キャベツ栽培のすべて

ILLUSTRATION: KEITH WARD
ILLUSTRATION: KEITH WARD

 

All About Growing Cabbage

August/September 2012

http://www.motherearthnews.com/organic-gardening/growing-cabbage-zm0z12aszkon.aspx

By Barbara Pleasant

 

栄養価の高い食品として食卓に登場する、Green CabbageAsian CabbagePointed Cabbage, Red Cabbageは、あなたの畑も美しく彩る。

 

キャベツは、寒い季節に生産できるもの中でも、頼もしい存在で、栄養豊富で、生でも加熱しても美味しい作物だ。寒冷地域でキャベツを栽培するガーデナーは、最高級のキャベツを大量に作る。寒い季節の間に暑い夏をはさむ地域では、春や秋にも、早く成熟する品種が登場する。キャベツはどの種類でも、初霜がおりた後の、晩秋が最も良い。

 

キャベツの種類

 

Green Cabbage 品種により収穫の時期もサイズも様々。わずかなスペースでも栽培できる小ぶりな品種もある。Red Cabbage【訳注:紫キャベツ】 ビタミンAやビタミンCが他のキャベツより豊富に含まれ、皿にのせると、その鮮やかな色は、いつだって素敵だ。Savoy cabbage【訳注:ちりめん・キャベツ】 パリっとした中心部と、しわのある深緑の外葉。Pointed cabbage 丸ではなく円錐形のキャベツ。垂直に生育する習性と、ぎっちり詰まった外葉のおかげで、害虫や日差しから守られる。Napa cabbage (or Chinese cabbage) 【訳注:白菜】 短期間で生育し、パリっとしてマイルドな味わいの外葉を収穫できる。詳細はGrowing Asian Greensへ。キャベツの種類やお勧め品種について、更に知りたい場合はCabbage at a Glanceの章を見てみよう。

 

キャベツを植える時期

 

春には、最後に霜がおりる810週前に、屋内かで温室で種まきをして、6週程たったら、苗を寒さに慣れさせ始める。種は華氏6575度で発芽。夏には、初霜がおりる1214週前に種まきをはじめ、46週程たったら、畑に苗を移植する。早い品種も、遅い品種も植えて、収穫時期を延ばそう。

 

キャベツの栽培方法

 

キャベツの苗の栽培には、一定の養分と十分な日差しが必要。6.06.5pHの肥沃な土地で、日当たりと、水はけのよい場所を選ぶ。植える土地を耕し、2インチの厚さの堆肥を漉き込む。バランスのよい配合の有機肥料、もしくは十分に堆肥化された肥料も一緒に漉き込む。苗を植える前に、苗床に十分に水やりをしよう。4ポンドの品種は18-20インチおきに植えつけ、大きくなる品種は、さらに間隔を広げる必要がある。2ポンド以下のキャベツになる品種は、12インチ間隔で植えつける。

 

収穫と貯蔵

 

葉球が固くなってきたら、キャベツの収穫をはじめる。茎から葉球を切るために、よく切れるナイフを使う。外葉を取り除き、収穫した葉球をすばやく冷蔵する。高い位置で切ると、多くの品種は、切り口からまた小さな葉球を生やす。秋に収穫したキャベツは、2週間以上、冷蔵庫で保管した後は、寒い貯蔵庫で何か月も保管できる。キャベツは清潔に保つように注意しよう、葉球の中に虫が隠れていることもあるから。キャベツの生産高は、一般的にはfoot of row訳注:約30cm2あたり、1ポンドほど。春の作物としては、1人あたりキャベツ3つあれば、食べるにはおそらく十分。キャベツを貯蔵したり、ザワークラフトを作るつもりなら、1人あたりさらに4つ、秋に育てよう。

 

採種

 

キャベツは、寒さを経験した後、2年目に種をつくる越年生の作物。市販のキャベツの種の多くは、ワシントンで育ったものだ。ワシントンの冬は暖かく、晩夏に植えた苗も越冬できるから。キャベツは、花が咲き、次の夏に向けて、種をつける前に、小さく、ゆるめの葉球を形成する。寒い気候では、生産者はキャベツの苗を掘り起し、冬の間は冷たい貯蔵庫に移し、キャベツの根は湿ったおがくずが入ったバケツに埋めておく。春のはじめに、貯蔵された葉球の、余分な葉を落として再度植えられる。他の種との交雑を避けるためには分離が必要。採種する年には、種類をひとつに絞って育てるに限る。種は、保管条件が良ければ5年はもつ。

 

害虫や病気の予防法

 

柔らかいキャベツの苗は、夜の間に、土壌中に生息するcutworms【訳注:ヨトウムシ】に、やられることがある。若い苗を守るために、茎を固い覆いで包み込む。包むには、プラスチック製コップや、薄いカン、アルミニウムホイルなどを使い、土の中に1インチほど埋める。

葉を食べるcaterpillars【訳注:イモムシ】はarmyworms【訳注:ヨトウガ】、cabbage loopers【訳注:シャクトリムシ】、ビロードのような緑のcabbageworms【訳注:アオムシ】を含む)、よくキャベツの葉にダメージを与える。夏には、際立って目立つharlequin bug【訳注:カメムシ】やgrasshopper【訳注:バッタなど】は若い苗に大打撃を与えることがある。最も良い方法は、苗を移植したその日に、覆いをかけることだ。更に詳細は、The No-Spray Way to Protect Plants

深刻な被害がない限り、近くで観察し、手で虫を取り除けば、苗たちを守ることができる(小さな緑のアオムシは見つけにくいので、目を凝らしてよく見ること) 2週に一度、生物農薬-土壌細菌やspinosadなど- をスプレー散布すれば、アオムシや、イモムシタイプのキャベツの害虫はコントールできる。よく土壌近くのキャベツ下部に隠れているナメクジやカタツムリも手で摘まもう。

突然キャベツの元気がなくなってきたら、それは蛆虫(米粒サイズのハエの幼虫でキャベツの根を食べる)にやられた可能性がある。苗の植えつけの際に、しっかり土を押しつけることで蛆虫は防げる。この虫を避けるために、キャベツを植える場所はローテーションしよう。育てる場所には、絶えず存在する蛆から逃れるため、防虫トンネルをかけよう。

キャベツ栽培のヒント

春キャベツが数週間早く育つようにするには、トンネルをかけるか、季節を先取りする装置を使おう。夏、秋の苗を、まだ暑い土に移植した後には、日よけを使おう。

様々な品種を試してみよう、これまでよりずっと大きな収穫をもたらすものもあるかもしれない。小さな葉球を形成する早生のキャベツは(Cabbage at a Glanceを参照)、限られたスペースのガーデンには最高だ。

チッソを与えよう。液体の有機肥料に浸すと、小さな葉球が生成を始めるように。

激しい雨は、ほぼ出来上がったキャベツをバラバラにしてしまうことがある。雨が降る前に、鍬で、苗と根を反対方向に離すことで避けられる。

 

キッチンで

 

生キャベツを細かくきざんだ各種コールスローは、シーフードやバーベキューのつけあわせとして一般的。キャベツの調理レシピは、歯ごたえの良い炒め物から蒸し煮まで、数千におよぶ。キャベツの強い香りは、調理を始める前に、ちぎって1分ほど湯通りすればおさえられる。フェンネルをほんの少し加えると、キャベツの匂いを減らせる。大きな外葉は湯通しして凍らせておけば、ロールキャベツを作るときに使える。ちぎったキャベツは、湯通しして凍らせ発酵すればザワークラフトにもなる(作り方の詳細は、Got Cabbage? Make Sauerkraut!)

キャベツには、ビタミンAとビタミンCが豊富に含まれる。紫キャベツとグリーンキャベツの、白い中心部には一般的にビタミンCが含まれ、色濃い外葉はビタミンAが豊富に含まれる。自家製の発酵させたザワークラフト(もしくは加熱処理のされていない冷蔵保存されたもの)には、健康を増進させる栄養と乳酸菌が含まれる。