パーマカルチャー農場の備え

文：ジェフ・マイヤー（Jeff Meyer）

翻訳校正：大橋 麗未・沓名 輝政

 

　ジョニー・アップルシード・オーガニック・ビレッジ（Johnny Appleseed Organic Village）はフロリダ州ジャクソンビル近郊にある15エーカー（6ha）の実験的研究施設です（現在も拡大中！）。パーマカルチャー、シントロピック・アグロフォレストリー、バイオダイナミック農法を組み合わせた革新的な栽培方法である気候対応農法を実践し、健康で活気のある作物を育てながら、炭素を土に還元することを目的としています。

私たちはこれらの技術を発明したわけでは無く（詳しくは、www.MotherEarthNews.https://jp/climate-farming’s-indigenous-roots/ の「先住民族に根付く気候対応農法」をご参照）、これらを組み合わせて独自のシステムを作りました。このシステムには、天然資源を枯渇させるのではなく、補いながら地球を持続的に豊かにする力があると考えています。

　このような農法を小規模農家で実践するには、それなりの困難と成功が伴います。私たちは長年にわたって、どの方策が私たちのニーズに最も適しているかなど、多くの教訓を学びましたので、同じような状況にあると自認している農家の方々のお役に立てればと思います。

 

始める

　まず、慣行の条播作物について知っていることは、すべて堆肥に捨ててしまいましょう。パーマカルチャー農園には、始める前に知っておくべき、いくつかの大きな違いがあります。

　1️⃣ 畑の植床はまっすぐではありません。その代わりに、少し高くし、土地の自然な等高線に沿うように設計されているため、水管理を改善し、浸食を防ぐことができます。

　2️⃣ パーマカルチャーの世界では、モノカルチャー（単一作物栽培）はありません。その代わりに、それぞれの作付け区域は、さまざまな作物、被覆作物、コンパニオンプランツを含むように慎重に設計されています。この多様性により、病気の抑制、受粉、土壌の肥沃度が高まります。

　3️⃣ パーマカルチャー農場では、灌漑用水路、ダム、重力供水方式の貯水槽、ドリップテープ、そして可能であれば池を利用することで、流出水を誘導、収集、吸収します。水を敷地内に留めておくことは、貴重な資源を節約するだけでなく、浸食や近隣の水路の汚染を防ぐことにもつながるため、パーマカルチャーの大きな目標の一つとなっています。

　4️⃣ 露出土壌は、パーマカルチャーの大きな禁止事項です。寒い季節の野菜、被覆作物、厚めのマルチなど、常に次は何をするのかを考える必要があります。私たちの農場では、輪作を細かく設定し、キビ、ライ麦、ヘアリーベッチなどを栽培して、植え床の上に小さく切って落とし、地産地消のミネラル豊富なマルチ材として使用しています。

　このような違いがあるため、最初に自分の土地をじっくりと観察し、土を動かす準備をして、パーマカルチャーの土台を作る必要があります。最終的には、あなたのパーマカルチャー農園は、最小耕起から不耕起のスペースになります。しかし、最初はトラクターや掘削機を使って、灌漑システムを作ったり、等高線に沿った上げ床を作ったりすることが必要でしょう。

　できれば、丘、尾根、谷、水が溜まっている場所など、土地の等高線がわかる地形図があると便利です。この地図は、菜園づくりの計画を立てたり、印をつけたりするのに役立ちます。また、iPhoneアプリのTheodoliteは、測量の練習に非常に役立ちます。

 

パーマカルチャーの準備

　必要な集水系統を構築したら、それに合わせて土づくりを始めましょう。

 

土地と土の準備

　まず、現在農地に生えている草、雑草や他の植物を取り除きます。次の植え付けまで数週間待つことができれば、太陽熱消毒によって土壌の通気性を高め、水の浸透を促進することができます。これは、耕したり農薬を散布したりすることなく、植え付けのための土壌準備ができる、素晴らしい方法です。

　太陽熱消毒以外にも、土づくりをスピードアップさせる方法や道具が生み出されています。

　耕す。すぐに始めるには、従来の四輪または二輪のトラクターを使って、草刈りをした後、土を耕し、植物の根をばらばらにして、現在生えている植物を根こそぎ取り除きます。ここでは、耕運機の後部の爪のアタッチメントが役に立ちます。BCS America （www.BCS　America.com） では、このアタッチメントを、市場向け野菜農園に最適な大きさで、より購入しやすい選択肢として、2輪の手押しトラクター用に提供しています。太陽熱消毒の後に耕すことも可能で、再び生えてくる可能性のある草を取り除くのに役立ちます。。。