ゴム製のマルチは菜園にとって安全か?|専門家に聞こう

細かく粉砕されたタイヤから作られたマルチは、有害だと聞きました。ゴム製マルチを、菜園の植床に敷いても安全ですか?

粉砕タイヤで作られたゴム製マルチは、製造企業の説明では、永久的に使え、美的で心地よく、花、植物、ペットにとって安全です。企業は、マルチ製品はゴミ処理問題に対する環境に優しい解決だと断言しています。しかし科学分野の文献でははっきりと、ゴムを土壌改良やマルチに使うべきではないとされています。疑いの余地なく、ゴムから毒性物質が浸出し分解するにつれて、土壌、植物、水路を汚染します。毒性のゴム浸出物は主に鉱物成分によるもので、アルミニウム、カドミウム、クロム、銅、鉄、マグネシウム、モリブデン、セレニウム、硫黄、亜鉛が浸出物として現場や研究所で確認されています。これらの鉱物の中で、ゴムには高レベルの亜鉛があり、タイヤ重量の2%に相当します。もしゴム製品が、鉛その他の重金属のような汚染物質に曝されていくと、使用期間中に、重金属を吸収して、しかも排出します。多くの植物の品種で明らかになっていますが、異常に高レベルの亜鉛を蓄積しており、時には致死量に相当することもあります。合衆国農務省の調査官ルーファス・チェイニー (Rufus Chaney) は、土壌農業資材内の亜鉛その他の金属の研究を数10年行なってきましたが、大地に敷くゴムは、亜鉛の毒性の為、いかなる堆肥、鉢植え資材、農業や自家菜園の土に使用すべきではないと強く確信しています。酸性土壌と水生系は特に影響を受けやすく、重金属は土壌にあまりしっかり結合しないので、植物や動物が取り込み易くなります。ゴム製マルチから、タイヤ製造時に使用される多様な可塑剤や促進剤も浸出します。

十分に高濃度になると、これらのゴム浸出物の中には、人体の健康に有害として知られるものもあり、肌や目のかゆみから、主要臓器の損傷や死にいたるまで、症状が出ます。長期間晒されると、神経障害、癌、(遺伝子の)突然変異につながる可能性もあります。ゴムに中に含まれる毒性物質の内、早く分解するものもありますが、その他多くは生物濃縮します。

ゴムの浸出物としてよくあるのは、2−メルカプトベンゾチアノールで、製造行程で促進剤として広範に使用されている化学物質です。

周知の人体の健康への影響に加えて、環境中に非常に残留し易く、水生生物に対して猛毒です(この環境残留性が、ゴム浸出物に継続的に晒される水生環境に長期的被害を引起しかねません)。他の有機浸出物で、綿密な調査中のものに、多環芳香族炭化水素PAHs)があります。この化合物は、ゴム軟化剤や充填剤として使用されており、水生生態系を害すると何度も証明されています。研究室での2年間の試験の後、PAH浸出物は研究当初よりも更に高い毒性が明らかになっています。。環境保護庁によると、年間29千万の廃棄タイヤが発生し、山積みの廃棄タイヤが甚大な火災を引き起こしています。明らかに、このようなゆっくり分解する物質を安全にリサイクルする方法を発見する必要がありますが、菜園や遊び場に広げるマルチとして粉砕タイヤを利用するのは、賢い選択ではありません。より良い代替案としては、粉砕タイヤのゴムの道路のアスファルトへの使用を増やす事です。


Is Rubber Mulch Safe for My Garden?

By Linda Chalker-Scott