すぐ建つ緊急シェルター

マザーアースニューズ 自然 自給 DIY

持ち運びが簡単な材料で、いざという時に避難できる短期的な構造物を作ろう。

文と写真:エイデン・テイトゥ(Aden Tate)

翻訳校正:沓名 輝政

 

私は、自然の中でハイキングする場合は、常に何らかの道具を携帯すべきだと考えています。たとえ日帰りのハイキングであっても、簡単な道具をいくつか持っているかどうかで、生きて帰れるかどうかが決まります。

 事故は(短時間の遠出であっても)起こるので、備えるのは意味があります。特に一人で行く場合はそうです。例えば、人里離れたお気に入りの場所に日帰りハイキングに出かけたとき、岩で滑って坂道を転げ落ちたとします。足首をひどく捻挫してしまい、日没までに車に戻れる見込みがないことがわかります。短時間のハイキングのため、寝袋やテントなどを持ってこなかったので、これから夜まで暖かく、濡れずに過ごす方法を考えなければなりません。

 このような場合、医学的外傷以外で命をつなぐために最も緊急に必要とされるのはシェルターです。緊急時にシェルターを確保する最も簡単な方法の一つは、5 × 7 フィート(1.5 x 2.1m)のタープと 30 フィート(9m)のパラコードを携帯することです。この2つのアイテムで様々なシェルターを作ることができ、安価で軽量、そしてデイパックに簡単に入れることができ、場所をとりません。つまり、森に出かけるときに、これらのアイテムを携帯しない理由はないのです。

 タープとパラコード、そして身の回りにある材料で簡単に作れる、短期間、野外での急場をしのぐシェルターをいくつか見てみましょう。

 

シンプルなリーントゥ(Lean-To)

所要時間:約15分

材料:

  • 5 × 7 フィート(1.5 x 2.1m)のタープ
  • 30フィート(9m)のパラコード
  • 近くにある2、3の木

 このリストの中では、最も簡単に建設できるシェルターです。一時的に雨風をしのげればよく、寒さは問題でないなら、このリーントゥはとてもシンプルです。

 ただ 2  本の木の間にパラコードをしっかり張って、その上にタープをかけるだけです。私は、雨を避けるためと、天候に対する保護をもう少し強化するために、少しオーバーハングさせました。

 その後、残りのパラコードでタープの角をすべて固定します。パラコードが足りない場合は、石を使い、先の尖った小さな棒を地面近くのはと目に打ち込んでタープを固定します。

 たいそうな事ではないですが、このようなシェルターがあれば、簡単にできて、安全なまま家に帰れます。

 

地面を抱き抱える槍の穂先シェルター

所要時間:およそ20分

材料 :

  • 5 × 7 フィート(1.5 x 2.1m)のタープ
  • 30フィート(9m)のパラコード
  • 10フィート(3m)長の棒
  • 3~4フィート(1.2~1.6m)長の棒・・・2本
  • 大きな石・・・2つ

 私はこのシェルターを、その骨組みの形状から「槍の穂先」と呼んでいます。一人で、あるいは小さな子供と一緒にいて、材料があまりなく、天候が過酷でない場合、これは素晴らしい緊急用シェルターになります。

 棒を集めたら、長い方の棒の前部が地面から浮くように、短い方の棒を2本括りつけます(写真上、左)。長い方の棒の先端を風の方向に向けると、シェルターがバラバラになりません。

 次に、タープを骨組みにかぶせ、パラコードで接続部分と前脚2本の底に結びます。長い棒の一方の端を石で固定し、さらに石をタープの側面に沿って置くと、内部の熱を逃さず、風や雨から身を守ることができます。

 シェルターの内側には落ち葉や松葉を敷き詰めれば、森の中で一晩中安全に過ごすための快適なシェルターができあがります。タープの外側にも葉っぱや松葉を敷けば、より暖かく過ごせます。その際、不意にタープを突いて穴を開けないように注意してください。

 

Aフレームで快適なベッド

所要時間:約45分

材料 :

  • 5 × 7 フィート(1.5 x 2.1m)のタープ
  • 30フィート(9m)のパラコード
  • 丸太と枝(自身の身長より30cm長く、腕の直径程度)・・・約16本
  • 丸太や枝(自身の肩幅より30cm長く、腕の直径程度)・・・約10本 
  • 松葉や葉(できるだけ多く)

 この記事のシェルターの中で、一番暖かく過ごせるのがこのシェルターです。もし、森の中でとても寒い環境にいるのなら、このシェルターがおすすめです。

 枝積みベッド(raised debris bed)は、アリゾナ州の「Ancient Pathways」のトニー・ネスター(Tony Nester)から学んだ基本概念です。機会があればぜひ、彼の講座や本を読んでみてください。。。

 

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