素晴らしい冬レタスを育てる

少し計画するだけで、新鮮、自家製の青野菜を一番寒い時期に収穫できる。

文:パウ・ドウリング (Pam Dawling)

翻訳:大本清子

 

 私が25年前にバージニア州に越してきた時、近くの菜園仲間は冬にレタス栽培はできないと信じ込んでいました。私はサラダに必要な葉物野菜が、年間を通して実際に生産できることを証明しようと思いました。私はツイン・オーク・コミュニティの農園で野菜を育てています。そこで毎週、120株のレタスを植えています(100人に食べさせるのに十分な量です)。9月下旬までに、46回目の種まきをしています。私たちの栽培量は、みなさんがご自分に必要となる量をはるかに超えてはいますが、私たちの栽培計画は、冬の間ずっと新鮮な自家製のレタスを、小規模で楽しむためにも応用できます。

 収穫期間を延ばす簡単な方法は、播種日に、毎回違った品種のレタスをいくつか蒔くことです。少なくとも1つは早生や晩生を含んだ、色んな栽培期間の異なる品種を植えるが良いです。ビブレタスやロメインレタスは早く収穫期を迎えます。栽培期間が50日のサラダボウルなどのルーズリーフレタスは、一玉のレタスが大きくなるのを待っている間にも、1枚1枚を収穫することができて、とても便利です。

 その季節に合った品種を選んでください。品種名に「冬」があるものは確実です。私はまた、色や形の違うものを植えるのが好きです。レタス栽培をつまらなくする理由はありませんから。

 秋になると、冬の収穫を確実にするためにレタスの苗を路地から、冷床(コールドフレーム)と、無加温の温室と、アーチ支柱のハウスに移植します(アーチ支柱のハウスは簡単に言うと、アーチ支柱の骨組みを透明プラスチック素材で覆ったものです。作物の栽培期間を延ばす方法 (http://www.MotherEarthNews.com/Season-Extension ) を見てください)。作物をしっかりと寒さから守れば、冬の間中食べられる、十分なレタスを得られます。冷床に植えられたレタスは、冬の間中収穫するのは無理かもしれません。気温が-9℃以下になる夜には、凍結から守るため、古いキルトの布を追加し、冷床の蓋の上に被せます。アーチ支柱のハウスの中であれば、-12℃でもレタスは生き延びます。そして、畝の上からしっかりと被覆資材で覆えば、-19℃でさえ!私たちのアーチ支柱のハウスは、外気温よりも3℃ほど、暖かいです。

 成長途中の作物は、成長しきった作物よりも耐寒性があります。下記の品種で、小から中くらいの大きさになったレタスは-9度以下でも耐えられます。「マーベル・オブ・フォーシーズンズ (Marvel of Four Seasons)」、「リュージュ・ディベール (Rouge d’Hiver)」、「ウィンター・デンシティ (Winter Density)」です。私はまた、小さく、防寒されていない、次の品種が-15℃以下で生き延びているのを見たことがあります。「ウィンター・マーベル (Winter Marvel)」、「タンゴ (Tango)」、「ノース・ポール (North Pole)」、「グリーン・フォレスト (Green Forest)」です。他にかなりの耐寒性のあるものとして、「ブルーン・ディベール (Brune d’Hiver)」、「ロロ・ロッサ (Lollo Rossa)」、「アウトレジャス (Outredgeous)」、「ロシーモ (Rossimo)」、「バルカン (Vulcan)」などがあります。

 冬、私たちは二重のアーチ支柱のハウスを建てる前に、戸外で二重の被覆材を使ったトンネル被覆の中で、レタスを育てます。ほとんどのレタスはしっかり防護されていれば、6℃ほど気温が急激に低下することがあっても耐えられます。被覆材の厚さに左右されますが、内部は外気温よりも、2℃から3℃ほど暖かです。レタスは枯れませんが、しかし小まめに収穫できるほどにはなりません。8月29日がトンネル被覆を使った戸外での栽培の、最後の種まきとなります。霜よけと、耐寒性の品種で、あなたの菜園でどれがうまくいくかを実験してみることをお勧めします。もし寒い所に住んでいるなら、アーチ支柱のハウスの中にトンネル被覆を作り、そして植える時期を調整することを考えてみてください。

 

9月に種を蒔く

 9月は冬の収穫のためのレタスを植えるのに適した月です。最初の3週間の間、レタスの種を2日おきに蒔きます。21℃くらいが、レタスの発芽に最適な温度です(5℃〜10℃でも発芽しますが)。そして涼しい夜を好みます。秋の種まきは、より回数を多くしなくてはいけません。1日の差が収穫期を1週間遅らせてしまう可能性があるのです。気温が下がると、成長もゆっくりとなり、9月蒔きのレタスは収穫時期に開きがでます。

 これが私たちの区画、ゾーン7aの9月の栽培スケジュールです。平均的な初霜は10月14日です。

 9月1日、3日、5日、7日、9日。9月の一週目の間、9月25日から10月8日の間に冷床に移植するためのレタスの種を、1日おきに蒔きます。11月中頃から2月の下旬までの間、移植したレタスを寒さに慣れさせるためにスペースが必要になると、レタスの葉を収穫します。もし冷床がしっかり断熱されていなくて、厳しい寒さが襲ってきそうな場合は、一度に全てのレタスを収穫するつもりでいなければいけません。

 私たちは以下の耐寒性の品種を冷床で育てます。「グリーン・フォレスト(Green Forest)」、「ハイパー・レッド・ランプル・ウェイブド(Hyper Red Rumple Waved)」、「メルロー(Merlot)」、「ミッドナイト・ラッフル(Midnight Ruffles)」、「ニュー・レッド・ファイアー(New Red Fire)」、「オスカデ(Oscarde)」、「パブロ(Pablo)」、「パニセ(Panisse)」、「レッド・サラダボール(Red Salad Bowl)」、「サラダボール(Salad Bowl)」、「ウィンター・マーベル(Winter Marvel)」、「ウィンター・ワンダーランド(Winter Wonderland)」。

 9月11日、13日、15日、17日、19日、21日。9月の2週目は、最後に無加温ハウスに移植するためのレタスを1日おきに播種します。2月までの冬の間、このレタスは、まるごと収穫するより、葉っぱを個別に収穫していきます。緑色と赤色のサラダボールタイプのレタスは、アーチ支柱のハウスや無加温ハウスで、うまく育ちます(これらの温室で氷点下になるのはまれです)。でも、ゾーン7aの露地で育つほど、耐寒性はありません。温室用に、グリーン・フォレスト(Green Forest)」、「ハイパー・レッド・ランプル・ウェイブド(Hyper Red Rumple Waved)」、「カルーラ(Kalura)」、「メルロー(Merlot)」、「ミッドナイト・ラッフル(Midnight Ruffles)」、「ニュー・レッド・ファイアー(New Red Fire)」、「オスカデ(Oscarde)」、「パニセ(Panisse)」、「レッド・サラダボール(Red Salad Bowl)」、「レッド・ティンジド・ウィンター(Red Tinged Winter)」、「レボルーション(Revolution)」、「サラダボール(Salad Bowl)」、「タンゴ(Tango)」、「ウィンター・ワンダーランド(Winter Wonderland)」を植えます。

 9月15日、24日。この2日で10月15日と25日にアーチ支柱のハウスに移植する、耐寒性の品種の播種をします。これらは11月半ばから3月に、葉を収穫していきます。私たちのアーチ支柱のハウスは、十分に葉の収穫ができる程大きくするのに、2ヶ月かかります。また冬の間は、けっして収穫しすぎないようにします。

 この2日には、グリーン・フォレスト (Green Forest)」、「ハイパー・レッド・ランプル・ウェイブド (Hyper Red Rumple Waved)」、「メルロー (Merlot)」、「オスカデ (Oscarde)」、「アウトレジャス (Outredgeous)」、「パニセ (Panisse)」、「レッド・サラダボール (Red Salad Bowl)」、「レッド・ティンジド・ウィンター (Red Tinged Winter)」、「レボルーション (Revolution)」、「サラダボール (Salad Bowl)」、「タンゴ (Tango)」、「ウィンター・ワンダーランド (Winter Wonderland)」、オズボーンのマルチリーフレタスの様な「マルタイヤード 54 MT (Multired 54 MT)」が気に入っています。

 9月24日、27日。この2日は保険のための種蒔きです。発芽不良や、ウサギやマーモットの食害があった時のために備えたいのです。

 10月23日、11月9日。この2日は、1月25日までの間、収穫したレタスの隙間を埋めるために、種蒔きをします。このレタスは必要がなくなるかもしれないと心配することはありません。いつでもベビーレタス・ミックスとして収穫できるからです。

 

ベビーレタスミックス

 10月の最後の週、ベビーレタス・ミックスを、アーチ支柱のハウスの中で直播きします。続いて12月31日、2月12日、15日と蒔きます。1m20cm の畝に株間 10cm で 10 条蒔きします。結果、たくさんのレタスができます。

 ベビーレタス・ミックスは収穫しても、また生えてきます。つまり再生するので1回以上収穫できます。苗が成長し、刈り込んでも大丈夫と判断したらすぐに、除草し、3cm残して刈り込みます。レタスが8cmから10cmになったら、根元から3cmのところで、はさみか刈り込みばさみで収穫します。私は左手でレタスを小さめにまとめて右手を使ってカットします。それからすぐに、レタスをカットした辺りの雑草を抜き、次回の収穫時に雑草が混じらないようにします。最初の収穫は12月5日から12月22日の間に行います。冬の間、8回くらいは収穫します。ここでは、ベビーレタスは2月の終わりから3月半ばになると苦みが増し、引き抜くことになります。その前に、取って代われるように種を蒔くことになります。

 私たちが好きな、ベビーレタスの品種は、フェドコス 2981LO レタスミックス(Fedco’s 2981LO Lettuce Mix: 最低6種類のレタスが入っています)、ジョニーズ・オールスターグルメ・レタスミックス(Johnny’s Allstar Gourmet Lettuce Mix : グリーン・オークリフ (Green Oakleaf)、レッド・ロメイン (Red Romaine)、ロロ・ロサ (Lollo Rossa)、その他が入っています)。30mlの種で、180mに蒔くことができます。

 ある年の8月と9月、ヨトウ虫に露地のレタスを食べられたことがあります。アーチ支柱のハウスのレタスが収穫できるようになるまでの巻き返し用に、9月16日に露地に、ベビーレタスミックスを蒔きました。その直播きのレタスミックスは蒔いてから35日後に収穫できました(小春日和に助けられ、成長が早まったのは確かです)。露地に蒔くことを考えていなかったので、市販のレタスミックスは持っていませんでした。そこで季節に合った秋用の残り種を使って、自家製のミックスを作りました。みなさんも同じようにできますよ。

 晩夏の暖かさと夜の涼しさが作り出すレタスの味わいに勝るものはそんなにありません ー 噛んだ時の瑞々しさと甘さの、美味しい組み合わせ。

 

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