採種|7つの理由とたくさんのやり方のヒント

Photo By Dwight Kuhn
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ガーデナー(菜園家)は、お金の節約、種子の安全確保、質の安定を含む多くの理由から採種する。

 

採種すると、石器時代までさかのぼるガーデナーや農民たちとのつながりに、加わることになるだろう。かつて、米国内産の収穫物は全て、原始人が自分の食べ物、もしくは(後の)家畜の餌に選んだ、野生の植物だった。今日では、ガーデナーは多くの理由で採種する。

 

1.お金の節約。種の品種【訳者注:交配種を含まない固定種】を買うたびに、未来に投資することになる。たとえば、ちょっと高価な「ミドリ ジャイアント」という大豆の種を買ったとき、その高い値札に気分が良くなる。というのも、採種する限り、種の品種を保てることを知っているから。(大豆では、収穫の終わりに枝につけたまま乾燥させ、来年の種に取って置くだけだ。)

2.種の安全確保。大手の会社が種産業を統合して、より利益の高い交配種に集中した。そのため、何百もの優れた品種は、存続できなくなった。けれども、もし自分で種を採れば、供給をコントロールできる。私は、「Miragreen」と「Blizzard」というエンドウ、「Lutz Green Leaf」というビート、そして「Scarlet Keeper」という人参の種を取っている。なぜなら、ここメイン州で良く育つこれら品種全てが、種のカタログでは見つけにくくなっているからだ。

3.地域適合。ここが、野菜の種を保存して楽しくなるところだ。市販されている種のほとんどは、合成肥料を施せば国の全域で上手く育つことから選ばれたもの(いくつかの会社では今、有機栽培の条件で特に上手く育つ種を選んで提供している。―しかしこれは規格では無い)。自分の土地で独自の栽培条件で育った良く成る植物の種を自分で保存するのは、あなたの土壌や気候、生育の方法に、より良く適した品種を徐々に開発しているということだ。

4.一貫した品質。種の大きな供給元は、自然受粉(OP)の種を生産する時、価格で競争できるように、田畑から劣ったタイプの植物を取り除くような「乱暴」をめったにしない。これは、大きな供給元が小売種会社に売るOPの種には、多くの劣性タイプが含まれているかもしれないことを意味する。それは、ガーデナーや、直売農家にとって、畝の1フィートあたりの生産高が低下することと同じだ。このロスを避ける為には、自分で採種するか、小さな有機栽培生産者による高級な種にもっとお金を払うかのどちらかだ。有機栽培生産者の種は、基準に合わないものならどんな植物でも、均一性と変異の排除の為に、きちんと選別するのでより多くのコストがかかっている。(Seed Company Directoryを見よう。100以上の種会社が紹介されている。彼らの内何社かは、独自品種を試して、慎重な選別手法を守っている。)

5.学ぶ喜び。よりハイレベルな菜園造りを覚えたい一部の人たちは、種保存の科学に引きつけられる。多くの種を保存すればするほど、必然的に、植物学と植物界についてより多く学ぶことになる。

6.在来種の探究。一部の人は在来種を栽培することを好む。そうすることが、彼らと園芸遺産をつなげるからだ。その他の人は、非ハイブリット種を選んでいる。なぜなら、ますます私たちの食物供給を支配する産業的な農業システムを支持したくないからだ。更に、一部の古いOP品種は高収率と長期貯蔵のために改良された現代の多くのハイブリッド種よりも栄養価の高い作物をつける。

7.収穫物の特性への影響。遺伝子プール【訳者注:繁殖可能な個体が持つ遺伝子の総和のこと】は、信じられないほど柔軟だ。発芽、熟す時期、収穫高、特定の果実の形、味、貯蔵性質、種の量の少なさ、より良い耐病性、花の色、その他の独特な特徴を注意深く観察することによって品種の範囲内であなたのニーズをもっとも満たす植物から種を保存することができる。あなたが育てている植物は、時間が経つにつれ望むような特性を持つことになるだろう。例えば、私が手に入れた『Elka』は、クルミが市販されるようになる以前に伝統的に使われていたスロバキアのケシの実だ。スロバキア人は、ケシ坊主の穴(ナッツ風味の貴重な種が飛び出すキャップの下の小さな穴)が小さなものからしか採種しなかった。 結局、全て穴の無いケシ坊主になるまで、種を放棄しなかった。

私が初めて栽培した『Elka』は、ケシ坊主の3分の2だけ、穴が閉じていた。私は、穴の無いケシ坊主だけを選んで採種し始めた。3年以内には、全てのケシ坊主に穴は無くなり、もはや種を失うことも無くなった。。。

 

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