北米で危機に瀕している鳥類

Photo By Fotolia/DenisDore
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キビタイシメ[写真は人的要因で激減している北米の鳥類の一種だ。今までも環境の変化により絶滅の危機にさらされている鳥のニュースは聞いたことがあるだろう。

 

でもこれは、遠い熱帯雨林の鳥の話でも、南極に住むペンギンの話でもない。もっと身近な北米の鳥たちの数が激減しているのだ。

Audubon Society の最新の「Common Birds in Decline【身近な鳥の減少】」レポートによると、40年間で20種の鳥が半数に減ったことになる。リストにあがったのは、アメリカサンカノゴイ、ノドグロヒメドリ、寒帯アメリカコガラ、オオクロムクドリモドキ、アジサシ、東部のマキバドリ、キビタイシメ、ヒメドリ、 イナゴヒメドリ、大鈴鴨、ハマヒバリ、ラーク・スパロウ、スミレサギ、アメリカオオモズ、コリンウズラ、オナガガモ、エリマキライチョウ、チャイロハチドリ、ユキホオジロ、ホイップアーウィルヨタカ。

急激な減少の原因は様々だが、すべては人間が引き起こしたものである。背後に潜む罪人は人類だ。

東部のコマドリの根城は宅地化と工業化、農業化のために広大な範囲が失われた。ツンドラに棲息する大鈴鴨は汚染と気候変化が繁殖地の生態系に影響して、苦難を強いられている。寒帯アメリカコガラは過剰な伐採、採掘、採鉱による森林破壊で被害をこうむっているのだ。(Audubonのレポートによる)

鳥たちは今、絶滅の危機に瀕しているわけではない。しかし、まだ猶予がある間に我々が手を打つ必要があることを教えてくれているのだ。

 「これは絶滅ではありません。絶滅の前段階なのです。」 ニューヨーク・タイムズのVerlyn KlinkenborgAudubonのレポート発表後に書いた。

「市民科学者」の(鳥観察ボランティア)の助けもあり、Audubon鳥の数を何年にもわたって正確に追跡、把握している。鳥たちの減少を食い止められるのも彼ら市民だろう。Audubonは、まず鳥の生息地域の市民が行動を起こし、地球規模の気候問題の取り組みにまで発展させることを提案している。レイチェル・カーソンの「沈黙の春」が荒涼たる現実となるのを防ぐ為に。

詳細はAudubon SocietyCommon Birds in Declineを参照。

 

North American Birds in Danger

By Keith Goetzman