多様性を守る

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「なぜあなたはそんなに意識が高いのか?」

 多様な文化が自営農と何の関係があるのだろうという読者に、またひとつお答えしたところだ。「為せば成るコミュニティ」内のあらゆる人々、あらゆる文化における農業の長い歴史を取り上げていることに、多くの読者から感謝される一方で、苦情も寄せられる。苦情の多くは「woke(意識高い系)」という言葉を振りかざし、私たちが「政治的」であると非難するものだ。これらの主観的な用語は、彼らが気に入らないものや人を指しているようだ。しかし、私たちの目標は、自給自足のための複数の解決策を持つ多様な文化を含めることだ。さらに、私たちが発信するトピックは、その時々の政治を超越している。どの政党や政治綱領も、人々と地球への配慮を唯一主張するものではない。

 1970年以来、私たちは農園を始めたり、コミュニティ菜園を運営したり、食の取り組みを始めたりする人々のストーリーを紹介してきた。その中には、生い立ちや人種が原因で障害に直面した人々の話もある。最近では、読者から「持続可能性だけに集中しろ!」と言われることもある。しかし、彼らの経験は、私たち全員にとってそうであるように、持続可能性への旅の一部なのだ。

 私が20年間住んでいたリノでは、リノ・グリーニング・プロジェクト(Reno Gleaning Project)のボランティアが、都会の木から余分な果物を摘み取り、無駄にしないようにしている。そして、その果物を地域の飢えた人々に寄付している。その多くはリンゴを使ってパイを作る。この取り組みは、都市型菜園、廃棄物の転換、食料へのアクセス、アップルパイを組み合わせたものだ。多くの人はこれは、まさにマザーアースニューズが注力するものと考えてくれるだろう。では、オハイオ州アクロンで、黒人の先祖伝来の慣習を利用してコミュニティ菜園を奨励し、都市型菜園、廃棄物の転用、食料へのアクセス、文化的に関連性のある食品を結びつける取り組みについて論じた記事と、どう違うのだろうか?(2023年8月/9月号「Black Foodways」参照)

 レッドライニング(赤線引き)、世代間の貧困、食の砂漠といった問題は、多くの地域社会で障害となっており、そうした地域社会の大半は、多様な人種、宗教、文化的背景で構成されている。多くの人々が土地へのアクセスを制限されてきた。アメリカ先住民は涙の道(Trail of Tears)の後、しばしば人を寄せ付けない土地を居留地として「贈与」され、寄宿学校は全世代を彼らの文化から遠ざけてしまった。真珠湾攻撃後、日系アメリカ人の多くは強制移住と強制収容によって土地を失った。また、アメリカ黒人は、奴隷にされた先祖が土地を耕すことを余儀なくされたにもかかわらず、自由人の中で農業を続けるためのまともな土地を購入することができなかった。

 私は肌の色のせいで土地を制限されたことはないけれど、女性でありながら作業用ピックアップトラックを買おうとした話や、夫に農業技術を教えたら、夫がコミュニティに教えて、話を前よりも聞いてくれるようになった話などはたくさんある。ある特定の店で買い物をするのをやめたのは、男性従業員が私に必要なものを売るのを拒んだから。

 私たちはあらゆる地域を取材し、良い行いや勝利に焦点を当てるとともに、あなたにも成功を見いだせるようインスピレーションを提供している。しかし、すべての勝利には試練がつきものであり、そのストーリーは人それぞれ異なる。私たちが個人的に経験しなかったからといって、その経験が無効になるわけではない。私たちは「為せば成るコミュニティ」を代表する雑誌として、自給自足と持続可能性を求めて苦闘してきたすべての人々と連帯し、彼らのストーリーに敬意を表す。私たちは、あなたが誰であろうと、地球の資源を保護し、同時にあなたの財源を節約する手助けをすることに専心している。

 あなた自身の物語が幸せに終わりますように。

―  マリッサ・エイムズ(Marissa Ames)

翻訳校正:沓名 輝政 

 

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