発酵飲料、自分流に自家製で

発酵飲料 マザーアースニューズ
Photo by Getty Images/Ann_Zhuravleva

美味で栄養あるレシピでフィズを丸ごと理解しよう。

美味で栄養あるレシピでフィズを丸ごと理解しよう。

文:シャノン・ストンガ (Shannon Stonger)

翻訳:大本 清子

 

砂糖、水、極小のバクテリアを少し。これを混ぜれば、ほどなく発酵飲料が手に入るでしょう。ソフトな乳酸発酵飲料、ハードなアルコール飲料、十分時間が経過したお酢ベースの飲料、どれになるかは、砂糖、時間、酸素に触れた程度によって決まります。全て、甘い液体から始まります。

 一般的に言って、砂糖もしくは果物ベースの飲料は、フレッシュ・ジュースからソフト・ドリンク、ハード・ドリンク、酢へと、発酵の段階をいくつか通過します。例えばりんご酒の場合は、だいたい新鮮なりんごの絞り汁から始まります。少しの間そのままにしておくと、乳酸菌に占領されてソフト・サイダーに変わります。この段階では、アルコールは本当に微量で、有益なバクテリアと酵素、少量の有機酸が含まれています。これは主に乳酸発酵です。

 もう少し時間が経つと、このソフト・ドリンクはアルコールの体をなしてきます。最後にはもはやソフト・ドリンクとは言えないほど、十分なアルコールが含まれています。この時、甘みは極わずかで、はっきりとしたアルコール臭がします。今や、これは主にハード・サイダーとして知られるアルコール発酵です。

 最後の段階は、ハード・サイダーが酸素に触れていた場合にだけ起こります。好気的な環境(酸素に触れているという意味です)では、酢酸菌がアルコール的環境下を引き継ぎます。そのうち酢酸が増え続け、アップルサイダー・ビネガーになります。今や、主に酢酸発酵、つまり酢というものになります。

 それぞれの段階で、特定の方向に向かうよう培養された菌を入れることも可能ですが、酸素、時間、温度があれば、糖分を含んだ液体は全て、同じような段階を辿るでしょう。

 どの形態であろうと、それぞれ健康や持続可能性の点で利点があります。例えばハード・サイダーは、一般的に長期貯蔵用に、収穫したりんごを保存のためにボトル詰めしたものです。一度栓をすれば、アップルサイダー・ビネガー同様、数ヶ月、数年と保存できます。ソフト・サイダーは短期の保存法です。非常に「ソフト」な乳酸発酵飲料だからです。

自然発酵か人口培養(された微生物)の発酵か

乳酸発酵飲料には一般に2つのタイプがあります。 1つ目は培養したもので、コンブチャや水のケフィアなどの種菌を加えて甘い水を発酵させます。 2つ目は、自然発酵です。これに伴うのは、生の食べ物に存在する細菌を植え付ける働きをさせることです。

 それぞれ役割りがあります。一般的に初心者の場合、期待通りに進む方が安心なので、人口培養の(微生物を使った)飲料から始めるのが、まず一番です。より冒険的な人なら、バクテリアと糖分を含んだものなら何でも良いので、水の入った瓶に放り込みます。そうすれば、発酵が始まります。でも結果は常に同じではありませんし、いつも美味しくできるとは限りません。

 食べ物に関する伝統はしばしば台所において、その世代の記憶がレシピとして次の世代に渡ります。そのような記憶と同様、美味しい自然発酵の飲料を作るための伝統的な基本的枠組みになるレシピが下記です。毎日の食生活にこのレシピを取り込むことで、次の世代へ渡すための新しい記憶を作ることができるでしょう。

 

ビートとりんごのクワスのレシピ

ピーチの種のソーダのレシピ

パン種のクワスのレシピ

 

たのしい暮らしをつくるマザーアースニューズ

購読登録はこちらからどうぞ

 

Fermented Beverages Your Way: Homemade

By Shannon Stonger

February/March 2019