コハウジングでコミュニティをつくる

PHOTO: LAWRENCE JOURNAL-WORLD/RICHARD GINTOWT
PHOTO: LAWRENCE JOURNAL-WORLD/RICHARD GINTOWT

(写真) デラウェア通り共有地は多種多様な人々の住むコハウジングである(カンザス州ローレンス)

 

 

 資源を分かち合いコミュニティを打ち立てる方法を探している人々にとって、コハウジングはだんだんと可能な選択肢になってきている。現在アメリカでは118のコハウジングコミュニティが運営されており、ほぼ同数が計画段階にある。60年代にデンマークで始まり、アメリカに輸入されたコハウジングは、個人の家といくつかの共有設備からなる一種の国際的なコミュニティである。住人は積極的に企画を立てたり近隣の人々を組織したりする。
 「とても魅力的な暮らし方ですよ」とクレイグ・ラグランドは言う。彼は全米コハウジング協会の前執行役員である。「あなた自身の力や物事を起こす能力が増すんです。あなたの事を気にかけ、成功を助けたいと思う人々が周りにいる事で、そうなるんです。」

コハウジングコミュニティは(田舎、郊外や都市部で)様々だが、ほとんどは集会場やランドリー施設、庭を備えている。コミュニティのメンバーは食事を分け合ったり定期的な社交イベントを楽しんでいる。住人は委員会に参加したり、なんであれ自分に出来る事でコミュニティに貢献するように求められ、推奨される。彼らはまた総意によって決定をくだす。その結果、住人は積極的に互いの生活に関わり合い、その度合いは現代アメリカのご近所付き合いではめったに見られない程のものだ。
 もちろん、コハウジングでの生活はユートピアではない。共同生活における問題には、仕事分担についての異なる思惑や、はっきりしない線引きやルールが含まれている。「どんなコミュニティでも、あるいはどんなに大きな組織でも、たくさん働く人がいて、そこそこ働く人がいて、何の仕事もしない連中が常にいる。それと同じですよ。」とイースト・レイク共有地のアン・オルソンは言う。イースト・レイク共有地はジョージア州ディケーターにあり、約170人が暮らす国内最大級のコハウジングコミュニティの一つである。
 家の価値というのは一般的には市場価値と同等なのだが、コハウジングコミュニティの住人は様々な理由によって生活のコストダウンを享受している。カリフォルニア州コタッティーにあるフロッグソングは、サンフランシスコから北に約1時間のコハウジング開発地である。住人のエリス・ウィーバーは、住まいに断熱がしっかりほどこされており壁を共有しているので、光熱費が安くあがり節約ができると言う。彼女は車をあまり使わず、娯楽にも浪費せず、食料や生活用品、子供の衣類は共同で購入している。
 こうした進歩的な隣人関係はいくつかの形をとり得る。時には隣人になろうという者同士が開発業者を雇って新しいコミュニティを打ち立てるかもしれない。あるいは、現在の隣人たちが自分たちのご近所付き合いを改善しようと決意するかもしれない。~本質的にすでに生活しているコミュニティを、より長持ちするように構築するということだ。例えば、アパートの住人ならば、一緒に食事したり、庭作りを始めたりしようと思うかもしれない。あるいは、郊外の閉鎖的な戸建て住宅地では、家々の境の塀をうち倒し共有の場所を作るかもしれない。多くの既存のコハウジングコミュニティが多種多様である一方、高齢者向けのコハウジングコミュニティもその数を増やしている。
 コハウジング開発の立ち上げに関心のある人はゼロから始める必要はない、とラグランドは言う。彼のおすすめはコハウジングに関する本を読む事と、コハウジング協会のウェブサイトをじっくり読む事だ。協会はオープンハウスを提案して、全国会議を開催しており、オンライン上で全米のコハウジングコミュニティの住所録を管理している。

 

Cohousing Creates Community
August/September 2012
By Cindy Klinger