人類は6度目の大量絶滅に責任がある

スマトラ・タイガーは、人類の活動による絶滅危惧種のひとつ。

 

多くの人にとって相当なミステリーだが、エリザベス・コルバート (Elizabeth Kolbert) の著書「The Sixth Extinction: An Unnatural History」は、公明正大な観察者として目を見開いて、この犯罪を描写している。登場人物と読者は、この話の筋に感情的な反応をするかもしれないが、公平な語り手では無い。彼女は事実に即している。

コルバートは、手始めに、彼女の事例の事実を立証している。私たちは、人類史におけるどの時点よりも何千倍も大きな割合で生物種を失っている。これらの生物種は様々な理由で死滅して行くが、ほぼ全ての原因(蔓延する病気、変遷する海洋化学、生息地の破壊)は、過去300年間に渡る人類の拡大と地球の急激な工業化に由来している。

死滅は加速化しているが、世界中の生息地への人類のインパクトが伴っている。犯人は分かっている。しかし、まだ自白がない。

コルバートは、強情な人類の否認の糸口を辿っている。18世紀、ほとんどの人は、一旦地球に生まれたどんな生物も最後は消滅するとは想像できなかった。絶滅は、理解するのが困難な概念だった。理由の一端として、その考えは、神の創造が、人類が元来信じて来たほどには完璧ではないのかもしれないと暗に示すからだ。更に悪いことに、生物種によっては人類による狩猟で絶滅させられたと思われるものもあり、人類は永続的に神の創造を作り変えてきたことになる。研究者が、化石やその他の大昔に絶滅した生物種を発見しているが、公衆の意見として徐々に受入れられるようになって来た考えは、生物種は必ずしも永遠に続く必要はなく、人類はその生物種の絶滅において、主要な役割を果たすということ。

19世紀には、私たち人類は、進化の革命的な概念を咀嚼するのに苦労した。ダーウィンが私たちに信じるよう求めたのは、地球に広く生息した原初生物が絶滅したことだけでなく、変化は今もあり、そのような生物は現在も生息し(人類も含めて)、自然淘汰の影響下で進化し続けているということ。

近年の理論、人類は第6次の絶滅に責任があるというのは、私たちにとって最も受入れ難いかもしれない。以前の主要な5度の絶滅は、様々な発端に起因する。火山噴火から隕石の衝突まで。しかしながら、今日、世界中の島、山頂、熱帯雨林へとコルバートに同行する科学者が記録しているのは、比較的緩慢な地球規模の変動であり、原因と結果を追うのが困難なことが多い。私たちが把握しているのは、自身で気候を変えていること、化石燃料からの酸が海洋の化学成分を変え、何千もの生物種を一掃していることだ。しかし、海洋のような大きな媒体の化学的変化を特定し、追跡することは、骨の折れる調査が必要だ。

この絶滅もある面では、容易に理解できる。世界でも大型で最も目に付く生物種(熊、虎、サイなど)は、人類の侵略的な開発により、単に生息域から追い出されている。私たちは森林を伐採し、草地を開墾し、大型動物がかつて生息した環境を覆い尽くす街を建設して来た。

コルバートの話の最後で、2点疑問が残り未解決なことがある。人類は、証拠を認め、責任自覚して第6次の絶滅の進展を逆行させるのか?また、そうでなければ、最終的に大量絶滅を休止するのは、根本原因の排除、私たち人類の排除なのか?


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Humans to Blame for the Sixth Mass Species Extinction

April/May 2015

By Bryan Welch