ネギと冬カボチャ(お馴染みのバターナッツやドングリカボチャをはじめ、ちょっと珍しい「赤皮栗カボチャ」、「バターカップ」など)の育て方と料理法をご紹介。
バーバラ・ダムロッシュ(Barbara Damrosch)
2014年12月・2015年1月号
1年中収獲を楽しみたい、という菜園家の間で特に好評なのが冬カボチャ。貯蔵庫いらずで、ものが凍らない物置か自宅の涼しい部屋でもあれば、品種にもよるが、3~6か月間はおいしい状態を保てるのが人気の理由だ。ジャガイモ、ニンジン、ビーツなどには高湿の貯蔵庫が必要だが、カボチャは乾燥を好むので、冬は家の中で保存できる。
一方、ネギも、冬の食材のスターといえるだろう。ニンニクやタマネギの仲間とあって、その風味はタマネギのように繊細で、スープやシチューの味に深みを与えてくれる。もちろん、ネギ単品でいただいても絶品だ。
大小さまざまな冬カボチャ
育て方は、冬カボチャも夏カボチャも一緒。種は直播でも良いし、発芽3週間以内の苗を植えてもよい。ただ、畑の広さはもっと必要になる。一般に、冬カボチャのツルは縦横に伸びるため、小さな畑なら占領されてしまう。ただし、何か植えた畑の上にそのツルを伸ばしてやれば、収穫期まで雑草から守ってくれる。(菜園でのカボチャ栽培のコツは、All About Growing Winter Squash で公開中。)
収穫は、本格的に霜が降りる前に済ませよう。収穫したカボチャは、温かく乾燥した場所で数週間寝かせると、皮が固くなって、保存性が高まる。皮目のキズやヘコミは傷みの原因になるので、やさしく扱いたい。
バラエティ豊かなおいしい冬カボチャの中で、初めての方にお勧めなのは、ベージュ色のバターナッツ。栄養豊富でおいしいオレンジ色の果肉部分が多く、繊維や種が少ないのが特徴だ。もし1つしか作れないとしたら、私もやはりバターナッツを選びたい。誰でも無理なく育てられるからだ。慣れてきたら、小さなドングリカボチャやデリカータ種(delicata)にもぜひ挑戦を。この2つのカボチャのおかげで、私は木製格子をよじ登れるようになった。
「バターナッツ」と「赤皮栗カボチャ」は小型品種で、ともに味はピカイチ。遊び感覚で楽しむなら、カボチャ界の大御所ともいえる「ブルーハバード」。あるいは、鮮やかな赤色の「ルージュ・ヴィ・デタンプ」、その葉の形から、別名「シンデレラカボチャ」と呼ばれている。もちろん、乗れるほど大きいわけではないが、食べるなら20人分にはなりそうだ。
いわゆるパンプキンは、植物学的には冬カボチャと同じで、味も悪くはない。ただ、調理法に工夫が必要とあって、「パイパンプキン」と呼ばれることが多い。ちなみに、大型の「フィールドパンプキン」とは別物。「フィールドパンプキン」はハロウィーンのジャックランタン用だ。
冬カボチャの調理法は十人十色。焼いて良いし、細かく刻み、炒めてナッツの風味を利かせるも良いし、水からゆでてピューレ状にしても良い。調理は簡単、問題は固い皮むきだ。大きめの野菜専用皮むき器を使っても大変なことに変わりはない。私は、先に加熱調理して、皮が剥がれ易くなってからむくようにしている。実の部分も、加熱前は岩のようにカッチカチで、切り分けるのは一苦労。だから私は、生で切り分ける時は、キッチンの肉切り包丁をカボチャにガツンと一振りし、包丁を傷つけないようにゴムでカバーした木槌で、包丁の背をガンガン叩いて割っている。この木槌、キッチン専用だ。。。。。。
和訳全文は月末発行予定。
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Growing and Cooking Leeks and Winter Squashes
By Barbara Damrosch
December 2014/January 2015
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