再生可能エネルギーへの 転換の時を迎えている。

約45年もの間、マザーアースニューズの読者の多くは化石燃料に依存した電力網に頼らず、より大地に根ざした自給自足の生活スタイルを創り上げる道を先導してきた。ソーラーパネルを屋根に設置し、風力を利用し、温室を建て、庭に植物を植え、ほとんどの人が倹約し創意工夫する事により、より良心的で持続可能な暮らし方は見返りがあり愉しいものだと世の中に示してきた。

 数々の再生可能エネルギーの選択肢が急速に発展し、一方ではそれにかかるコストが着実に下がってきている。それにより今日、自給自足の生活スタイルは以前よりも手に入りやすい。1977年、ソーラーパネルは1Wあたり$75かかったが、今ではなんと約$1に急落した。

 今号の特集記事 (P.26) では、自作農場主のカム・メイザー (Cam Mather)が、オンタリオにあるオフグリッド農場を愉しく発展させてきた、彼と妻ミシェルとの20年間に渡る冒険の概略を記している。

 現在、彼らのソーラーと風力のハイブリット発電機は、家で快適に過ごすための電力を供給し、使用量はアメリカの平均的な家庭の消費電力の、たったの16パーセント。しかも彼らは月々の電気代を全く払っていない。

 メイザー家では、ソーラー駆動式チェーンソーで敷地内にある木を切り、燃料にして1888年築の農家の暖をとっている。読者のみなさんが新築するなら、メイザーの改築の家よりも少ない燃料で賄えるように簡単に設計し、断熱する事ができるだろう。

 ここカンザスにおいては、マザー誌の発行者ブライアン・ウェルチ (Bryan Welch)が、公共電力網接続型ソーラー発電システム (grid-tied solar PV system)を家畜小屋に去年設置した。地元のソーラー発電設置会社とのリース後買取の契約の下、ウェルチは事前に何も支払う必要がなかった。今現在、彼の家と農場は完全に再生可能なソーラー発電で賄われ、月々の支払いは、電気会社にではなく、ソーラー発電設置会社にしている。ウェルチは彼がリースしているシェビーボルト (Chevy Volt)で100Kmの距離を毎日通勤しているが、その内のほとんどの距離をソーラー電力で賄っている。燃料の使用量を減らすことにより節約したお金は、車のリースの支払いにまわる。ウェルチと妻のキャロリーンは、燃料(とカーボンフットプリント)をさらに節約できる、新しいプラグイン式の電気自動車に目をつけている。

 この再生可能エネルギーに関する素晴らしいニュースは、読者のみなさんの自作農場において、より賢い生活の仕方を、さらに広める。現在、大型の風力発電所が、石炭燃料の発電所に負けないほどの値段で、電気を供給でき、何10もの大規模ソーラー発電所が立ち上がっている。

 環境に優しい交通システムの分野では、電気やハイブリッド車が主流となりつつある。全電動型の日産リーフとプラグインハイブリット型のトヨタプリウスは、両車とも、3万ドル以下の値段がつけられている。私たちの多くは、新車にそれだけのお金を使うのが難しい、あるいは使いたくないだろうが、数年の間に、これらの中古車が市場に出回るだろう。技術者が引き続き電池と充電のシステムを改善し、新しいモデルの値段が確実に下がる一方で、性能は着実に良くなる。(次号では、現在市場にある、あるいは、もうすぐ出回る、驚くべき5つのプラグイン電気自動車についての記事を掲載。ご期待下さい!)

 現在の私たちの立ち位置からすると、化石燃料から太陽その他の再生可能なエネルギーへの転換が、目覚ましく進んでいる。


Shift to Renewable Energy Options Gains Momentum

An editorial from MOTHER EARTH NEWS 

October/November 2014