より安全で、まともな農業を探し求めて。

特に自信作の記事は「菌根菌:驚くべき地中の秘密で良い菜園を」で、菜園を改良できる1つの鍵となる方法を説明。土壌菌が植物と形作る驚くべき結びつきを育むことだ。

 この結びつきについて、新しい科学的見解が過去数十年で出ている。今では、非常に細い菌の糸(菌糸)の見えないネットワークが、植物にとって栄養を取り込むための重要な構造であると分かっていて— 今まで考えていたように、根だけではないのだ。

 科学者の発見したところによると、このネットワークは4億年以上前からだという。これまで、作物や木の成長を助けるこれらの菌類(「菌根」という)6,000種以上が確認されている。

 これらの豊富な菌類のネットワークは根と相互に結びつくもので、植物をより干ばつに強くし、しかも、なんと2,500倍も多くの栄養素に手を伸ばせるようにしている。 さらに、菌の糸は表土の粒子がまとまるのを助け、土を浸食から保護する。

 菌と植物の関係は共生で、両有機体とも共生で恩恵を受けているという意味。菌は植物に栄養を届け、その代わりに、植物は生産する炭水化物の10~20%を菌へ放出する。もし、餌をやる植物がなければ、有益な菌は死ぬ。

 菌と植物の協力関係を促進するためには、どのように農場管理や菜園作りするかについて、いくつか変えることがある。まず、できるだけ土を耕さない。第2に、農薬の使用を避ける。そして第3に、冬でも決して土を露出したままにしない。その代わりに被覆植物を栽培し、植床や畑に生きた植物を一年中育て続けること。

 多くの有機菜園家や農家はすでに、この菌根(myco-rrhizal:菌の根という原義)の協力関係を何かしら知っていて、だから彼らは、耕すことを減らし、農薬を使用せず、菌根を保護するために被覆作物を植えようとしている。しかし、従来の工業的農業は、全生態系に有害である農薬の日常的な使用に、ひどく依存している。農民がこの新しい知識に注目して、私たちをより持続可能なシステムに導く可能性を探ってもらいたい。

 古い習慣を変えることは常に難しい。農民は、土を乱さないように機械を修正する方法を見つけることができるだろうか?多くの人は、すでに少耕起法に大きく切り替えたが、現在のところ大規模経営では、雑草抑制を除草剤に依存している。彼らが、除草剤を排除する方法を追及するだろうか?そして、その代わりに、菌根を保護し、不可欠な窒素を生み出ことになる被覆作物で雑草を抑えるだろうか?一部の農民はすでに収穫しながらコンバインの後ろに種まき機かスピナーを引いて冬の被覆作物をまいている。また、中には、土着した冬の被覆作物の上で家畜を放牧することで、家畜の落とすおまけを得ている人も。

 

 しかし、現状を守ることで化学会社は、より多くの利益を得ることができる。既得権益(ますます除草剤耐性を売ることを約束されている)の遺伝子組替え作物品種は、もちろん、菌根菌と植物の古代からの協力関係の可能性を探る道を開くわけがない。私たちの食べ物を、より安全で、より健全で、より持続可能に育てる道をさらに探求し、先導するのは、我々の記事の農民たち次第だ。


Seeking Safer, Saner Agriculture Through Mycorrhizal Fungi

August/September 2014