新鮮食材の風味と栄養を高め る10の手法

果物や野菜を食べるべきだとみんな分かっている。しかし、新鮮な食物をどのように扱って、料理して、保存するか(また、どの品種を選ぶか)は分かっていない。全て、風味や栄養価値に大きく影響するのだ。カンタンなキッチンでやることやガーデニングのコツを学んで、食物の恩恵をもっとたくさん得られるようにしよう。

私はこの10年間、知名度は低いが重要と思われる、果物と野菜に関する栄養情報の科学的研究を丹念に調べ上げることに注力してきた。そして、まだ消費者に知れ渡っていない数多くの有益な研究を発見した。

発見のいくつかは驚くべきもので、しかも信じられないほど活用しやすい。誰がこんなことを考えるだろう?食べる1日ほど前にレタスを一口大にちぎっておくだけで、レタスの抗酸化物質の量を倍増できるなどと。あるいは、スイカは冷蔵庫で保存せずキッチンカウンターの上に置いておくと、より多くの生体栄養リコピンを得られるなどと。

みなさんには、いくつかの新しいワザを身につけ、すこし習慣を変えてもらう必要があるかもしれないが、風味を高め、より健康的になるという形でその努力は報われるだろう。おまけに、余分な時間もお金も不要。ここに挙げる10の手法は、新鮮食材がもたらす健康効果のすべてを最大限に活用するための方法だ。簡単な資料として印刷かダウンロードできるよう、えり抜きのお得な栄養情報を作ってみたので、冷蔵庫に張ろう!

 

1.呼吸速度の大きい荒呼吸のモノを初めに食べよ

ほとんどの人は、新鮮な果物や野菜は収穫すると「死ぬ」と思っているが、それは違う。冷蔵庫の奥に入れられてからも、呼吸または息をし続けている。(つまり生きているのだ!)果物や野菜が呼吸すると、酸素を吸って二酸化炭素を吐く。この活動の燃料とするために、蓄えておいた天然糖と抗酸化物質をじわじわと使い尽くし、やがてそれらを食べる時までに自然の甘みはいくぶん失われ、抗酸化物質が減少し、酸味が増すことになる。

果物や野菜の中には他に比べて速く呼吸するものがあり、私は“荒呼吸のモノたち”と呼んでいる。これらは収穫直後か、市場から家に持ち帰ったらすぐ食べるようにすべき食材だ。この部類に入る食材は、アーティチョーク、ルッコラ、アスパラガス、ブロッコリー、芽キャベツ、サクランボ、トウモロコシ、ケール、レタス、キノコ類、オクラ、パセリ、ラズベリー、エシャロット、サヤエンドウ、ホウレンソウ、イチゴなどだ。

 

2. 新鮮さと採れたて完熟

イチゴ類のようなやわらかい野菜や果物は、自宅で育てたり地元の農家から買ったりすると、抜群の風味や栄養をもたらしてくれるだろう。これらの食材は、機械収穫や輸送、保管の過程で簡単に傷がついてしまうので、商用の食材業者は代わりの方法を見つけた。それらが熟す前に収穫するのだ。トマト、イチゴ、ネクタリンやモモは、まだ青いうちに摘み取られるので、傷のない状態で店に届けられる。問題は、これらの果物は農場で熟した時のような本格的な風味にまでは決してならないことだ。読者のみなさんが気づけない、味わえないことだが、栄養もまた、より少ない。

イチゴ類はデリケートで数日のうちに傷んでしまうので、自家菜園にはうってつけだ。自宅でこれを育てるか、地元の農家まで「イチゴ狩り」に出向き、味わい深いごちそうを楽しむといい。

 

3.虹色を味わう:青・赤・紫の野菜たち

青いジャガイモ(紫芋)、紫色のカリフラワー、赤いニンジンなどの、いわゆる「風変わりな」野菜が、スーパーマーケットや地元の農家の市場、種のカタログによく登場するようになった。実はこれらは、この野菜本来の色であると分かった。何世紀もの間、私たちは白や緑、オレンジを好み、その豊かな色彩の野菜や果物を繁殖してきた。知らず知らずに青・紫・赤の食材を追いやったので、アントシアニンと疎遠になっていた。アントシアニンは、がんや心疾患、肥満、糖尿病、物忘れの危険性を減らす強力な抗酸化物質だ。濃い色の果物や野菜を市場で買ったり自家菜園で育てたりして、この恩恵を取り戻そう。食卓が色とりどりになるはずだ!

 

4.野菜の収穫方法:しかっかり冷やす

栽培業者は、作物は収穫後ただちに冷やすと、新鮮さがより長持ちすることを知っている。果物や野菜の中には、畑を出る前に氷をかぶせてあるものもある。私たちはこの例に従うといいだろう。収穫した新鮮なレタスやケールの入ったバスケットを裏口に置いたままにしておかず、家の中に入れて野菜を氷水に浸して、水気を取り、冷蔵庫の野菜室に保管しておこう。

市場から家に持ち帰った食材でも同じことが言える。肉や乳製品はできるだけ早く冷蔵庫にしまうべし、とは食材を扱う上で周知の事実だが、車内の熱で新鮮食材をダメにする可能性のある細菌を増殖させたり、食材の風味や栄養価が失われることもある。他の用事をすべて済ませたあとに食材の買い物をする習慣をつけよう。自宅までの道のりが長ければ、アイスボックスを持っていこう。

 

5. 鉱石が砕けるシャキシャキ感を出す

アスパラガス、ブロッコリー、芽キャベツ、キャベツは軽く火を通すのがいい。5分以上熱を加えると、野菜本来の甘みが失われ、異臭や硫黄臭さが出始める。ほとんどの人は加熱調理しすぎるが、それが大勢の人たちがこれらの野菜を好まない原因の一つになのだ。加熱調理の時間を短くするには、野菜を小さく切っておくことだ。たとえば、ブロッコリーを上手に蒸すには次の手順に従うといい。ブロッコリーを卵サイズの塊になるよう切り分け、茎側を下にして、

蒸し器の熱湯の上のかごに並べる。ふたをして、タイマーを4分にセットする。タイマーが鳴ったらすぐにふたを取り、ブロッコリーを熱い蒸し器から取り出して、食事用の皿に盛り付ける。鮮やかな緑色で、ややシャキシャキした歯ごたえがあり、抗がん作用のある栄養(bionutrient)がたっぷりで、なんとも甘いブロッコリーになるだろう。

 

6. ニンニクを休ませる

 

ニンニクから最大限の健康増進効果を得るには、みじん切りかスライスか押しつぶすかしてから、まな板の上で10分間そのままにしておこう。理由はこうだ。アリシンはニンニクの主な治癒成分で、この球根に含まれる2つの化合物が結合すると、健康に良い栄養分が形成される。ニンニクを噛む、刻む、スライスする、押しつぶすことで、この結びつきが起こる。ニンニクのアリシン反応が完了するのに約10分かかるが、その時間が経過する前にニンニクに火を通すと、反応はぴたりと止まってしまう。ニンニクを10分間、脇に置いておくことで、ニンニクの持つある種の有名な薬効を確実に得られるに違いない。

 

7. 小さいほうが良いかもしれない

  種のカタログを開くと、果実や野菜の「特大」、「巨大」、「食器を埋める大きさ」という文字が躍っている。各地での大きさ自慢は、基本的に地区で最も大きな野菜や果物を育てるとろこから来ているが、最新のレポートではより小さい種類の方が栄養価が高いという。特にトマトでは顕著:小さくて赤い濃い色のトマトは、1オンス(28g)あたり、リコピンをより多く含む。小さいトマトは高糖度でもあり、スライスする大型のトマト(beefsteak tomato)種よりも濃厚な「トマト」味がする。

  とびきりの美味しさと健康維持のために、赤いミニトマトかグレープトマトでソースを作ろう。(黄色のミニトマトはリコピンを含まず、酸味がとても少ないのでぼやけた味のソースになる)

 

8.玉ネギについて

 甘い玉ネギ  ― 赤や黄色のりっぱな玉ネギの1/3だけの抗酸化作用がある ― をサラダやサンドイッチ、その他生で食べる食事に使う。辛い玉ネギ、ピリッと刺激のあるの玉ネギは、他のいろんな料理に使う。ほんの5分間調理することで、甘く優しい味になり、どの栄養素も壊すことがない。

  赤玉ネギは甘くも辛くもなる。辛いものは楕円型や丸型であるのに対して、甘い「ハンバーガー」玉ネギは平たく幅広だ。「Red Baron」は鮮やかなバーガンディー(赤色)の球根を持ち、小型種で特に高い抗酸化力を持つ。黄玉ネギも甘みと辛みがあるが、全く見た目が同じだ。甘い物を見分けるには、「甘い」という語をラベルで探す。「Western Yellow」 と「New York Bold」はピリッとした辛みの黄色い種だ。

 ワケギ(緑の玉ネギ)は完全に結球した玉ネギより健康に良い。緑部分は白部分より栄養価が高いからだ。西洋ニラネギにも同様のことが言える。

 

9. リーフレタスが優勢

  レタスは主に4つのタイプがあり ― リーフレタス、クリスプヘッド型レタス(アイスバーグ型など)、ロメインレタス、ビブレタス ― リーフレタスは最も栄養価が高い。その違いは葉の配置による。太陽は植物の成長に必要不可欠だが、UV光線も発している。植物は、一部の有害な太陽光線から身を守るため、赤、紫、赤茶色の遮光物質を作る。私たちがそれらを食べると、遮光物質はUV光線とUV光線による病気から守ってくれる。この植物の保護機能が、そのまま私たちにも機能するわけだ。リーフレタスは葉が最も開いていて、太陽に向かって並んでいるので、UV光線のダメージをとても受けやすい。生き残りのために、多くの濃縮した遮光物質を作り出している。

  しっかりと巻かれたクリスプヘッド型レタスは反対で、一番外側の葉が日光を浴びるだけだ。保護された内側の葉にはリーフレタスのほんの1% の抗酸化物質しか見られない。ビブレタスとロメインレタスは外側の葉は日光に当たるが、内側の葉は包まれている。栄養価からみると、これらのレタスはリーフレタスとクリスプヘッド型レタスの中間だ。赤い葉の種は最も健康に良く、豊富なアントシアニンを含む。

 

10. 茎の状態をみる

  たまにスーパーでブドウやサクランボが何週間もたった状態で売られているのを見かけるが、まだ少し新鮮には見える。それらの本当の鮮度 ― つまり体に良いか ― を見定めるには、実ではなく、茎をみることだ。新鮮なブドウやサクランボの茎は鮮やかな緑色で弾力がある。店頭で1週間たつと、茎は茶色くなりしなびてくる。スーパーで相当古くなって茎がもろく、ほどんど黒くなったブドウを見たことがある。私がそのまま通り過ぎたことは言うまでもない。 

 

『風味と栄養が増す裏ワザ(pdf英語版)』

 

10 Nutrition Tips to Boost Health and Flavor in Fresh Food
By Jo Robinson 

August/September 2013