ナス栽培のすべて

Illustration By Keith Ward
Illustration By Keith Ward

夏が長く暖かい地域であれば、ナス栽培は容易。夏が短い地域でも、生育が速く、小~中サイズの実を付ける品種をコンテナに植えれば良い。ピーマン類が育つならナスも育つはず。実は紫がかった黒だったり、白だったりその中間だったり、中にはオレンジ色や緑色のものまである。

試してみたい品種
ナスの品種は、大きさ、形、色、成長の仕方、そして成熟期間に至るまで様々。楕円形品種は、ほとんどのスーパーで見かけるあの、紫がかった黒色の大きな実を付ける。ほとんどの品種が暖かい地域に適する。日本のナスは楕円形ナスより成長が速く、細く長い実をたくさん付ける。小さい実を付けるナスは狭い場所に最適。中には素敵な房に緑、白、ラベンダー、または紫いろの実を付けるものまで有る。珍しい品種としては、オレンジ色のトルコナス、緑のタイナス、卵のような白ナスなど。それぞれのナスの詳細は Eggplant at a Glance chart参照のこと。

植付時期
種まきは春の最終霜の約6週間前に屋内で。または、トマトやピーマンの2週間後。種子の発芽最適温度は、24℃以上。熱マットが成長促進に有効。これらのナス科は一日に1416時間明るい蛍光灯の元で育てること。 葉が3枚になったら10cmの鉢に植え替える。晴れた暖かい日は外に出し、12度以下になる時は屋内に戻す。約8週間後、寒さに慣らした苗を外に植える。植える時、家族一人に1本目安で。1本の苗から2ヶ月かちょっとで約2㎏のナスが収穫できる。屋内での種まきについての詳細は、Seed Starting Made Simple参照。あなたの地域の植付時期については、What to Plant Now参照。

植付方法
日当たりの良い、肥沃な水はけの良い場所(PH5.56.5)を選ぶ。害虫問題を避けるなら、少なくとも2年間はナス科(ナス、トマト、ジャガイモ、ピーマン等)が植えられていなかった場所を選ぶ。植付2週間前、土をほぐし、5cmの厚さでまいた豊かな堆肥と共に、バランスのとれた有機肥料、または発酵鶏糞を混ぜ込み、しっかり水をかける。寒い地域では前もって準備の済んだ土の上を黒いプラスチックフィルムで覆い土壌温度を上げる。苗の間は支柱等の為に60cm位空けておく。ほとんどの地域で新しく植付けた苗をノミハムシやその他の害虫から守る為、防虫ネットで覆うことになるだろう。いったん35cm位にまで伸びれば害虫から十分打ち勝てるので、カバーを外し、授粉者たちを受け入れさせる。

コンテナ栽培
厄介なノミハムシを寄せ付けないもう一つの方法がコンテナ栽培。こじんまりした品種が鉢植えに最適。屋外でテーブルの上などに置いて地上性のノミハムシの分布範囲から遠ざける。40cm幅の鉢かプランターが実をよくつけるのに適している。寒い地域では、濃い色の鉢が熱を貯め込むのに有効。コンテナ栽培では安定した成長と、良い葉の色を保つ為その都度何度でも肥料を与える。水やりの多い苗は、その分肥料の回数も増やす。

収穫と貯蔵
ナスが完全なサイズに達し、親指で強く押し跡を付け、それがすぐ戻るようなら収穫の開始。未成熟なナスは固すぎて指の跡が付かず、熟し過ぎたものは指の跡がそのまま残る。ナスの皮は柔らかく光沢がある。剪定バサミを使ってヘタ(がく)が付いたまま収穫する。貯蔵は簡単。ただ涼しい室温か、冷蔵庫で。その場合、保存、調理前3日以上入れない。

種の保存
ナスは自花受精なので、異種から少なくとも15m離れて植えてあれば自然受粉種から種を採取するのは簡単。 植えられているほぼ中心から元気な苗を選び、最初の2つの実だけ収穫する。次2つは、固く、黄色味がかった茶色になるまでそのまま枝に付けておく。その間、新しい花はほとんど摘み取り、種の成熟に全エネルギーを注がせる。種はナスの底の部分を切り、取り出す。
または、実を裂いてスポンジのかけらの様にし、バケツの水に浸ける。大きな種が出てくるまでスポンジの様にギュッと絞る。種は室温で約2週間乾燥させる。保管状態さえ良ければ、5年は発芽可能。

害虫・病害予防法
ノミハムシは、しばしばナスの葉に小さな穴をいくつもあけ、若い苗をかなり弱らせてしまう。コンテナ栽培する事で地上性甲虫を寄付けなくすることができる。または、花が咲くまでの間、防虫ネットを使って苗を守ることも可能。ポテトビートルの幼虫はナスの葉が好物。黄色と黒の成虫と、柔らかく赤と灰色の幼虫を捕え、石鹸水に浸して退治する。半身萎ちょう病がナスにとって一番の病害。水はけを良くし、土壌温度を上げることで、しばしば葉脈の間を黄色くし苗を枯死させてしまうこの土壌伝染菌を弱めることができる。遺伝的抵抗はない。枯れてしまった苗は取り除き、そのあいた穴は堆肥で塞ぐ。葉がきちんと強い太陽の光を遮ってくれないと、時より、やけ病を起こす。 やけ病の茶色の斑点があっても食べられるが、実の成熟は不均等かもしれない。

ナスを育てるヒント
若い株は地表温度が15℃以上になるまで成長しないので、植付時期は暖かくなってから。 
水やりはたっぷりと。実を付け始めたら、1週間に一度地表2.55cm浸透するほどの水やり。半身萎ちょう病を抑える為、水やりの間、少し土を乾かせる。追肥をすることで秋まで収穫を伸ばすことができる。ナスは枯れてしまった葉を取る以外に特に、剪定は不要。成長するにつれ、たくさんの脇枝が出てくることだろう。後に、ここに花が咲き実を付ける。夏期の長い地域では途中、半分まで切り込むことで、実を付けるその脇枝の成長を促すことが可能。

キッチンで
ナスは食物繊維、カリウム、そして葉酸を含む。ラタトゥイユやカポナータが作れれば人気料理人の仲間入り。スライスして炙っても、パン粉を付けても良し。油で揚げれば、美味しい野菜サンドやキャセロール料理に。ババ・ガヌージュを作るなら、フォークで刺しておいた丸ごとのナスを表面がくぼむまで炙るか、焼くかし、冷めたらニンニク、タヒニ、レモン汁、そしてオリーブオイルと共にピューレする。ナスは切るとすぐさま茶色に変色するので、素早く作業する。 多くのレシピでアクを取る為、調理前に切って塩水に浸けるとあるが、家庭菜園で獲れた若い実を使うなら、この処理はほとんど必要ないだろう。一番の保存方法は、薄く切り前もって湯がくか、炒めるか、または炙った後、冷凍保存する。

 

All About Growing Eggplant

By Barbara Pleasant