マーガレット・チョーの育てる菜園

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コメディアンであり俳優である彼女は、南カリフォルニアの自宅でさまざまな植物や動物の世話をしている。

文:ケニー・クーガン(Kenny Coogan)

翻訳校正:沓名 輝政

 

「私の家族は韓国で自分たちの食べ物を育てていました。川のそばで暮らし、魚を獲っていたので、サステナブルであることはとても身近なことなんです」とマーガレット・チョーは言います。スタンドアップコメディアンであり、俳優でもある彼女は、ジョークと社会批判でよく知られていますが、(家族でやっている)ガーデニングに対する熱意はそれほど知られていません。サンフランシスコで過ごした幼少の頃、チョーの両親と祖父母は頻繁にキャンプや釣りに出かけていたそうです。カリフォルニアでも韓国でも、彼女の祖先は蕨(渦巻き状のシダ類の若芽で、蒸したり炒めたりする文化がある)を採っていたとのこと。「でも今は、アジアの食料品店で買うことができます」とチョーは言います。「韓国の食料品店で蕨を見つけたときは、とてもうれしかったですね」

 チョーの家族が「採集」した植物は、蕨だけではありません。「我が家には常に菜園があり、私が成長するあいだ祖父母はいつも私たちを温室や樹木園に連れて行ってくれたんです」とチョーは言う。「今にして思えば、彼らは繁殖させるものを盗んでいたのです。そう、やっちゃダメですよ。それで、私の家族にはいつも大きな菜園があり ー  窃盗のおかげでね。長年にわたって巧妙に行われてきたからね」。それから数年後、チョーは自分の庭に手を伸ばして、豊かな収穫を手に入れることができるようになりました。

つるから採って食べる

 「私にとって、食べ物を育てるということは、とてもワクワクして楽しいことなんです」とチョーは言います。南カリフォルニアの自宅では、日本のトマト品種「アイコ」を栽培しています。この品種は生産性が高く、病気にも強い、支柱栽培のトマトです。味は甘すぎず、実が割れることもまずありません。収穫までの時間を短くしたかったので、地元の育苗所からこの品種を選びました。また、植え床の微気候が自宅の裏庭と似ていたため、トマトがよく育つことが確認できたそうです。

 また、カリフォルニアで最近開発されたイチゴの交配種「アルビオン」も栽培しています。その他、3種類のパイナップル、グアバ、マンゴー、そしてヒソップ、バジル、セージなどのハーブをたくさん栽培しています。

 「イチゴやトマトの摘み取りは最高ですね。私には、とっても楽しいのです」とチョー。

 干ばつが続く中、チョーは灌漑をほとんど必要としない「ゼリスケープ[ラテン語で乾燥を意味するゼロス(Zeros)と景を造ることを意味するスケープ(scape)を組み合わせた造語 で、乾燥地に適した景観をつくる方法]」に切り替えています。「今はリトープスを中心に栽培していますが、リトープスは何も必要とせず、とてもきれいでかっこいいんです。家の前にあるサボテン園に植えています。私は農薬や殺虫剤、化学品のバリアーを野菜や果物に一切使っていません。その結果、すべてリスに食べられてしまったので、リスのコミュニティをかなり助けている感じですね」

 仕事でもユーモアを追求する彼女は、笑いを誘う植物も大好きだ。サラセニア(ヘイシソウ)、モウセンゴケ属、ハエトリグサの様々な栽培品種など、食虫植物を育てていることを知って、私は初めてチョーに連絡を取りました。

 「変な見た目の植物が大好きなんです。リトープスは、とてもコミカルです。沼地にある植物は、どれも手入れがいらないんですよ」とチョー。「いつも蒸留水に浸かっているので、一番気楽な植物です。私は水を1cmほど足すだけで、何もすることがありません。信じられないくらいです」

 彼女のサボテン園には幻覚作用のあるサボテンもあり、彼女はそれを試すつもりはないと言いますが、そこにあることを高く評価しています。食用の植物が水を必要とする場合、チョーは屋外の浴槽の水を使い節約しています。「浴槽では石鹸も何も使わないので、雑排水みたいなものです。水やり用の缶を全部持っていって、水を入れているんです。植物を全て食べているのは私一人だから、問題ないです。ええ、私と、ここの周りにいる動物たちが作物を食べてます。チョーは室内のシャワーを温めながら、水も集めています。。。 

 

 

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