単独性の蜂を裏庭に

マザーアースニューズ 自然 自給 DIY

 

蜂の住処を作ることで、重要な花粉媒介者を助けて、植物をより健康にできる。

文:ティラ・マクヴィー(Thyra McKelvie)

翻訳校正:沓名 輝政

 単独性の蜂は日増しにあなたの庭に迎え入れる新しい蜂になってきています。母なる自然が生み出した最高の花粉媒介者であり、穏やかで世話がしやすく、食物と生態系にとって重要な花粉媒介者です。社会性のある蜜蜂とは異なり、単独性の蜂は、単独で生活し活動し、蜂蜜を作ることもありません。餌を探し、巣を見つけ、どのメスも自分の卵を産みます。蜂の集団の中で最も大きな割合を占めていて、世界中に2万種以上いる蜂のうち、約90%が単独で行動しているのです!

 あなたの庭に迎え入れる人気のある蜂は2種類あり、メイソンビー(ツツハナバチ属:学名 Osmia spp.)とハキリバチ属(学名 Megachile spp.)です。ツツハナバチ属の約140種とハキリバチ属の約242種は、北米に生息しています(その多くは原産)。蜜蜂がヨーロッパから持ち込まれる以前は、在来の蜂が授粉を行い、生息地を豊かにし、大陸の発展を支えてきました。

春にはメイソンビー

 メイソンビーは春の花粉媒介者であり、気温が13℃程度になる早春に冬眠から目覚めます。彼らは長い冬の眠りの後に花粉や蜜を求めて、その生涯にわたり、生まれ出た場所から60~90m以内にとどまります。メイソンビー[ブロック職人蜂の意]は、その巣を作るときに組積作業のために泥を使用するので、そう名付けられています。彼らの大あごは、木材を切断するのに十分な強さで はないので、中空茎、昆虫が木に掘る穴、菜園家や農家が吊す巣箱など、あるがままの穴を探します。メスのメイソンビーは巣穴を見つけると、その端を泥で塞ぎ、連なる小部屋をいくつも作ります。各部屋には、卵、花粉団子(花粉と蜜を混ぜたボール)、他の部屋と区切るための泥壁があります。これを1つの巣穴に7回ほど繰り返します。卵は幼虫になり、花粉団子を食べます。そして、絹糸の繭を作り、蛹になります。冬眠している間に成虫に成長し、翌年の春になると出てきて、そのライフ サイクルを繰り返します。メスのメイソンビーは生涯に約15個の卵を産み、オス・メスともに羽化後4~6週間で死んでしまいます。

 太平洋岸北西部で農家や菜園家がよく使っているメイソンビーの一種が、ブルー・オーチャード・メイソンビー(学名 O. lignaria)です。よくイエバエと間違われますが、背中に緑がかった虹色の光沢があり、通常、花粉で覆われた庭で目撃されます。中西部と東海岸では、菜園家は、褐色に産毛の体のマメコバチ(学名 O. cornifrons)を招き入れることができます。 

夏にはハキリバチ

 気温が24℃以上の日が安定して2週間ほど続くと、ハキリバチが出現し始めます。同じく単独性の蜂として、彼らも、卵を産むために自分の空洞を見つけます。メスのハキリバチは、その一生の間(約4~6週間の範囲)に約30の卵を産みます。彼女は(植物を傷つけることなく)葉や花びらから小さな三日月形を部分的に切り出し始めます。そして、その破片を巣まで飛んで持ち帰り、しなやかになるまで噛んで、空洞の壁に沿って押しつけていきます。メスは卵を産み、赤ちゃんのために花粉団子を残し、葉で包んで空洞にし、卵の周りに居心地の良い小さな「寝袋」を作ります。この作業には5時間かかることもあります。卵は孵化して幼虫になり、花粉団子を食べます。メイソンビーとは異なり、ハキリバチの幼虫は繭を織りません。その代わり、寝袋の中で越冬し、翌年の夏に成虫として出てくるのです。

蜂は刺すのか?

 メイソンビーは、守るべき巣を持たないので、刺さないことで知られています。オスは針を持っておらず、メスは閉じ込められたり、締め付けられたりした場合にのみ刺します。あなたが誤って刺すように仕向けてしまった場合、強めにつねられたり蚊に刺されたりしたように感じるでしょう。また、メイソンビーに刺されてアレルギー反応があったという履歴はありません。

環境に配慮した養蜂

 「持続可能な養蜂(Sustainable Beekeeping)」ウェビナーでは、ホストのフランク・リカタ(Frank Licata)が、養蜂家が季節を通じて蜜蜂の生命と健康を。。。

 

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