DIY風力発電機

オルタネーターをオルタナティヴなエネルギーに、ほんの週末一回ほどで。手工具、金具少々、安い自動車部品を使う。

 

文と写真:Robert D. Copeland

翻訳:市岡 秀俊

 

 読者の中には、ボートの上で暮らしたり、人里離れた丸太小屋で休暇を過ごしたり、私のようにオフグリッド生活を実践している人がいるかもしれない。あるいは、ただ光熱費を減らしたいと考えているだけの人もいるだろう。そのいずれの方でも、わずかばかりの安くて手に入りやすい材料を使って、風が吹く限り電気をもたらしてくれる風力発電機を手作りできる。自然エネルギーにより、物置を照明で照らし、納屋に電源を供給し、電動カートなどのバッテリーを常時充電しておくことができるようになる。  

 私のオフグリッド小屋の電気は、太陽光と風力で発電して賄っている。発電した電気は、6ボルトのゴルフカート用バッテリー4台を接続した12ボルトシステムに蓄電している。チャージコントローラーとバッテリー監視システム のおかげで過放電や過充電の心配もない。いっさいがっさい含めても1,000ドル以下で、照明と換気扇とテレビとステレオ、冷蔵庫、それにホームパーティーになくてはならない、きらめくディスコボールが使えるようになる。

 レンチと電動ドリルを扱うことができれば、このシンプルな発電機を2日で組み立てることができる。パーツをかき集めるのに1日、それらを組み上げるのにもう1日あればよい。主な部品は4つ。まずは自動車のオルタネーターで電圧レギュレータ―内蔵のもの【「オルタネーター」でエンジンの回転を利用して発電し、「電圧レギュレーター」が出力電圧を一定に する】。次にゼネラルモーター(GM)社製のファンクラッチ部品(私は1988年製GM 350モーターから取った)【エンジン回転による駆動力を冷却ファンに伝える際に、繋いだり断ったりできる機構を持つ部品】。さらに発電機を取り付ける支柱になるタワーやポール(私の場合、4.5mある中古の50mmの管材を20ドルで手に入れた)。そして最後に、支柱に発電機を取り付けるブラケットを作るための金具類。あなたが「フォード推し」だったり「モパー女子」【Moparはクライスラー車の通称】だったとしても問題ない。使いたいオルタネーターに電圧レギュレータ―が含まれていることだけ確認すること。オルタネーターをバッテリーにつなぐためのケーブルや電線も必要になる。私が使ったのは、8AWG(American Wire Gauge)【導線の太さの単位で8AWGは8.37㎟】の3芯ケーブルで、石油業界の人からもらってきた(彼らが言うには化石燃料から再生エネルギーに移行するのはまだ何年も先だろうだって。ハッハー!)。

 

ファンクラッチをオルタネーターに接続

 風力発電機のブレードは車のファンクラッチを流用する。ブレードをオルタネーターに取り付けるには、ファンクラッチの中心を直接オルタネーターの中心に溶接する。その際、ファンの芯が確実にオルタネーターのシャフトと一直線になるようにすること。そして、オルタネーターの電線差し込み口が、組み上げた際に発電機の下側になるようにすること。溶接まではできないという場合は、下記の材料を使って、ファンクラッチとオルタネーターとをつなぎ合わせる: 

・15mm×75mm×4.8mmのワッシャー【内径×外径×厚さ】

・電動ドリル

・6mmのネジ切りタップ

・ネジ切りタップに合ったドリルビット

・6mm × 38mmないし65mmのボルトおよびそのナットとロックワッシャーが4組

  

 75mmのワッシャーと4本のボルトを使って、ファンクラッチとオルタネーターをしっかり固定するためのユニオン【2つのものを連結するためのパーツ】を作ろう。ファンクラッチの穴に合わせて、ドリルでワッシャーに4つの下穴を開ける。その穴に6mmのタップでネジ山を切り、ボルトをその穴にねじ込む。ボルトの長さを決めるには、 まずオルタネーターの上にファンを載せて、ファンのプーリー【ベルトに回転を伝えるための滑車】をオルタネーターのプーリーの上に置き、それぞれのシャフトの中心を合わせる。それぞれのシャフトに沿って、オルタネーターのファンの裏からファンクラッチの中心のところの裏までの長さを測る。これが必要なボルトの長さになる。オルタネーターのプーリーのナットを緩め、プーリーと小さなファンを取り外す。ワッシャーと4本のボルトで作ったユニオンをオルタネーターシャフトに差し込む。その際、ボルトがオルタネーター側から突き出るように置き、その上からオルタネーターファンとシャフトのナットを入れて元に戻す。プーリーは使わないので外したままで構わない。この大きなナットでユニオンが固定される。これでボルトがオルタネーターから突き出した形になるので、ファンクラッチをそのボルトに通し、ロックナットできつく締め付ける。

 

オルタネーターを取り付けるブラケットの組み立て

 溶接機があれば、ブラケット製作は簡単。私の場合は、25mm角の管でブラケットを構成し、600mmの長さの25mm径のパイプでポールの内側にぴったり収まる回転軸を作った。溶接機がなくても心配ご無用。ブラケットを15mm径の亜鉛メッキのパイプと継手【パイプをネジでつなぎ合わせるための部品】で組み立てることができる。必要になりそうな管継手の一覧は下記の通り:

 

・15mm径のパイプ用のT型継手 5個

・15mm径のパイプ用のL型継手 2個

・15mm径の長さ300mmのニップル 2個

・15mm径の長さ150mmのニップル 2個

・15mm径の長さ38mmのニップル 2個

・15mm径の長さ50mmのニップル 2個

・15mm径のパイプ用の片ネジ継手 3個

  【ニップルとは両端にネジが切ってあるパイプのこと】

 

 尾翼をブラケットの後部の300mmのニップルの端に取り付け、発電機がクルッと回って風上に向くようにする。古いブリキの壁材や屋根材を金切りばさみかカッティングトーチで高さ300mm 長さ600mmくらいに切り取る。形は直角三角形にするのが良いだろう。波板を使う場合は、波板の山が水平方向に流れるように切り取ること。尾翼を切り終われば、300mmのニップルの上に置き、尾翼の底辺とニップルの側面に3か所ドリルで下穴を開け、3本のネジで尾翼をニップルに固定する(金属製の屋根用ネジがちょうどよい)。

 

風力発電機

 私は古い6mのテレビアンテナの支柱の一番高いところに直径65mmのパイプがついているものを使った。溶接かボルトで支柱の一番上に止め金具を取り付け、ブラケットの止め金具と固定できるようにする。止め金具により発電機だけが時計方向にも反時計方向にも360°回転できるようになるので、ケーブルが支柱に絡まらずに済む。

 3mないし6m の長さ (つまり、建てたときの高さ)の60mmの厚鋼管をしっかりした構造物に取り付けるとちょうどよい支柱になる。倒れないように確実に支え、必要に応じて支線を張ること。

 発電機のパーツをすべてしっかり組み立てブラケットに取り付けたら、倒した状態の支柱に据え付ける。発電機のブラケットのパイプを支柱の上端に差し込み、金属のワッシャーを2枚重ねて、発電機と支柱がスムーズに回るベアリングの働きをするようにする。プラスとマイナスの電線をオルタネーターの電極につなぎ、ブラケットと支柱に添わせてジップタイやバインド線、ダクトテープなどで確実に留める。(バインド線やダクトテープをどこかに使ってないと、手作りな感じがしないよね?)風力発電機が360°回転できるように、電線には十分な弛みを持たせておくこと。

 支柱と発電機を垂直に起こすのは相当重いので、手助けが必要かもしれない。ある程度の高さがあるなら、ロープとカムアロング(come-along)【電線やワイヤを引っ張るための工具】があれば建てやすくなる。常時風が吹くような立地なら、可動部が下にいる人に危険を及ぼさない程度の高さがあれば十分。とにかく支柱は確実に固定すること。風力は驚くほど強くなることがあるので、この最終段階の組み立てで手抜きをしないように。風力発電機を建て終われば、過放電と過充電保護のチャージコントローラーを介してバッテリーに接続する。

  さぁ、これで準備完了。ライトを点け、音楽をガンガン鳴らして、あの懐かしいディスコステップで弾けよう。そう、家族や友達と一緒に、息の合ったエレクトリックスライド(electric slide)で。【80〜90年代に流行した、大勢で同じステップを踏むダンスの一種】

 

免責について一言:作るのも、できたものを楽しむのも自己責任で。私の発電機は立派に働いてくれているが、あなたのものはあなた次第。幸運をお祈りする。頑張れ!

 

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DIY Wind Turbine

Story and photos by Robert D. Copeland 

 

April/May 2017