草地複合農法

多種の草地在来植物を生やす区画と慣例的に食用されてきた作物の耕地を組み合わせることにより収穫量が上がるとともに土壌を健全化する可能性があります。

 

作物を草地の在来植物と混生させると多くの利点がある。Photo by Getty Images/GracedByTheLight

翻訳:山下 香子

 

主要作物の生産法は日進月歩で発展しているとは言え、草地STRIP(Science-based Trials of Rowcrops Integrated with Prairie Strips:草地の区画と作物の畝を複合する科学的試験)ほど、農法を根底から改革する見込みのある手法はほかにないと思われます。草地に在来する多様な多年性植物の区画を慣行の食用作物の耕地に織り交ぜる実験をアイオワ州立大学の研究者たちは何年もかけて行ってきました。この生態系調和型の農法は、生産性と収益の面で妥協せずに土壌を健全化することを可能にします。わずか10%の農地を草地の区画に変えるだけで以下の消失を減らせます。窒素の消失を80%、リンの消失を90%、堆積土砂の流出を95%以上、防いでくれるのです。STRIPS農法を行うには1エーカー(約4047平方メートル/約1224坪)当たり、およそ30ドルかかると見積もられていますが、保全休耕プログラム(Conservation Reserve Program) に申請すれば費用の85%をカットすることができます。

 草地STRIPS農法を行うことに関心のある方は 同大学が公開している一連の最新刊行物で、この農法を始めるのに役立つ資料を読むことができます。一般公開されている文献には以下のようなものがあります。

土地所有者のための草地区画ガイド」(A Landowner’s Guide to Prairie Strips)

「草地区画:小さな変革が大きな効果を生む」(Prairie Strips: Small Changes, Big Impacts)

「草地区画農法の費用」(The Cost of Prairie Strips)

「草地区画を利用する農業」(Farming with Prairie Strips)

「草地区画農法の始め方:よくある質問と回答」(Installing Prairie Strips: Frequently Asked Questions)

 これらの文献で知ることができるのは、地域全体で草地区画農法を行うために研究グループが地域の農家や同大学と協力して長年にわたって研究する過程で得た実地経験です。また、農地のほんのわずかな部分しか草地の区画と組み合わされなくてもこの農法が環境に恩恵をもたらすということを文献は強調しています。

 関連文献は同大学の地域貢献ネットショップ(Iowa State University Extension Store)にアクセスすれば無料で読むことができます。

 

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Integrated Prairie Farming Systems

By Lydia Noyes

April/May 2018