スーパーの肉の中には本当は何が入っているの?

「100%ナチュラル」というラベルがあるから良いの?きっとあなたは、12%から15%の添加された塩水代を払っているはず。

 特大サイズのロース、グリルドチキンの胸肉、肉汁溢れるステーキを食べる前に、まずはその肉に騙されていないかチェックしよう。一食分の肉には、ファーストフードのフレンチフライのLサイズと同じ量の塩が含まれているかもしれない。新鮮で特に「安全」と見せかけている加工食品は、今日のスーパーの精肉業界の流行りとなっている。

より大きく、より美味しそうな肉

 米国の消費者団体が発行している情報誌、コンシューマー・リポートは、2008年に「太らせた」鶏肉について警告していて、いくつかの大手生産企業が提唱する「ナチュラル・チキン」には、実は健康を害するほどの塩分量にまで達する塩水が注入されている。さらに、パッケージにつき$1.50は塩水のコストとして含まれている。しかしこの塩水注入方法が用いられるのは、鶏肉のみに限らない。

 赤身の多い肉への需要が、結果的に噛みにくく味気のない肉を登場させていた。鶏肉加工の本によると、牛肉も豚肉も鶏肉同様、食感と風味をゴマかすために調味液などのインジェクション方法を導入し始めた。この「ブロス」と呼ばれる技法では、水、塩と抗生物質が主成分。精肉加工業者は肉にジューシーさと重さを増やすため、筋肉の奥深くに塩水を注入する。この「美味しさ倍増肉」は「ナチュラル」と表示することが可能なのだ。


あなたのポケットから企業の財布へ

 巨大農産業の関連企業側は、脂肪が少なくて柔らかい肉を求めている消費者の需要を満たすために品質強化された肉だと主張するが、結果的には消費者は肉より塩水に対して相当なコストを支払っているのは明らか。National Cattleman’s Beef Associationの概要書に、Texas Tech Universityの畜産科学の助教授、チャンス・ブルックスはこう書いた: 「加工業者にしてみれば、この塩水添加術は生産量が上がり、生産コストをオフセットできる経済的利点もある」。


添加肉の健康リスク

 スーパーで売られている添加液入りの牛肉の一食分は、一日に勧められている塩分摂取量の1,500-2,300mgを満たしてしまう。添加物入り牛肉わずか85gに1,800mgもの塩分が含まれている。さらに添加物を注入された肉には大腸菌がいるリスクが高いと、Food  Safety and Inspection Service (FSIS)は危険信号を灯している。塩水入りの注射器の針が(肉の表面に普段生存している)バクテリアを肉の中へと押し込み、調理時に殺せなくなる場合がある。それを避けるために、FSISは加工側に対して「肉を加工する前に承認された抗生物質を肉の表面に塗る」ことを勧めている(強制はしていない)。これらの認定された抗生物資のいくつかの原材料(並びに放射線処理などのプロセス)は、ほとんどの消費者にとっては「ナチュラル」からかけ離れている。

 しかし良い知らせもある: 加工業者には塩水添加の有無の表示義務がある。「ナチュラル」、「新鮮」、そして「100%ビーフ」の表示があっても、塩水無添加の意味ではないので、要注意。一般的にはパッケージの表に商品名のそばに小さな文字で「15%までのブロスを含む」などと記されているので、確認しよう。本当にナチュラルな肉を買うには、www.LocalHarvest.org などのウェブサイトで検索し、近所のファーマーズ・マーケットまたは自然食料品店で、本来であれば脂肪分少なめの放牧で草を食べて育った天然の赤みの肉を探すところから始めよう。

— アマンダ・キンブル=エバンス(Amanda Kimble-Evans)


‘Enhanced’ Meat: The Hidden Salt We’re Consuming

By Amanda Kimble-Evans 
August/September 2014