自給自足者向けのガイド | 小型トラクター

トラクターの専門家が基礎を説明し、探すべきものをガイドする。

文 オスカー H. ウィル  三世 (Oscar H. will III)

 

トラクターを見たら、多くの人が、オレンジ色のKubota、緑色の John Deere、青色の New Holland の違いを言える。だが、自分の土地のニーズに見合った小型のトラクター選ぶには、細かく見る必要がある。今日の小型の機械は、幅広い価格帯から選べ、それに伴い幅広い容量、機能がある。軽作業用の芝刈りトラクターでは困難で、$2,000 のアタッチメントをひかせることになるはず。4,000平米の芝が刈られた状態を保つよう準小型のトラクターを使うだけなら、小屋に $15,000 の常用トラクターを置けば良い。

 北米の小型トラクターは、「菜園トラクター」として第一次世界大戦直後に生まれた。ちょうど、人々が動物の力から石油の力に切替えて、裏庭菜園や商用菜園の生産を維持していた頃のことだ。初期の奇妙な機械は、重く、複雑怪奇(ほとんどが駆動軸1つで製作)だった。二輪トラクターは今日でも利用でき(47ページの「二輪で充分かもしれない」をご参照)、かなりの仕事をこなせると同時に、良い運動になる。菜園サイズの最初の四輪トラクターは、大恐慌の少し前に製造され、第二次世界大戦後にこのジャンルが拡大した。

 ほぼ全ての菜園トラクターは、すきなどのアタッチメントをひいて、厳しい作業に何時間も耐えられる設計。これらの機械は、適切な自重で摩擦力を生み、長期の牽引作業に充分なほど堅牢だ。1960年以前は、菜園トラクターのほとんどは、牽引部6馬力未満で事足りた。今日では、全ての小型トラクターが牽引だけを意図して設計されておらず(25馬力を超えるものもあり)、それぞれ別の用途もある。だから、正しい選択ができるよう助けたいと思う。まず第一に、馬力に惑わされているようであれば、読み進める前に、下記の「馬力 vs 摩擦力 」を確認のこと。

 

芝用トラクター (Lawn Tractors)

 小型トラクタータイプの中で一番軽作業用のものは、外見は大型のものと同様で、大きな後輪と牽引アタッチメントを有している。「芝用トラクター」と呼ばれるこの機械は、同様なサイズの菜園トラクターよりも軽量(約230kg)で、定格25馬力を超えるエンジンを搭載していることが多い。

 新型トラクターのほとんどは、流体式のトランスアクスルを軽量アルミニウム合金や鋳鉄ハウジングに収めて、搭載している。トランスアクスルは一般的に、駆動ベルトでエンジンと接続していて、芝刈りや、軽く牽いたり押したりする意図で使うなら最適。芝用トラクターに過重量をかけたり、厳しい牽引をさせたりして、過度な摩擦(例えば、バーラグタイヤ、タイヤチェーン、後輪の負荷などで)を起こすと、壊れやすい。

 実用的で使いやすい乗用芝刈り機(1万平米が限度)が必要なら、菜園カート、落ち葉掃き、刈草袋詰め、肥料ならしや草わら取り (dethatcher) などの機器を牽け、時には全面に付けるブレードで軽く雪かきできるので、芝用トラクターが最適。だいたい費用は $1,000 〜 $3,000。

 ただ、注意しよう。芝用トラクターに牽引用のアタッチメントがあるからといって、 

 

馬力 vs. 摩擦力 

トラクターの買い物をする時、様々な仕様の数値が氾濫している。特に目立つよう製造者に広告されている数値は、エンジン、パワーテイクオフ (PTO)、ドローバーで測定した馬力に関するものだ。

 芝用トラクターを探す際、エンジン馬力の高い数値は、トラクターが効率よく作動できるカットデッキ (cutting deck) のサイズ(デッキ を広げるほど馬力が必要)に関係している。だが、製造者の間で、市場で最もパワフルな芝用トラクターを製造して誇示する権利を求める傾向がある。消費者にとって、この馬力競争の意味するところは、芝用トラクターは適切なパワー以上のものだということ。125cm幅のカットデッキを15馬力のエンジンで容易に動かせる。ということは、25馬力は実は必要ないということ。更に言うと、芝用トラクターのトランスアクスルは、過酷な牽引状態で、最大の25馬力近辺まで地面にかけさせると、すぐに自滅することだろう。

 有り難いことに、芝用トラクターは非常に軽量で、多くの場合、トランスアクスルに過度な力がかかる際、アクスルシャフトがよじれる相当前に後輪が空転し始める。

 準小型トラクターは、エンジンの馬力をより多く、アタッチメントの牽引力(ドローバー馬力)に変換するよう設計されている。機械は、最大摩擦力を持ちつつ、機器作動に十分な余力(PTO 馬力)を保つよう作られている。

 だから、実際に、140cm 幅の カットデッキが芝用トラクターに必要なら、25馬力モデルが理にかなうかもしれない。だが、安全、効果的にずっと大きな重量を牽引できるのが、18馬力のディーゼル準小型トラクターで、125cm幅の 芝刈り (mowing deck) を、芝用トラクターよりわずかに低速で、問題なく動かせることだろう。菜園トラクターは、摩擦力という点で、芝用と準小型トラクターの間に位置付けられるが、定格エンジン馬力の点では、完全に重複している。。。

 

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