美味しい野草5種類

「雑草」との戦いは止めて、元気になる野菜を扉のすぐ外に植えておこう。

ここで取り上げるアマランサス、コハコベ、シロザを含めた5種類の野草は、サラダボールの中でたちまちの内にグルメな葉野菜に姿を変える。家庭での野草採取の基本を知っておこう。あなたの舌も喜ぶこと請け合いだ。

 

 

文:Samuel Thayer

翻訳:浅野 綾子

 

この5種類の食べられる野草は、他の野菜と同じように美味しい。かつ、北アメリカに住んでいるなら少なくとも1つは家の近くでみつけることができる。

 お金のいらない食べ物はあなたの足元にたくさんある。野草採取のコツを心得ればその恩恵にあずかることができる。ここで言う食べ物とは、緊急時のときだけ、もしくは、家計の節約のために仕方なく食べる粗末な食べ物ではない。これらの野草は、買ったり、育てたりする野菜と同じくとても美味しいものだ。そして、栽培野菜と比べて、ビタミン・ミネラルの含有量がとてつもなく高いのだ。

 食用の野草採取についてきっとあなたは耳にしたことがあるはずだ。けれども、この一見怖いことのように思える野草採取についてまだ分からないことがあるかもしれない。どのようにして食べることができるものを見分けるのか。そっくりな毒草があるか。採取した後はどのように扱うのか。どれももっともな質問だが、知らないからといって怖がらなくても良い。野生のブラックベリーやブルーベリー摘みと同じように、あなただって何の問題もなく自信を持って採取することができるのだ。

 葉を食べることができる野草は北アメリカ中に何百とあるが、多くは地域性がある。あなたの家が大都市であろうと、人里離れた農家であろうと、どこであっても、ここで特集する5つの野草については、少なくとも1つは、庭先におそらく生えているだろう。多くの読者は、5つの野草全部を玄関先から見渡せる範囲で見つけることができる。これらの野草は個性的だが香りは穏やか。調理も変わったやり方は不要でお馴染みの味付けで済む。美味しくするのに特別な下ごしらえはいらない。気をつけて見極めさえすれば、危ない野草と見間違うこともまずないだろう。

 あなたの家に庭があるなら、「雑草」を装ったこれらの野草をすでにたくさん見ているだろう。食べる前に、正しく見分けることができているか、ここに掲載するイラストや特徴の1つ1つを照らし合わせて注意深く確認しよう。ここに上げるどの野草も、適切な時期に、最適な状態で採取することが必要だ。ちょうど、アスパラガスを、枝分かれする前に、若芽の段階で収穫するように。適切な方法で採取しよう。そうすれば、ここに上げる野草の美味しさにあなたは満足することだろう。このグルメな野草を食卓に並べるために必要な労力は見分ける知識だけ。というのも採取と調理は園芸家自らの喜びだからだ。

 

アマランサス

キッチンで:アマランサス(学名:Amaranthus spp.)は生でも食べることができるが、調理すればぐっと味わいが良くなるし、調理されることが多い。茎は火を通すと柔らかくなる。アマランサスの葉は、カルシウム、鉄、カリウムや亜鉛を多く含んでいる。私の家族は、アマランサスの若芽を細かく刻み、玉ねぎとこしょうをさっといためたものと和えて、味をつけたご飯やクスクスの上に盛ったものが好きだ。アマランサス好きが高じて、毎年、何本か種ができるまでそのままにしている。そして、秋には庭先に種をばら撒く。次の年の6月、確実にたくさん収穫できるようにするためだ。

 見分け方:アマランサスの類似種の多くは(「アカザ」と呼ばれることが多い)、北米中に育生しており、園芸家や農家を方々で怖がらせている。もっとも一般的な類似種は、アオゲイトウ(学名: A. retroflexus)で、ビート色の赤い根がある。アマランサスの類は日当たりが良い場所を好むが、それ以外のどこにでも生える(時に「有害」とさえ評される)万能選手だ。手を加えて水はけを良くしたあらゆる種類の土壌に生えてくる。類似種の葉は、茎から互い違いに生え、ひし形状に細長く、縁はなめらかだ。薄茶色で緑色を帯びた小さな花の房の塊が、枝先にとがってついている。房についた花々は何千もの茶色い種になる。

 採取方法:アマランサスは、穀物として利用される種を採種するため、商業用に栽培される。けれども、食料として採取するときは、柔らかな茎と若い葉を探す。暑い気候での一年草、アマランサスは発芽に晩春から夏まで待たなければならないことが多い。花の房の塊が出ていない柔らかな穂先を探し、切り取るか、茎が柔らかい部分をもぎ取ろう。

 

コハコベ

キッチンで:コハコベ(学名:Stellaria media)は、サラダにぴったりのやわらかな葉物だ。私たちもサラダにして食べている。香りはほんのりと甘く、私はトウモロコシの穂の毛を思い出す。調理することもできるが、とてもやわらかく熱を入れるとほとんど溶けてしまう。栄養の点では、鉄分がとても多い。ほうれん草よりも多い程だ。

 見分け方:コハコベは寒さに強く、早春や晩秋の涼しい気候で最もよく育つ。霜の降りた夜の翌日でも採取できる位だ。日当たりの良い場所から日陰まで、湿気が多い場所で見かけるだろう。耕されて間もない場所で見かけることは少なく、少なくとも1年位は手付かずになっている場所を好む。長い間積み上げられたままの堆肥がある所、フェンスの下、使われていないプランターの中などだ。この這い性の植物は、対生の葉を持ち、その縁は滑らかだ。たいてい茎は地面を這うが、込み合ってくると上に伸びる。小さな花は、茎の先で房になって現れる。左右対照の5枚の花びらがあるが、花びらは根元近くまで割れているため、10枚の花びらがあるように見える。コハコベの特徴は、細かい毛の細い列が茎の片側に見られることだ。毛の列は、対になっている葉を区切りとして交互に生える側を変える。ハコベの他いくつかの種類は、花・葉・茎の形は大体同じで、全て食べることができる。

 採取方法:花が丁度咲きかけた、みずみずしく、大きな、きれいなものを見つけよう。茎は混み合っていて上に伸びているものが好ましい。はさみを使って、先端から10~15センチくらいの茎と葉を刈り取ろう。サラダボールに入れる前に、茎が硬くなっていないか何本かかじってみよう。採取のポイントは、根元に近すぎる部分から刈り取らないことだ。

 

シロザ

キッチンで:ほうれん草と同じ科のシロザ(学名:Chenopodium album)は、ほうれん草と同じように扱うことができる。野草の栄養成分が分析されることはほとんどないが、シロザはよく食べられているため米国農務省のナショナル・ニュートリエント・データベース (National Nutrient Database) に栄養成分分析結果が載っている。今まで分析された野菜の中で最も栄養素の高いものの一つだ。特に、カルシウム、ビタミンA・Cが多い。

 見分け方:シロザは、手が加えられた土の、日の当たる所ならどこでも見つけることができる。ひし形の葉が互い違いに生えており、葉の縁はなめらか、もしくはまばらに浅いギザギザがある。茎は隆起している。頭上に向かって、白いろうのような細かい粒が茎と葉の下の方を覆っている。茎の先端部から直接、複数の薄茶色の花をつける。花は熟すと赤と緑の小さな果実をつける。果実は、小さなかたまりを作りながら房状になる。果実にはそれぞれ黒っぽい種が一つ入っている。種は、見かけも味もシロザと親戚の栽培種であるキヌア(学名:C. quinoa)と似ている。

 採取方法:シロザは一年草で、夏の暑い最中にも採取できるが、春と夏の初めのものが最適だ。時折、秋に種が発芽することがある。若芽はやわらかくたくさん採取しやすい。しかし、既に大きくなったシロザも先の方は軟らかく、葉も個別に摘むことができる。

 

ナズナ

キッチンで:私はナズナ(学名:Capsella bursa-pastoris)を、地球上で最も美味しい野菜の一つだと評価している。葉は、手に入る最もまろやかなからし菜で、ほんのりと鼻がスッとする心地よさがある。オメガ3脂肪酸と、鉄、ビタミンAがいっぱい詰まっている。私の家族は、ハコベのような冷涼な時期に取れる葉物と一緒にサラダにすることがお気に入りだ。また、タンポポの葉や、ギシギシ、チャイブと一緒にさっと炒めたものも好んで食べる。ナズナは、中国では葉と茎を採取するため栽培されている。ナズナの葉と茎は、中国では珍味とされているのだ。茎は硬い皮のないブロッコリーの茎のような味だ。スープや、バターと塩で食べる蒸し物にしても極上だ。

 見分け方:ナズナはたいてい嫌われ者だ。どの庭や畑にもはびこって、空き地や側道の割れ目から芽を出す。葉はタンポポにとてもよく似ているが、切れ込みはもっと深く、乳汁はない。1本もしくは複数の茎が底部の葉の密集している部分から伸びる。成長すると、茎は約60センチまで伸び、葉はほとんどつかない。小さな白い4枚の花びらの花の塊が細長くそれぞれの枝先についている。花の下には、小さなハート形のさやが複数ついている。

 採取方法:もしあなたが7月の硬くて汚い、底部の葉が地面にへばりついたナズナを摘んだとしたら、がっかりするだろう。でも、早春のひんやりした湿気のある土に生えた、上に向かって伸びるみずみずしい葉を見つけたらなら、どうしてナズナの種がホームセンターの棚に置いていないのか不思議に思ってしまうだろう。種のさやができる前に、まだ茎が短く、華奢で軟らかいうちに摘み取ろう。

 

ノゲシ

キッチンで:ノゲシ(学名:Sonchus oleraceus)のやわらかい葉は、レタスに似た苦味が少々ある。けれども、気分を弾ませるような独特の芳しい風味がある。葉は生でサラダにして食べることができるが、私たちのお気に入りはベーコンと一緒に炒めて、酢を少し振り、ポレンタ【トウモロコシの粉を水で煮て練り上げるイタリア料理】やコーンブレッド、じゃがいもの上に盛る料理だ。ノゲシはマンガンを摂取するのに打ってつけだ。

 見分け方:北アメリカ中で見かけるこの一年草は、裏庭や道端、空き地や園庭に良く生え、手を加えた土を好む。ノゲシの葉は、タンポポの葉によく似ており、乳汁もある。タンポポと違い、葉のような花をつける茎が高く伸びる。葉の中央の葉脈は裏に三角の隆起がある。頭頂に黄色の花が房成りし、花はタンポポのそれを小さくしたものに似ている。ノゲシとよく間違えられるのは、アキノノゲシ(学名:Lactuca serriola)だ。アキノノゲシも食べることができるが、もっと苦味がある。アキノノゲシは、葉の隆起した中央の葉脈の上にとげが列になって生えており、簡単に見分けることができる。ノゲシ (sowthistle) は、その名前とは裏腹に、アザミ (thistle) ではなく、とげもない。

 採取方法:春から夏の初めの若い葉を摘もう。もしくは、花が咲き始める前までに、茎を丸ごと刈り取ろう。葉の先についている少し硬い歯は、食べるために全く問題はない。ノゲシには広く見られる2つの他の種類があり、両方とも食べることができる。タイワンハチジョウナ(学名:S. arvensis)は、多年草で、牧草地や草の多い場所に生えている。見かけはノゲシに似ており、同様に歯のついた葉に問題がない。花はノゲシよりも大きく、数は少ない。オニノゲシ(学名:S. asper)は、硬いとげがあり、素手ではけがをするので若い葉だけを採取しよう。タイワンハチジョウナとオニノゲシはノゲシの親戚、両方ともノゲシと同じように料理しよう。

 

サム・セイヤーは、子供の頃から自然食料採集を続けている。2000年からは、北アメリカ一帯に育つ食べることができる野生植物について教えるワークショップを行っている。サムが書いた詳細な本は、「The Forager’s Harvest(自然採集での収穫)」と「Nature’s Garden(自然の庭)」で、どちらも MOTHER EARTH NEWS ストアで購入可能だ。

 

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5 Edible Wild Greens: Free Foraged Food for Your Table

By Samuel Thayer

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コメント: 2
  • #1

    disaro mizuki (日曜日, 29 5月 2016 01:52)

    素晴らしい!
    今まで知らなかったです、こんなにもすばらしく栄養価の高い、自然の恵みを、厄介者扱いしてたなんて!
    ワクワクしてきました。
    リサージェンスを購読申し込みしたので、もっと広がるサステイなブルな生活が楽しみです。
    ありがとう!

  • #2

    沓名 輝政 (月曜日, 30 5月 2016 17:24)

    disaro mizuki さん
    ありがとうございます。
    誰もが自然に助けられる経験をすると、何より感動的だと言います。
    私自身も自然の恵みをじっくりと味わう暮らしを心がけたいです。
    ありがとうございます。