ありがちな菜園の難題と乗り切る方法

ベテランの菜園家からオススメの解決策を聞いて、よくある菜園の問題に対策しよう。害虫、悪天候、土壌の養分、雑草、夏の日照りなど。

完璧な菜園 ― 害虫、雑草、天候被害と無縁 ― は存在しない。菜園に完璧な場所もそう。なぜなら、どんな天候でも、ある作物にとっては優しく、他のものにとっては厳しいものだから。有り難いことに、菜園の難題に取組むことで、時にはイライラすることがあっても、自分の食物を育てることが新鮮な冒険になる。

菜園トラブルの要領の良い解決は、上手く行く食物生産の決定打となることが多い。ベストな解決策を実行するのに、何年もの試行錯誤が必要かもしれない。読者のみなさんが調子よく始められるよう、長年の菜園家10数人に尋ね、よくあるオーガニック菜園の問題について専門的な解決策を紹介してもらった。以下が彼らの総知識のまとめ。

オーガニックな害虫と害獣抑制

害虫、ウサギ、シカ、ハタネズミその他の動物は、おそらく、あらゆる所に現れ、不満がたまる菜園の難題だろう。オーガニック菜園は、この問題をやっかいにする。読者のみなさんは賢くも、問題を追いやるのに強烈な化学品を使うことはしないと決めてきたから。動物の場合は、良いフェンスで良く収穫出来る(優しい解決策でもある)。また、害虫の入念な監視は、時間をかける価値があるだろう。

煩わしい昆虫。セント・ルイスから北へ1時間、イリノイ州ニューダグラスで、キャロル・レンツ(Carol Lentz)は、最低隔日で植物の害虫チェックするのが目標。「トラブルの兆候がないか植物全体をチェックするの。特に、葉の裏側ね。」と彼女は言う。目についた卵はどれでも押し潰し、成虫のコロラドハムシを手でつまみ、インゲンテントウなども押し潰す。セッケン水入りのバケツに入れて、植物への被害を減らし次世代(あるいは三世代)を避ける。

いまいましいウサギ。 ノースダコタ州のファーゴのジョー・カルバート(Joe Calvert)が言うには、ウサギが、栽培時期が短い菜園の難題リストで2位。「都市近郊でも、菜園の周りに柵が無いと、ちゃんと野菜ができないかもしれません。柔らかい若芽に、とてもウサギがそそられるからです。」と彼は言う。ウサギを入れないためには、高くない養鶏用金網を、危険のある植床の周りか、囲ってある柵の下部に付ける。また、外側へ1530cm折り曲げて底から突き出した金網で、柵の地下から掘ろうとする動物を寄せ付けない。

ルイジアナ州コヴィントンの松の茂る森の中、キャリー・リー・スチュワーツ(Carrie Lee Schwartz)は、プランターの方が菜園より安全なこともあると言う。「レタスやイチゴなどのデリケートな作物はプランターで吊るしてあって、ポーチの中で、キッチンに近く、ウサギから遠ざけてあるんです。」と彼女。

やっかいなマーモット。ペンシルベニア州ピッツバーグ近郊でティムとメアリー・アン・カービィ(Tim and Mary Ann Kirby)が菜園を始めた頃、動物を追い払う働き者の番犬を飼っていた。「彼が死んで以来、動物が頭痛の種になってるんです」とメアリー・アンは嘆く。「良い柵があるんですが、マーモットやアライグマを避けるのに十分では無いんです。」彼女曰く、マーモットは、組になると更に問題で、まず、ブロッコリーをむさぼり食い、それからカンタロープを食べます。番犬を飼うのに加えて、電気柵の電線を地表近く低くして、マーモセットを避けるのに役立てます。大きな菜園を持つ多くの自給農家では、支柱仕立ての金網の柵や強固な家畜パネルを常設し、家禽ネットや電気柵を加えて保護強化しています。

荒くれバッタ。 バッタは、オーガニック菜園を荒らす。暑く乾燥した気候で顕著。この脚の長い跳ねる虫は特に、レタス、マメ、トウモロコシ、ニンジン、タマネギ、秋に収穫するキャベツ属の作物に被害を与える。バッタに最適なオーガニックな抑制法としては、マルチなどの被覆資材や虫よけシート(無料の使用済みシート材をシートを修理する資材店でもらおう)で避けて、家禽類を配して、菜園を見回りさせて、バッタをスナックとしてさっと捕まえさせよう。

北米には何百種ものバッタが生息しているが、特定の品種のバッタに対応することになる。メロディー・ゴウルド(Melody Gould)はタンパ・ベイ地域で10年以上ガーデニングをしている。バッタ((eastern lubber grasshopperがよく菜園家の敵になる地域だ。抑制するため、バッタを集めてセッケン水入りのバケツへ沈める。黒と黄色の配色の若いバッタの内に行うのだ。ゴウルド曰く、小さなうちに捕まえないと、大きく育ち、810cmのバッタが一晩で大玉のトマトをすっかり食べ尽くすほどになる。

シカたない。 テキサス北東部やその他の地域を縮小させた干ばつは、野生動物を極度な飢えにつながっている。「野生動物への青葉の不足が、過去最悪の菜園問題の原因となっている」とキャロル・ラムケ(Carole Ramke:テキサス州キルゴアで20年以上オーガニック菜園をしている)は言う。チキンワイヤー籠をサツマイモの周りに建てて ― 菜園の柵の内側に ― シカから守らなければならなかった。シカは、今まで一度も食べたことの無いものまで食べ始めた。例えば、オクラ、スイカのつる、青いカキ、イチジクの木まるごとを。「小さなメロンでさえ、アライグマ、コヨーテ、シカの歯型があったんです。最終的には、エコな二重の電気柵を菜園と果樹園の周囲に設置することで、被害をくい止めることができたんです」とラムケは言う。

柵に加え、シカの防除剤を試す検討をしよう。商用でも自家製でも、100%保護できるものは無いが、良く効くものもある。コネチカット州の研究者の発見によれば、卵ベースの防除剤や商品名 BobbexHinder が、最も試す価値あり。(詳細は

「どのシカ避けが効くか」 http://goo.gl/t2mCNY を参照。)

 

天災と天候不順

天気の話は、オーガニック菜園のこととなると、軽い話ではない。天候は次第で、栽培時期や作物栽培の成否が決まり、経験豊かな菜園家は、天気予報を注視し、天候全体の傾向に注意を払っている。(マザーの When to Plant アプリには長期天気予報のリンクがある。)オハイオ州バスのパット・ケネディ(Pat Kennedy)は、何10年にも渡り、ヒトが天候をコントロールすることはできないと、つくづく学んで来た。「最近、オハイオの歴史の中で、最高の部類に入るじめじめした年があったんです。でも、少なくとも、私の菜園は洪水にならず、地震も無く、トルネードやハリケーンも来なかったんでよ」とケネディーは言う。「育つものもあれば、育たないものもありました。メロンはわずかな味しかせず、堆肥の山へ行くことに。でも、トウガラシとピーマンは過去最高に採れました。なんとアーティチョークが採れたんですよ!毎シーズンを始めるには、準備した上で、柔軟に、希望を持ち、いつでも次の年があると頭に入れておくこと。」

ずぶ濡れの春の土壌。南部イリノイ州のキャロル・レンツ(Carol Lentz)は言う。寒冷地の野菜の移植を春に遅らせなければならなかった。というのも、4月に土壌に水が溜まったから彼女の住む地域では、ビート、ニンジン、レタス、エンドウ、ポテト、キャベツ属を移植する貴重な月なのに。「秋に揚床を作るんです。土壌が暖かく使える頃だから。」と彼女は言う。510cmの堆肥を土壌の中へ混ぜた後で、レンツはおよそ30cm高、90cm幅の山にすきこむ。「揚床の間に落ち葉を置くことで、通路ができ、冬の間に落ち葉を堆肥化する良い方法にもなるんです。」と彼女。このように植床や畝を高くすることで、土壌の排水を助けるし、

ブロードフォークを使うこともでき、初春に湿った土壌をほぐすことで、早く乾いて暖まる。

情け容赦無い雨。「過去何回かの春に、記録的豪雨だったんです ― まるで雨が不足してたかのように!この問題によって、大地へ腐って行く種もあり、植替えが唯一の解決策だったんです」と言うのは、雨の多いブリティッシュ・コロンビア州ヴァンクーバーに住むキャサリーン・ミラー・スミス(Catherine Miller-Smith)。しつこい雨に直面しているなら、彼女の助言がある。育ちが悪いと分かったスイートコーンその他の作物は、種蒔きを3度に分けて育て、発芽を確実にする。

短い春。20年以上バルチモア近郊で野菜を育てた後、バーバラ・ホワイト(Barbara White)は言う。彼女の地域の菜園家は、ブロッコリー、レタス、エンドウその他の寒冷作物で早生の野菜を探すべき。なぜなら、春からすぐに夏になるから。レタスとホウレンソウについて彼女はが提案している。移動式の「サラダテーブル」 ― シンプルなテーブル型の構造で上面に土を入れるくぼみがある ―  で、暑すぎる天候の時は日陰へ移動できる。「私が初めてサラダテーブルを作ったのは2005年のことで、その前に、地域のマスター菜園家コーディネータのワークショップに参加したんです」とホワイト。「作るのに1015ドルかかり、木工スキルがあまりなくても誰でも作れるんです。地域のホームセンターで木材をカットしてもらい、材料一式を家に持ち帰り、初めてのサラダテーブルはおよそ1時間でできました。」

カリフォルニア州ガスティンのビル・ナウンズ(Bill Nunes)が言うには、セントラル・バレーの菜園家はエンドウマメに特別な注意を払う必要がある。春が短いからだが、何回にも分けて蒔き、多品種を使うことで、たいてい良く収穫出来る。このアプローチは他の作物にも有効。「いつもリスク分散するんです。お気に入りや一番信頼出来るエンドウマメ、メロン、トマト、ニンニクの品種であってもです。」とナウンズは言う。

夏の日照り。気象の専門家が国内の多くの地域 ― 特にテキサス州や中西部の州 ― で警鐘を鳴らしているが、将来もっと日照りを想定すること。菜園家は、地域の行政サービスに相談して、日照りに耐性のある作物や品種を推奨してもらった方が良い。点滴灌漑ホースで水やりをして、水が確実に植物の根に届くようにする。建物から流れ出る水を集めるのも検討したい賢い策。「倉庫の裏にゴミ容器で作った雨水タンクを並べて置いてるんです。」と東部テキサスのキャロル・ラムケ(Carole Ramke)。「ミシンで、丸いファイバーグラスのシートを縫い、容器毎にカバーを作り、枠組みと引きひもを付けたんです。落ち葉が入らないし、蚊でも防げるんですよ。」

マサチューセッツ州ノーザンプトン近郊のステファン・ボンドは、春に菜園の小屋の屋根から、雨水を集め始めている。特に地域で給水制限がある夏の乾燥時期に使うためだ。「より効率よく水やりするために、多孔質の染み出すホースをトマトやコショウの下へ埋めてもいて、植物に水が必要な時に、つなげられるようにしてるんです」とボンドは言う。「このやり方で、水をたくさん蒸発させないんです。」

つかの間の夏。標高1,850m、吹きさらしのコロラド州コルテスのフラン・マルチアノ(Fran Marciano)は言う。夏が遅く訪れ長く続かないため、室内で育苗するのは最優先。「雪や凍てつくような寒気が6月でもよくあり、続く7月、8月に酷暑の日がたくさんあるんです」とマルチアノは言う。「室内で早めに始めるのが重要で、短く、気まぐれな栽培時期を最大限に生かすんです。」

 

土壌と雑草

健全な土壌で、栄養や堆肥からの有機物が豊富なら、計画をくじくようなあらゆる菜園の難題に対しても、進んで行けるだろう。素晴らしい土壌なら、健全で、活力に満ちた植物ができる。害虫の被害にあうことがなく、雑草との競争によく勝てる植物ができる。(更に、栄養豊かな土壌の一面としてよく見落とすことだが、より栄養がある果物や野菜ができるということになる。)土壌のタイプによらず、雑草は避けられないが、コネチカット州の菜園家のマイケル・ブルネッティ(Micahel Brunetti)のこの難題への前向きな解釈がある。「いつでも雑草があるでしょう。でも、毎日少しずつ草を取ったら、熟知できます。草取りを、日々の忙しい暮らしから解放してくれる楽しいセラピーだと考えてはどうでしょう。」

失われていく土壌の養分。降雨量が年間127cmを超えると、土壌の養分を洗い流すが、有機物の頻繁な注入で、土壌の踏ん張る能力を素晴らしく高めます。「移植の1ヶ月以上前に、菜園を掘り起こし、有機肥料と堆肥を最低5cm混ぜます」と助言するのはロナルド・ウェザーズビイで、飽和状態のルイジアナ州リースヴィルに 180 の菜園を持つ。乾燥地域に住んでいる場合も、これは素晴らしい方法だ。なぜなら、堆肥が土壌の湿度も保つから。

有機物が少ない。土壌の質のこととなると、区画毎に異なる出発点がある。「私の土は、本来アルカリ質で、ミネラル豊富ですが、有機物が少ないんです。だから、可能な限り有機物で肥やす必要があります」と言うのはテレサ・エビー(Teresa Ebie)で、ニューメキシコ州タオの北、標高2,130mに菜園を持つ。「ここでは根菜と葉物が特によく育つんです。だから、菜園初心者には始めやすいんです」とエビーは語る。「経験を得て、土壌を肥やしたら、育てられるものに驚くことでしょう。この前の秋には、地下倉庫を作物で一杯にしたんですよ ― ニンジン45kg、ポテト34kg、少なめに、ビーツ、カブ、タマネギ、ニンニク、冬カボチャ。」

嘆かわしい雑草。マイケル・ブルネット(Michael Brunette)は、コネチカット州ニューハートフォードに住む有機菜園30年のベテランで、雑草に対する最初の取組みとして、常設の植床を使うことを推奨している。「常設の植床を使っていて、全く足を踏み入れてないんです」と彼は言う。「雑草が決して種を付けないようにして、様々な有機マルチで、地温が上がった後の雑草を抑えてます。」他の良い方法がある。カリフォルニア州中央のビル・ナンズ(Bill Nunes)のご好意で紹介:時間が許すなら、カバープラントの種を蒔き、その後に、耕作し、有機物を作る食用の作物を蒔けば、雑草を抑えられる。

 

 「ここでは夏のソバがすごいんです。冬のライムギ、エンドウマメ、ソラマメが、穏やかな冬に良く育ち、冬の多年生植物と雑草を抑えるんです。」とナンズは言う。「カバープラントを使って土壌の食物網を作ることで、より耐病性のある野菜ができるんです。」

 

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