ネオニコチノイド系殺虫剤:あなたの苗は蜂を殺す化学物質で処置されている?

複数の大手ホームセンターで、殺虫性のある化学物質で処理された苗を売っている。その中には「ネオニクスneonics:日本での通称はネオニコ】」とも呼ばれる有毒なネオニコチノイド系殺虫剤も。

今春、認定オーガニック苗を買わなければ、あなたの菜園に残留性のあるネオニコチノイド系殺虫剤を持ち込むことになるかもしれない ― つまり、あなたの作る食べ物にも。マザーアースニュースが伝えてきたように、「ネオニクスneonics:日本での通称はネオニコ】」は、浸透性農薬で、植物内で拡散し、花粉や蜜を汚染する。毒素は土壌に長く残留し、次に植える植物にも吸収される。ネオニコは、過去数年間にわたる蜂群崩壊症候群、ミツバチの大量死現象の原因の一つであると考えられている。これらの殺虫剤は、その多用により鳥の餌である虫の減少を招くことから、鳥類の減少との関連性も疑われている。

  ネオニコは農家に広く普及しており、多くのガーデンセンターや種苗業者もネオニコが使用された苗を販売している。ということは、ひょっとしたら、あなたが家族にネオニコを食べさせて、家に持ち帰った苗で蜂が毒されているかもしれない。2013年に環境NGOFoE(Friends of the Earth)が行った調査によると、「Lowe's」と「Home Depot両者とも大手ホームセンターのミネアポリス、サンフランシスコ、ワシントンD.C.にある店舗でネオニコが植物内で見つかった。ヨーロッパでは「殺虫剤アクションネットワーク【Pesticide Action Network殺虫剤などの被害に対して、団体個人を世界市民として結ぶネットワーク】」がイチゴやトマト、ズッキーニなどの苗100以上のサンプルを調査したところ、各作物の複数の苗でネオニコの残留物が確認された。

 一方、ネオニコチノイド系製品を製造している「Bayer」や「Syngenta」などの化学薬品会社は、米国環境保護庁(EPAEnvironmental Protection Agency)に、これらの殺虫剤によって人的被害は及ばないと認定させた。しかしながら、私たちはこの結論に懐疑的である。ネオニコチノイド系化学物質による脳への影響はニコチンと同様の影響力をもっており、子どもへの悪影響も広く知られている。2012年に日本で行われた研究は、ネオニコが人間の健康被害へ甚大な影響を及ぼす可能性があると結論付けた(http://goo.gl/dq3XuLにて研究を参照)。

 

  私たちは、これらの殺虫剤の使用は禁止されるべきだと考える。ヨーロッパでは既に、数種のネオニコの使用を一時的に禁止している。オレゴン州下院議員のアール・ブルーメナウワー(Earl Blumenauer)とミシガン州下院議員のジョン・カニヤーズ・Jr.John Conyers Jr.)に敬意を表したい。蜂が好きな植物へのネオニコの使用を保留する「アメリカの授粉者を護る法律(Saving America's Pollinators Act)」可決させたのだ。これらの化学品の詳細は、http://www.motherearthnews.com/neonics を参照。

 

Neonicotinoid: Nursery Plants Contain Bee-Killing Chemicals

By Cheryl Long, Editor-in-Chief 

February/March 2014

 

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