燃費を最大化する方法

ガソリン代を節約するのに新しい車を買う必要はない。12の高燃費のワザを使い、今ある車で最高燃費を得る方法を学ぼう。

 

カンタン高燃費運転のワザ: 行く先に赤信号が見えたら、エンジンを止めて惰力走行する。

燃費を良くして、ガソリンスタンドで沢山お金を節約したければ、単純に運転習慣を変えることで燃費を30%以上向上できる。この点を明らかにするために、ゼネラルモーターズの燃費エンジニア2名それぞれが、同一の2011年式の Chevy Cruze を市街地/高速道路走行を織り交ぜたルートで、異なる運転スタイルで運転した。2011式の Cruze は、環境保護局 (EPA) の定格燃費では、市街地でリッター11.1キロ、高速道路でリッター15.3キロ。激しく運転したエンジニアは平均リッター8.7キロを出す一方で、高燃費運転を用いたエンジニアは同コースで平均リッター15.9キロとなった。運転スタイルだけでリッター7.2キロという明確な違いが出たのだ。

多くの人が勘違いして、自分が乗っている自動車は、必ず公示された推定燃費になると思っている。キーワードは「推定」。市街地、高速、両者混合の燃費は、自動車を駆動して計算されるもので、固定枠の動力計上で予めプログラムした運転サイクルを用いている。このテストでは、 Cruze の例のような運転スタイルなど、様々な人的要素を完全に想定するわけではない。これは実は良いニュースだ。ほんの少しの人的コントロールしか、燃費評価以上にするのに役立たないからだ。以下の高燃費のワザ12選は簡単に学べて使える。燃費を良くするワザを試して、チャレンジ精神を呼び覚まし、毎回の給油でどれだけ燃費向上できるか挑戦しよう。

 

高燃費のワザ12選

 1. 運転ペダルは軽めに。 運転ペダルは、どれだけガソリンやディーゼル燃料(電気自動車の場合は電気)をエンジンに供給するか制御するので、軽めに踏んで最高燃費を生み出すのは納得。自動車は加速時に最低効率になるため、望む速度に十分早く達するのに程よい力だけ使うのがコツで、急加速や長すぎる加速状態を避ける。他方で、遅すぎる加速で、実は、トータルの燃費が悪くなるのだ。

 2. スピードレーサーは止める。 風の抵抗がスピードに相まって、つまり、高速走行は燃費を著しく損なう。ほとんどの車のしきい値として、高速道路での燃費が下がり始めるのは、約97km/h。それを超えると燃費が急激に落ちる。速度制限以下で走行することで、燃費を向上できる。ただし、可能な場合に限ること。交通の流れを妨げず、その他安全上の問題を引き起こさない場合のみにする。電気自動車は、高速走行で走行距離が大幅に減るので、「走行距離の不安」を感じたら、速度を落とす。

 3. エアコンを計画的に使う。エアコンその他のエンジンからの電力で駆動するアクセサリーは、エンジンに負荷をかけ、燃費を悪くする。低速走行では、窓を開けて室内を冷やす。高速走行では、空気力学的に効率が落ち、速度を徐々に弱めるので、その場合は、実際エアコンを使用する方が良い。

 4. 安定して滑らかに。巡航速度まで立ち上がった後は、緊急停止や合流に必要な場合を除き、果敢なアクセルやブレーキの使用を避ける。ちょうど良い加減でペダルを踏み、速度を保つ。短めの坂で、交通量が多くなければ、速度維持のために加速して上がるのを避ける。坂の上からの勢いで下り勾配を進める。高速走行では、クルーズコントロール(最少燃料の投入で設定速度を保つ)が、燃費向上に役立つ。

 5. 経路の前方を見越す。ハンドルを握る効率を高めることで、安全運転にもなる。なぜなら、車のを移すことで、信号、停止線、その他、進行を妨げ得る状況にタイミングを合わせることができる。ここでの考え方は、勢いを大切に活かすことで、停止状態から速度を出すために加速しなくて良いということ。赤信号が前方に見えたら、アクセルを緩めてガソリンを止め、車を惰性で走らせる。黄色に変わりそうな青信号が見えて、交通量が多くなければ、アクセルを戻し、きつくブレーキするのを避ける。または、全くブレーキしないことも可。このワザでブレーキの損耗も減らせる。

 6. ギアを入れて惰性走行する。減速が必要な時は、常にギアを入れたままにする。惰性走行時に、車がニュートラルでアイドリングしている方が、少ないガソリンを使うという理屈のように思える。しかし、最近の燃料噴射式のエンジンでは間違いだ。ほとんどがコンピューター制御の(噴射システムへの燃料を止める)遮断弁を持つので、全くガソリンを使用しないのだ。ハイブリッド車と電気自動車では、ニュートラルで惰性走行すると、回生ブレーキの制限にもなるが、多くのハイブリッド車は、ギアを入れて滑走する際に、相当量の電気をしっかりと再生する。

 7. 高めのギアを使う。近代の変速装置ではガスを節約するのに、オーバードライブの減速比を使い、巡航速度に到達後、エンジンの回転数 (rpm) を遅くしている。マニュアル車でも節約でき、通常より若干早めにシフトすれば良い(「ショートシフト」と呼ばれる)。つまり、ギアをスキップするのだ(例えば、3速から5速へ)。ディーゼル車では特に効き目がある。と言うのは、低速回転で大きなトルクがかかるからだ。無段変速ではギアを使わないが、自動的に最適なギア比を選択するよう設計されている。

 8. 経路を計画する。出かける前に、最も時間効率の良い運転経路の計画と日々の移動を結びつけることで、驚くほど多くのガスを節約できる。このワザを使い、電気自動車で出かける前に、充分に走行可能距離があることをちゃんと確かめる。右折の経路は、一般に左折の経路よりも、ずっと効率が良い。なぜなら、交通の流れを横切って曲がることがないからだ。

 9. アイドリングを限定する。車が停止してアイドリングの時、燃費はゼロになっている。リアルタイムの燃費表示が車にあれば、アイドリング時に平均燃費が下がって行くのを見られる。このことが理由で、ガソリンと電気のハイブリッド車は、停車時にガソリンエンジンを遮断する(足をブレーキペダルから外すと、スムーズに再始動する)。もちろん、信号やその他危険性がある状況で、エンジンを遮断しないこと。ただ、1分以上アイドリングするなら、エンジンを止めて良い。古い、キャブレター車と異なり、最近の噴射式エンジンは、長い暖機が不要で、再起動にあまりガソリンが要らない。窓ガラスの曇りをとる温風が要るのでなければ、素早い始動と発車で、ガソリンを節約する。

 10. タイヤの適切な空気圧。EPA によれば、空気圧が0.07気圧下がると燃費が0.3%減り、ガソリンスタンドでコストがかかる。どんなタイヤもやがて空気圧が減り(特に寒い気候では)、定期的に満杯にする必要がある。少なくとも月に1回はチェックして、デジタル空気圧計(上の写真にあるような)を使い、精度を保つ。

 11. ガラクタを処分する。散らかった物を車内やトランクから定期的に出す。緊急用の備品は携行すべきだが、その他の余分な重量は、燃費を引き下げる。

 12. 成功体験を追う。燃費を把握し続けると、間違いなく倹約ドライブスキルの向上に役立つ。新車の多くは、これが簡単で、距離計算機に組み込まれた燃費機能(多くは平均燃費を表示)を利用できる。最も役立つ道具は、 即時燃費表示器で、リアルタイムのフィードバックが見え、何が燃費を悪くするのか学ぶのに役立つ。あなたの車に付いていなければ、後付け品が買える。または、燃費の手計算を http://goo.gl/P6wis9 で学べる。記録をためることで、毎回道路へ繰り出すことが、どのように燃費を下げるか見出すチャンスとなる。 

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How to Get Better Gas Mileage

By Todd Kaho 

GUIDE TO GREEN CARS, Summer 2012