アメリカ先住民のカフェイン

ヤポン(学名:Ilex vomitoria)が、コーヒーの代わりを求めるカフェイン好きの間で再び人気を集めています。

 

ヤポン(学名:Ilex vomitoria)は、生け垣に使われるアメリカ南部の美しい植物です。Photo by Getty Images/NajaShots

文:リディア・ノイズ (Lydia Noyes)

翻訳:大本 清子

 

 

朝の眠気覚ましにコーヒー1杯(あるいは4杯)が欠かせない人はたくさんいますが、お気に入りのコーヒーには、1日を始めるのに必要な量をはるかに上回るカフェインが含まれていることはあまり知られていません。クロルピリホス、ジスルホトン、メチル・パラチオンなど、米国では随分前から使用禁止となっている数多くの化学物質が、非有機コーヒーの栽培には今でも使われており、農園とそこで働く人々を毒物汚染の危険にさらしています。

 コーヒーを飲むことで環境に悪影響を及ぼしている可能性があることを考慮し、アメリカ人の中には地元産のもの、ヤポンに替える人も出てきています。この人気上昇中の飲み物は、アメリカ合衆国の南東部を原産とし、含まれるカフェイン濃度は、紅茶とコーヒーの中間です。多くの南東部のアメリカ先住部族にとって、ヤポンは特別な飲み物で、その味と舌触りは、独立戦争の頃に最盛期を迎えたイェルバ・マテに似ています。

 干ばつや塩分に強く、凍えるような気温にも持ちこたえることのできる植物ヤポンは、その地域の気候に適しています。ヤポンは砂地で育ち、バージニア州からフロリダ州にかけて、更にはテキサス州でも育ちます。実は、ヤポンは原生林の中でも生け垣としてもよく知られている大西洋沿岸を代表する常緑樹なのです。とはいえ、長年熱帯のイェルバ・マテの人気が高かったので、飲み物としてのヤポンは忘れ去られていました。

 このアメリカ生まれのカフェインを飲んでみたければ、沸騰直前のお湯の入ったカップに、ヤポンのティーバッグか小さじ一杯分の茶葉を入れてください。4〜6分浸してから葉を取り除き、地球に優しい南東部のお茶をお楽しみください。テキサス州のCatSpring Yauponやフロリダ州のYaupon Brothers American Tea Co.などでお求めいただけます。

 

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Native American Caffeine

By Lydia Noyes