パンプキンのコーンブレッドをフランス風に工夫

マザーアースニューズ  料理 レシピ

カボチャを使うと、暖炉の周りで夜を過ごすのにふさわしい、 軽くてしっとりした自然にグルテンフリーのパンが作れる。

 

文と写真: ウィリアム・ルーベル(William Rubel)

翻訳: 松並 敦子

 

 およそ 40 年前、私は感謝祭のために初めてこのパンを作りましたが、それ以来ずっ と作り続けています。初めて作った時から、私の心はこの美味しくて美しい他とは違う パンにわしづかみにされました。 このパンはたいていのコーンブレッドより軽くてしっとりしているので、多くの用途があります。見事な黄色をして いて、パン生地の気泡が軽く開いていて、温かみのある味をしたこのパンは、七面鳥やハムが中心の伝統的な行事食 によく合いますし、詰め物にも適しています。 朝食にするなら、クリームチーズと一緒にトーストするか、フレンチトーストにするのがお勧めです。コーンブレッ ドとクリームチーズの組み合わせは絶品で、間違いなく、特別なブランチにぴったりの選択です。フレンチトーストに すれば、週末の朝食を盛り上げてくれるでしょう。牛乳と卵に浸すと、パンの身は柔らかくなりますが、適度な食感 は保たれていて、柔らかくてもふやけることはありません。そして、メープルシロップがパンの温かい色合いを引き出 してくれます。 早く日が沈む冬の午後には、私は暖炉の前でこのコーンブレッドにバターとはちみつを添えて、濃い紅茶かコー ヒーと一緒に楽しみます。もう一つの楽しみ方は、スライスしたコーンブレッドにイタリアの柔らかいブルーチーズの ゴルゴンゾーラを塗って食べることです。

 

料理本の年代記

 私はこのパンプキン(皮がオレンジのカボチャ)のコーンブレッドの基本レシピを 1978 年のバーナード・クレイト ン Jr. の料理本『The Breads of France(フランスのパン)』で見つけました。クレイトン Jr. はこのレシピの発祥はピレ ネー山脈のフランスのバスク地方だと言っていますが、これは少し厳密過ぎるようです。私はバスク地方に限定しな いで、広く南フランスに関連したフランスのパンプキンのコーンブレッドの一種だと理解しています。参考文献はほと んどありませんが、このパンが古い伝統に基づいていることは明らかです。 フランスで最初のパンプキンパンとして知られているレシピは、影響力のある作家ニコラ・ドゥ・ボンヌフォンによっ て 1600 年代半ばに出版されました。これは小麦のパンでした。18 ~ 19 世紀の大半の時期にコーンブレッドを主食としていた南フランスでは、人々は時々コーンミールに茹でて潰したパンプキンを混ぜ て、パンの食感を微妙に改善していたようです。 フランスパンは原則としてあっさりしてシンプル、つまり小麦粉、水、パン種、塩で 作られています。フランスには手の込んだパンである、贅沢パン(pains de luxe)の伝統 もあります。これらの酵母パンは卵、牛乳、バターなど脂肪分を含む材料を 1 つかそれ 以上使って美味しくなります。28 ページで紹介したコーンブレッドのレシピは材料に牛 乳、卵、パンプキンを使っているので、フランスの贅沢パンの伝統に該当します。酵母 菌と卵白の両方で膨らませたこのパンは、サンドイッチパンのように気泡が開いてお り、コーンブレッドの概念を別レベルに引き上げました。 家庭の台所でこのパンを作るのに必要なのは、パンプキンまたは冬カボチャと 6 本ほ どのフリントコーンだけです。中庭があれば、どなたでもパンプキン栽培ができます。

 私は少なくとも 30 年間、このパンを作るためにパンプキンを育ててきました。たとえ 庭が狭くても、トウモロコシも簡単に育てられますよ。私は昨夏できましたので。裏庭 の鶏の卵の濃厚な黄身に自然な黄色を帯びたコーンミールを合わせると、鮮やかな色のパンができます。

 

アメリカ生まれ

 非常に硬いトウモロコシのフリントコーンを挽いて粉末のコーンミールにすることが多いです。秋に販売されるカラ フルな装飾用トウモロコシを思い浮かべてください。ポップコーンはフリントコーンの一種です。私はマザーアース ニューズで紹介したポレンタ・コーンの『Floriani Red Flint』を栽培しています(『Floriani Red Flint: The Perfect Staple Crop for Every Homestead』2010 年 12 月 / 2011 年 1 月号をご参照)。自分でフリントコーンを栽培するなら、穀粒を取 り除いて挽く前に、必ず皮を完全に乾かしてください。製粉機を持っていない、あるいは借りることもできない場合 は、フードプロセッサー、高速ブレンダー、あるいは小型のコーヒーグラインダーでもコーンミールを製粉できます。 少量ずつ行って、粉末になったら、微粉末になる前に必ず停止できるように、注意深く確認しながら製粉してくださ い。これらの代替案について聞いたことを予めお伝えしますが、コーンはプラスチック容器(例えばバイタミックス ブレンダー)を傷つけることがあります。私は試しに自分のコーヒーグラインダーと小型のフードプロセッサーでコー ンミール 2 カップ(470ml)を製粉してみましたが、その仕上がりには満足しています。 コーンとパンプキンはどちらもアメリカの作物です。先住民は 3 姉妹システムと言われる混植を行い、豆と一緒に コーンとパンプキンを同じ畑で栽培していました。このようにコーン、パンプキン、豆を栽培したことがなければ、こ の栽培システムを来春に試してみてください。フランス人にはこのパンプキンのコーンブレッドのレシピを開発してく れたことを感謝しますが、今こそ、このレシピを北アメリカに立ち帰らせる時で、パンプキンとコーンを自分たちの 土地に馴染むように栽培して、このパンができるようにしてくれた先住民の農民たちに感謝する時がやってきたので す。

 

パンを焼く人になろう!

 冬の間中ずっと、ホカホカ焼き立ての美味しいパンを楽しみましょう!私たちのオンライン『ゼロから作る焼き立てパン(Fresh Breads from Scratch)』コースから、新しいレシピやアイディアを見つけてください。3 人の寄稿者がサワー種(発酵種)、ベーグル、こねないパン、マフィン、ビスケットなどなどを紹介しています。今すぐ、オンライン登録しましょう。MotherEarthNews- Fair.com

 

パンプキンのコーンブレッド

 このレシピでは生のパンプキンの代わりに缶詰パンプキン、どんぐりカボチャ、バターナッツ カボチャを使っても大丈夫です。生のカボチャを使う場合は、種を取り除いて、約 350ml(約 340g)を細かくカットし、ひたひたの水を入れて柔らかくなるまで煮ておきます。スプーンでカ ボチャの皮から実を取り出して、すりつぶします。高温多湿の気候では、コーンブレッドは小麦の パンより早くカビが生えてしまうので、保管には気をつけてください。このパンは冷凍にも向い ています。出来上がり分量: 6 ~ 10 人分。

 

材料:

• 牛乳・・・1 カップ(235ml)

• 潰したパンプキン、または他の冬カボチャ・・・1 カップ(235ml)

• コーンミール(自分で粉砕する場合は、フリントコーンを使うこと)・・・2 カップ(470ml) • 卵(白身と黄身に分けておく)・・・3 個

• イースト・・・1 包(7 g)またはマイルドなサワー種・・・1/2 カップ(120ml)

• 塩・・・小さじ 1/4

• 砂糖・・・大さじ 4 杯まで(好みで加える)

• ブランデーまたはウイスキー・・・60mlまで(好みで加える)

 

作り方: 牛乳を温める。コンロなら鍋で、電子レンジならガラス容器を使う。 ミキシングボウルの中に温めた牛乳、パンプキン、コーンミール、卵の黄身、イースト、塩、好みで加える砂糖とアルコールを入 れる。滑らかになるまで混ぜ合わせ、覆いをして、温かい場所に置き、十分に生地が膨らむまで発酵させる。イーストを使うと、 30°C 弱の部屋で 45 分ほど、もう少し室温が低いと、もう少し時間がかかる。サワー種を使うと、数時間かかることもある。 オーブンを 180°C 弱に予熱しておく。容量 1,400ml 程度の焼き型またはスフレ型の内側にバターをたっぷり塗り、底にクッキン グシートを敷いておく。予熱が完了したら、卵白を泡立てる。生地に卵白の 1/3 を入れ、しっかりかき混ぜ、残りの卵白は 1/3 分 ずつゆっくり加え、やさしく混ぜ込む。用意しておいた焼き型に生地を入れ、直ぐにオーブンに入れる。

45 分焼いたら、焼け具合を確認する。中心にナイフを入れて、何もついてこなければ、完成。 焼き型からパンを取り出し、金網台に載せて粗熱を取る。冷めたら、スライスして、食卓に出す。。。

 

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