放牧でガチョウやアヒルを育てる

マザーアースニューズ 自然 自給 DIY 農

あらゆる種類の家禽を草地で飼育するからと言って、ヒヨコ のように怯えなくても良い。

 

文と写真:キャリー・ハーディー(Carrie Hardie) 

翻訳:津田 嘉江

 

 あなたが草地で家畜を飼うことを目指す場合、最初に思い浮かぶのは羊、牛、その他の反芻動物でしょう。しかし私たちは水鳥を放牧することが無駄なく価値ある 試みとなると考えています。そう、ガチョウがやっかいな雑草をおいしそうに刈り 取っていくのを見たら、もっと早く放牧を始めていたかったと思うことでしょう!  私たちは小さな農場で鶏、アヒル、ガチョウを飼っています。彼らは扱いにくい生 き物になりうるので、屋外で安全に飼育するのが理想的です。鶏と水鳥では、放牧の取り組み方を変えていますが、 どちらの家禽にも、化学物質を使わない放牧地に生える新鮮な植物にたどり着く恩恵を与えています。彼らは土に空 気を送り込み、大量の虫を食べ、行く先々で肥料を施します。

 

家禽を守ろう

 チキンワイヤー(家禽用ネット)は、運動場やチキントラクターによく使われる素材です。簡単に入手でき、比較的安価です。 ただ、捕食者に破られやすく、開口部が十分に大きいので、捕食者が手を伸ばして鳥やヒヨコを掴めます。鳥やヒヨコを掴むのに 十分な大きさがあります。小屋や運動場の中で特に壊されやすい箇所には、金網やひょうから保護するスクリーン(hail screen) を使ってチキンワイヤーを補強したり、小さな開口部を塞いだりします。また、1 × 1 インチのメッシュを補強材として使用することもできます。開口部が多少大きくても、捕食者の被害を防ぐのに十分な頑丈さがあります。

 

完全な放牧

 ガチョウは雑草刈り取りマシーンで、主に草食性です。毎日の栄養のほとんどをイ ネ科の草と広葉草本から得ることのできるガチョウは、少なくとも理論的には、牧 草地の栄養素が最高の時期にほぼ牧草地だけで育てることができます(私たちは牧 草の補足として発酵させた高タンパクの飼料を使用しています)。ガチョウの子が草 を詰め込んでいるのを見るのは喜びであり ― ひながふ化後二日たったらすぐに刻ん だ草やひな用小石を与えています。ガチョウのひなも成鳥も、チコリ、タンポポ、ゴ ボウ、オオバコその他の放牧地によく生えている植物の多くをかじります。柵のある 場所をきれいにする必要はありませんか?柵のあたりにガチョウを放ちましょう。  他方アヒルは雑食性で、植物を繰り返し食べる一方、牧草地や庭の害虫を片付け るのに優れています。害虫は若いレタス、豆やほかの柔らかい植物を好むので、作物が成熟して多少の食害にも耐えられるようになるまで、マメコガネ、ナメクジその他 の害虫がまん延する菜園の区画をきれいにするのに、彼らを活かすことをお勧めします。アヒルはウジや似たような幼虫を喜んで食べるので、ヨトウムシや青虫がまん延 するアブラナ科の植栽は、アヒルの駆除活動の主なターゲットです。  加えて、マスコビー種[学名 cairina moschata、中南米原産のバリケンを家禽化。]のア ヒルはカエル、ハタネズミ、ハツカネズミも消費します。彼らは牧草地のハエの個体 数を激減させ、この意欲はひなにもみられるようです。彼らは昆虫を追跡し捕獲する 達人です。私はマスコビー種ほど根気強く熱心に虫を追いかけて食べる水鳥を見たこ とがありません。

 

小屋と囲い

 おおむね私たちは、牧草地の水鳥と鶏には同じ型の小屋と囲いを使います。低いトラクター、フープトラクターと持ち運べるネットです。トラクターは可搬式の小屋です。低いトラクターは高さ約 60cm で、フープトラクターは人が入るのに十分な高さ があります。私たちは幼鳥を低いトラクターに住まわせ、成長して、牧草地に放つ主要な群れに仲間入りできそうになったら、フープトラクターに引っ越しさせます。アヒルとガチョウは通常低いトラクターを飛び出すことはないですが、鶏はそれが可能で、飛び出すこともあり - 柵囲いではなかなか収まらないのです。  ほとんどのアヒルは小屋のネットの制限を受け入れます。ガチョウは逆にネットに 飛び込んで絡まってしまいます。罠にかかった家禽は、ネットに通電している場合、 トラウマやケガの可能性、または死んでしまう可能性があります。この種の絡まりが 私たちの農場で一度起こり、そんな目にあったガチョウは生き延びましたが、今で は通電しないネットのみ使用しています。  放牧された水鳥と鶏のもう一つの違いは、水鳥は一晩中警戒を続けていることで す。低いトラクターの中で眠る鶏の幼鳥は、捕食者の影響を受けやすくなっていま す。例えば、アライグマは1x2インチ(2.5 x 5cm)のケージワイヤーに手を通し て、鳥の一部を引き抜くことができます。アヒルとガチョウは捕食されにくいですが、牧草地で家禽を囲っているどの トラクターにも、下部 30cm に金網フェンスを使うことをお勧めします。

 

捕食者からの防御

 私たちの農場では、猛禽類(タカやフクロウ)、イヌ科の動物(コヨーテやキツネ、イヌ)と小さな捕食者(オポッサムやアライグマ)からの脅威に対処しています。私たちは、夜に草地の水鳥を守るため、手先の器用な動物を打 ち負かすカラビナで施錠できるワイヤーで囲んだトラクターのような、捕食者を防ぐ囲いを選択しています。。。。

 

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