食の安全のネットワーク化 

マザーアースニューズ フードハブ 食料

私たちのお皿をいっぱいにしてくれる食べ物は通常、遠くからやってきます。作物は未熟な状態で収穫され、梱包され輸送中に熟し、均一なスーパーマーケットの陳列棚に並びます。手立てはあれど、食料品店で地産の商品を見つけることも難しく、全員が地産の作物を手に出来るわけでもなく、直売所に品物を見つけに行けるわけでもありません。さらに小規模農家は多くの場合、小売業や食品業界の様に、利益を上げるために近くの消費者へ作物を届けるための十分なサポートがありません。

翻訳:ドレイパー 愛

フードハブは農家と食料雑貨店の両方のニーズのギャップを埋める橋渡しとなります。このフードハブは地方の生産者が育てた作物の集荷、配達、マーケティングをまとめ、作物が畑から販売されるまでを担います。その物流は、食料品店が客に満足なサービスを提供できる量と一貫性を提供し、サービスが十分でないコミュニティやフードデザートにあるカフェやお店、学校(多くの人が買い物や外食をする場所)で提供される食品がより新鮮なものになります。このようにフードハブは食料供給ネットワークにおいてとても重要な役割となり、農家は規模を拡大することができ、消費者に地域での幅広い選択肢を与え、これら全てが、地元の経済を支え、輸送による価格と炭素の排出を削減するのです。

 ウォーレスセンター (Wallace Center) とミシガン州立大学地域食料システムセンター (Michigan State University Center for Regional Food Systems) によって行われた 2017 年フードハブ全国調査 (National Food Hub Survey) によると、フートハブは「3 つの成果」に焦点をあて、金銭的利益に加えて社会と環境への配慮を優先するとしています。

 その調査によると、ハブは助成金に頼ることが多く、多くのハブが人件費の高騰や需要と供給のバランスなどの増加していく困難に苦しんでいます。これらの挑戦にも関わらず、アメリカでは少なくとも 360 もの活発なフードハブが国内に存在しており、アメリカ合衆国農務省 (USDA) によると、2005 年からのフードハブの生存率は 88% と高いのです。おそらくこの不屈の力の一要因としては、このサポートシステム自体が独自のサポートシステムを有しているからでしょう。2012 年には現存するフードハブとこれから進出しようとしているフートハブの能力向上のため開発と技術の支援を提供し、フードハブ仲間やその資源と繋がれる様フードハブコラボレーション (Food Hub Collaboration) が創立されました。フードハブのウェブサイトからは名簿、論文、プレゼンテーション、資金提供元、成功談、コンサルタントのデータベース、ウェブセミナーなど様々なフードハブに関する情報源が掲載されています。フードハブコラボレーションはまた、フードハブに関連する知識体系を強化するためデータ収集や研究も行っています。その協力関係はウォーレスセンター、米国農務省農産物販売サービス課 (Agricultural Marketing Service)、ナショナル・グッド・フード・ネットワーク (National Good Food Network)、ファーム・クレジット・カウンシル (Farm Credit Council)、スクール・フード・フォーカス (School Food Focus)、ホールサム・ウェーブ (Wholesome Wave)、ミシガン州立大学地域食料システムセンター、ナショナル・ファーム・トゥー・スクール・ネットワーク (National Farm to School Network) などを含む様々な農家、食品グループから成り立っています。努力が結集することで地域の食料システムに必要なインフラが成長し、そして繁栄します。

 

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