ピクルスの作り方

発酵ピクルス

ピクルス好きの人たちは、酢に漬けるよりも発酵させた方がより複雑な風味が得られると断言している。発酵ピクルスは「壺ピクルス」「塩水ピクルス」とも呼ばれ、乳酸菌類や酵母によって酸性化する。乳酸菌類や酵母は酸素なしで増殖し、塩水に溶け込んで、腐敗をもたらす他の微生物の活性化を抑制する。また、乳酸菌はビタミンBを生成し、風味を作り出す。これらの微生物(プロバイオティクス)は、消化、腸、免疫の機能を改善するともいわれている。

基本は次の通り: 材料と調味料を混ぜて容器に入れる。ピクルス液を作り、容器に注ぐ。重石をのせて材料を浸け込み、ほこりが入らないようタオルをかけておく。室温で2週間以上発酵させる。容器を毎日チェックし、表面にカスがあれば上澄みをすくう。発酵の泡が見える場合もある。定期的に味見する。

発酵ピクルスが好みの味になったら、下記3つのいずれかの方法で保存する:

1. 冷蔵して乳酸発酵を遅らせる。この方法では4~6か月もつ。果物のピクルスの場合、おいしく食べられるのは通常2~3か月ほどで、野菜のピクルスの方が長くもつ。

2. 地下室のような冷暗所で保存する。ピクルスは発酵し続けるが、数か月間はおいしく食べられる。

3. ビン詰にすると、より長期に保存できる。ビンに詰めることによる熱で歯ごたえが損なわれ、有益な微生物は死んでしまうが、風味は保たれる。ビン詰にした発酵食品は数年間もつ。

 

発酵させて作る正当派ディルピクルスのレシピ

リンダ・ジードリッヒ(Linda Ziedrich)の「ピクルスの喜び(The Joy of Pickling)」に載っているこのレシピでは、ブドウ、オークまたはサワーチェリーの葉を使う。これらの葉には、お手製発酵ピクルスの鮮度を保つとされるタンニンが含まれる。市販の缶詰のブドウの葉でもよい。以下は1ガロン(3.8リットル)分のレシピ。

 

道具

清潔な1ガロンサイズのガラス容器またはセラミック容器。1ガロンサイズのビニール袋または容器付属の重石

 

材料

綺麗に洗ったブドウ、オークまたはサワーチェリーの葉ひとつかみ(あれば)

ワックスを塗っていない、塩もみした10~12cm弱のキュウリ約2.7kg(もぎたてが望ましい)

よく洗ってすすぎ、皮をむいたニンニク2、3片

水1.9L

りんご酢1カップ

精製していない海塩またはピクルス用の塩大さじ6

ディルの種子1/4カップまたはディルの葉2つかみ

 

清潔なビンの底に葉を敷く。キュウリの両端を切り落とし、小さいものから順にビンに詰め、全体にニンニク片を加える。ビンの2/3以上は詰め込まないようにする。別の容器に水、酢、塩、ディルを入れ、塩が溶けるまでかき混ぜる。このピクルス液をキュウリに注ぎ、キュウリを上から圧縮した状態で液の表面から2.5cmほど沈むくらいまで注ぐ。容器付属の重石があれば、キュウリの上にのせて沈める。重石がなければ、1ガロンサイズのビニール袋に水を入れて代用する。ほこりが入らないよう、容器の上にタオルをかけておく。

ピクルスを室温で1~4週間発酵させ、容器を1日1回確認する。表面にカスが浮いているかもしれないが、これは正常な状態。慎重に重石を外し、カスを洗い流す。重石とタオルを戻す前に、上澄みのカスを取り除く。ひとつ残らず完璧に取り除く必要はないが、必ず毎日行う。

初日から数日たったところで泡が出ているのに気づくかもしれないが、これは乳酸発酵が起こっている証拠。1週間たったら毎日味を見て、好みの風味になるまで発酵を続けさせる。ピクルスは全体が透き通ってくる。

保存は、乾燥した冷暗所(例:地下室)に置いておくか、ピクルスを蓋付きの小ぶりな容器に移して冷蔵庫に入れる。(容器の蓋が金属製の場合は、容器と蓋の間にラップをはさむ。)ピクルスを洗い流したら、新しいピクルス液と調味料を注いでもいいし、最初に作った液を漉して使ってもいい。涼しいところに1か月ほど置いておくと、風味が増してくる。

 

注意: ピクルス液は酵母の香りを発するが、これは好ましいことで、腐敗ではない。もしも発酵中にピクルスがぬるぬるしたりカビが生えたりしたら、処分してやり直そう。

お手製ピクルスを容器に詰める場合は、沸騰したお湯の中に容器をすっぽり沈め、15分間煮沸殺菌する。(容器への詰め方は、「家庭のビン詰ガイド(Home Canning Guide)」で詳しく学べる。また、無料アプリ「ビン詰めする方法(How to Can)」のダウンロードも可能。――マザーアースニュース)

 

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How to Make Pickles

By Tabitha Alterman 

August/September 2014


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