冷凍食物をより長くもたせられるので、費用をかける価値があると愛好者は言う。

素晴らしく美味なるトマト

いつだったか、私は、余ったトマトを洗って冷凍袋に入れて、単に保存するのに、とても没頭した。この手法でたくさんトマトが出来て、スープやソース、ぬるま湯に浸けると魔法のように皮がむける冷凍まるごとトマトになる。栄養面で皮を付けたままにしたいなら、半解凍のトマトをフードプロセッサーにかけるとよい。（その際、凍らす前にトマトの中心部を取除くと良いだろう。）

冷凍まるごとトマトは冷凍室のスペースをたくさんとり、また、冷凍前に加熱されていないので、酵素の活動がビタミンや他の栄養素の損失をいくらか引起す。だが、冷凍する前に、トマトを優しくコトコト煮込めば、これは起こらない。中心部と皮を取除いた（湯がいてできる）後、ざっくり刻んだトマトを中火で10分間（あるいはトマトが柔らかくなるまで）煮て、冷ます。お好みで、上部から果汁をすくい取って、別個に冷凍する。果汁を取除くと、冷凍した物が、さいの目に刻んで煮込んだトマトの缶詰のようになる。

  トマトを冷凍する際に選りすぐりの野菜やハーブを混ぜて加えたり、湯がいたスープとしてコトコト煮込んだトマトを食卓に並べたりしても良い。例えば、刻んだペッパーや コリアンダーの葉 をチリ味（オクラ、ペッパー、タイムをジャンバラヤのようにごた混ぜにする）として料理に加えたり、野菜シチューにナスからズッキーニまで何でも入れたりしても良さそうだ。

  私は、ミニトマトまるごとや煮詰めたトマトを、数10種のトマトベースの野菜ミックスと一緒に、クォート【約0.95L】袋いくつかで冷凍する。一番美味しい冷凍トマトを作るヒケツは、（後述の）オーブンで乾燥させるトマトのレシピでするように、初めに半乾きにすること。トマトから水分をある程度取除くと風味が高まり、冷凍スペースの節約となり、ピザやパスタソースに理想的なトマトになる。

  コツ：ビン詰め保存で少量のトマトソースが残っていれば、冷蔵庫で保存して、夏カボチャやナスなどの野菜を冷凍する際、煮汁として使う。

豆がいっぱい

  ササゲを含むサヤインゲンの大半の種類は冷凍できる。実があるほど、出来上がりの冷凍品が良くなる。例えば、湯がいて冷凍すると柔らかくなり過ぎるが、大きくて、しっかりしたグリーンビーンである鉛筆のように細いフィレビーン（filet bean）は、冷凍するのに良い。ほとんどのつる性のマメは、特に、上手く凍る。でも、私の最高傑作の冷凍豆は、秋に、セイボリーシェリービーン（savory shelly bean）をじっくり調理して凍らせるとできる。

  グリーンビーンを湯がいた後に、そのまま冷凍容器に入れて凍らすか、たたいて水気をとって、まずクッキーシートの上で事前冷凍できる。シェリービーン（shelly bean）を煮汁に入れて冷凍することもできる。解凍したグリーンビーンを料理する時は、少量のバターやオリーブ油で軽く炒めて蒸したり、オーブンで揚げたりするなど、「ドライな」料理法の利用を試みよう。

  コツ： 紫のさやを持つ豆類は、冷凍する日に、湯がく度合いを示すのに使える。完璧に湯がくと、紫の色合いが緑色に変わるのだ。

ペッパーの保管

  ペッパーを冷凍する際、湯がく必要があるかどうかで意見が分かれる。刻んだ生のペッパーを冷凍容器に入れると、何カ月も保存できるが、他のやり方も試せる。私は、よく熟して甘いペッパーを詰め物用に、半分か4分の1にカットしてから、蒸気でゆがいて、ペッパーの「お船」をひとつずつクッキングシートの上に置いて凍らせ。凍った後に、互い違いにまとめて冷凍用袋に積詰める。刻んだペッパーを使い切った場合は、詰め物用にセットしたペッパーを使う。

  ペッパーの中には、凍らす前に、あぶったり、網で焼いたり、燻製にしたりすると強くなる素晴らしく深い味わいのものもある（後述の火で焼くペッパーを参照）。熱い炎の上で程よくあぶって冷凍袋にしまったペッパーは、私のガーデンとキッチンで作った最高に美味しい食品のひとつだ。

  コツ：ホットペッパーを扱う時は、常に保護用の手袋を着用すること。手袋をはめる方が、手からカプサイシン（ペッパーを辛くする成分）を取除くよりも、ずっと容易で痛くもない。

夏カボチャの保存

  美しく、よく成るにも関わらず、夏カボチャ（ズッキーニ、イエロースカッシュ、パッティーパン）は、風味の面では軽い扱いだ。また、酵素の活動で腐敗する傾向があるので、冷凍する前に完全に湯がく必要がある。私は、1人前のサイズのパッティーパンと詰め物用のズッキーニの中身をえぐって、それから、冷凍前に蒸気で湯がく。

  夏カボチャを冷凍する標準手順では、半インチ【1.27cm】のスライスを熱湯か蒸気で3分間湯がく。冷凍したカボチャをほとんどキャセロール（蒸し焼き鍋）やスープに使うので、私はよく、もっとカラフルな野菜やハーブを冷凍スカッシュの袋に加える　―　例えば、刻んだバジル、スライスしたニンジン、帯状のケール。解凍すると、カボチャの野菜ミックスは、袋の中の夏のようだ。

  夏カボチャを冷凍する他の手法は、ズッキーニを湯がく前に大きく平たくスライスする方法。グリルやロールするのに使える。湯がいて削ったカボチャを、どんな焼き料理にでも加えるために、冷凍することもできる。

スイートコーンのオススメ冷凍法

  マザーアースニューズのFacebookでコーンの好みの冷凍方法について尋ねたところ、多くの回答者が外皮をつけたまま生で凍らせたスイートコーンの風味について夢中になって話した。例えば、アーカンサス州の読者Betty Heffner、「考案した一番の方法は、外皮をむいて、毛を取除いて、傷んだ先端部をカットしてから、外皮を元に戻して冷凍することですね。」NCHFPがリスト化したコーン冷凍の認定プロセスでは無いが、多くの人がこの簡単な手法で新鮮なコーンの風味を6ヶ月保存できると実体験から語った。

  専門家は、冷凍する前にスイートコーンを湯がくことを推奨している。これで風味、食感、栄養が固定される。冷凍室のスペースがあれば、湯がいた実を軸ごと冷凍できる。湯がいて冷やした軸から実を切って、実だけ冷凍することもできる。私は、実を生のまま切

って、果汁を軽く絞り出して、果肉と果汁が混ざったものを煮え立たない程度で煮て、その後に冷して冷凍するのが好きだ。それから、穂軸を堆肥化する。しかし、ミズーリ州カンザスシティーのCarolyn Vellarの言うコツで、自分がやって来たことが甘いと分かった。Carolynは、実を取った穂軸をグツグツ煮て、コーンの煮汁を作って、冬のスープに使うために冷凍する。

  ニューメキシコ州のDiana McGinn Calkinsは、外皮をむいた生のトウモロコシを入れるスペースが冷凍室に残っていない時に、湯がいて冷やしたトウモロコシから切った実を冷凍する。「出来るだけ空気を抜いて、それからコーンの袋をペチャンコにするんです。一旦冷凍したら、バラバラにほぐして、冷凍室へ戻す。これで、欲しい分だけ取出せます。」

  熱してすぐ食べられるスイートコーンなら、オハイオ州ホワードのKatrina Steeleのこんな簡単に焼く方法を試してみよう。「コーンの実を穂軸から切り取って、大鍋の中に積み上げて、バター1本を入れ、鍋の底が覆われる程ミルクを入れる。それから、177℃で、10分おきに混ぜながら、じゅーじゅー音がするまで焼く。冷めた後に、冷凍用袋にスプーンで入れる。味は絶品！」

Freezing Vegetables From Your Garden
By Barbara Pleasant 

August/September 2013

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