食料保存:20種類の作物の保存と貯蔵の仕方(その3)

KEITH WARD
KEITH WARD

Food Storage: 20 Crops That Keep and How to Store Them
August/September 2012
http://www.motherearthnews.com/organic-gardening/food-storage-zm0z12aszcom.aspx
By Barbara Pleasant

 

 

シャキシャキした根菜類の保存

理論上は、地中でよく育つ根菜類は秋に土寄せし、冬に必要なだけ掘り出せばいいとされる。この理屈はパースニップ(シロニンジン)では通用することが多いが、ほとんどの園芸家は、コメツキムシの幼虫や野ネズミ、他の生き物などに、冬越しのニンジンやビートを食べられてしまう危険性がある。土の表面が凍ったり解けたりを繰り返すと、浅根のカブやビートはダメージを受ける。いずれにしろ、根菜類の作物は収穫してきれいに洗い、冷えた倉庫にしまっておく方がより安全(しかもより便利)なのだ。冬場、常温で華氏40度【訳注:摂氏約4度】以下の冷えた場所がなく、ゾーン7(注1)以上温暖な場所では、予備の冷蔵庫が必要だろう。

1:北米およびメキシコは、USDA(米国農務省)が作成したPlant Hardiness Zone map(植物耐寒限界地図2012版)により、冬季の最低気温の平均がゾーン111に分類されている。ゾーン7とは冬季の最低気温の平均が華氏010度(摂氏-17-12度)の地帯をさす。
参照URLhttp://planthardiness.ars.usda.gov/PHZMWeb/

ゴミ箱やバケツ、底の浅い楕円形のかごなどに、根菜を入れて湿らせた砂かおがくずで包み込み、地下室の階段下や暖房のついていない車庫、物置小屋のような敷地内のひんやりした場所にしまっておく。気温が華氏3240度【訳注:摂氏04.5度】の場所が見つかれば、この方法は驚くほどうまくいく。2~3週間ごとに容器の中身を出して入れ直し、やわらかくなる兆しが出てきた根菜はみな食べるようにする。

土に埋めたゴミ箱の中にジャガイモを保存するという前述の方法は、根菜類にも適しているが、湿った状態にしておく必要がある根菜類用にもう一つ容器(または埋めたクーラーボックス)がいるだろう。高湿を保つため、湿らせた砂かおがくずの中に根菜類を入れる。

冷蔵庫を使わずに、シャキシャキした食感の根菜類を保存する際の最大の課題は、カビと軟腐病を生じさせないよう高湿を維持することだ。そこで、湿らせたおがくずや砂など、容器に詰める材料が役立つ。おがくずはきれいで軽いものにし、残りは庭にまくといい。砂の方が重いが、再利用できる。砂は天日干しだけして、秋に必要になるまでバケツかゴミ箱に戻しておく。

貯蔵用のニンジンやビートが大量にある、地下貯蔵では暖かすぎる気候の場所に住んでいる、のちのち販売や取引で使うため根菜を保管しておきたい、などとという場合には、季節ごとの予備冷蔵庫を考えるのが有用だ。

冷蔵庫保存のため、レジ袋にニンジン、ビート、他の根菜類を入れて準備するときは、袋詰めする際に水を少しスプレーしておこう。理想的には、冷蔵庫の中で野菜がよく冷やされたあと、袋の内側が結露するぐらいがいい。