ソーラー温室

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リサイクル材を利用して、寒い季節でも栽培可能な温室を作ろう。

文と写真:ビル・ウェントワース(Bill Wentworth) 

翻訳校正:沓名 輝政

 

幼いころ、祖父の巨大な温室を歩きながら、かっこいい植物やエキゾチックな植物を眺めるのが好きでした。それ以来、自分自身の温室を持ちたいと思うようになり、ついに実現しました。

 限られた予算の中で、窓として使ったシャワードアや雨戸、ドアなど、材料はリサイクルショップやクレイグスリストなどで無料または再利用品を見つけることができたのは幸運でした。ヒマラヤスギの厚板とモミの樹の支柱は、近所の人が裏手の森の風で倒れた樹を製材してくれたもので、無料で提供してくれました。天井のアルミ 製の曲線支柱は古いアンテナから、換気扇と12Vのバッテリーは解体屋でホンダ車から調達したものです。新たに購入したものは、充電器付きのソーラーパネル、屋根用の二重壁ポリカーボネートパネル、熱感知式換気孔、コンクリート、支柱用のアンカー(沓石)、ネジ、アンカーボルトとナットなどです。このプロジェクトは、入手可能な材料や温室をどの程度の大きさに設計するかによって大きく異なるため、厳密な工具や材料のリストは掲載していません。

寸法を決める 

 詳細な図面は書きませんでしたが、窓として使用したシャワードアのレイアウトをスケッチして、寸法を求めました。同じドアが8枚あったので、温室全体の長さはその幅に合わせました。高さも同じように考えました。底に3フィート(約1.5メートル)の壁が欲しかったので、その高さにシャワードアの高さを加え、さらに上部に杉板を1枚と屋根の高さを加えました。あとは同じように、いくぶん緩やかな流れで設計を進めていきました。

土台作り 

 このような軽い構造物は強風で簡単に破損してしまうので、しっかりとした土台が重要です。まず、敷地を水平にします。次に、砂を3cmほど敷き、その砂を水平にします(大型のガーデンレーキがこの用途にうまく使える)。砂をよ く固め、砂利や樹皮など、歩きやすいものを敷き詰めます。

 支柱の位置を正確に決めることが必要で、いくら強調しても足りない気がします。きちんと並べ、正方形にし、水平にしなければ、このプロジェクトの残りの期間、その問題と戦うことになるのです。私の構造体は長さ20フィート(6m)で、長い壁の真ん中に支柱が欲しかったので、温室の両側面に3本の支柱を配置しました。支柱を固定するために、亜鉛メッキ支柱アンカーをコンクリートに打ち込みました。これでしっかりとした土台ができあがっただけでなく、メンテナンスなしで長く使えるようになりました。

 糸巻き、メジャー、水準器などを使って、支柱の位置を確認します。穴は深さ約11⁄2フィート(45cm)、直径約9~10インチ(23~25cm)で掘ります。地表から約2~3インチ(5~8cm)上まで流すコンクリートを入れるためのコンクリート型枠が必要になります(私のように木の厚板を使う場合は、地面に直接寝かせたくはないでしょうから)。コンクリート型枠用に作られた段ボールの筒も売っていますが、私は廃材を釘で打ち付けただけです。コンクリートを混ぜて、1穴ずつ流し込んでいきます。水平器、メジャー、糸で高さや位置を確認しながら、支柱アンカーの組み合わせを変えつつコンクリートに打ち込みます。だいたいの位置が決まったら、廃材やレンガで、支柱を補強して固定します。その後、再度確認し、必要に応じて調整し、各支柱について繰り返します。

 コンクリートは3日ほどそのまま乾燥させます。その後、支柱をボルトで固定します。支柱を完全に締め付ける前に、それぞれの支柱が垂直で一直線に揃っているかどうか、もう一度確認します。

壁を作る 

 コンクリートが硬化し、支柱をボルトで固定したら、壁の厚板を釘またはネジで固定し始めます。私は、より安全なのでネジを使うのが好きですが、値段も高くなります。

 厚板を所定の位置にセットし、水平であること、端が希望の位置にあることを確認してから、板を支柱に固定します。耐候性を高めたい場合は(寒冷地では特に重要)、板の端で留め継ぎやさねはぎ継ぎを施すか、または端を重ねるようにします。。。

 

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