すごいニンニクを栽培するコツ

この季節ごとのガイドを利用して、ぷっくりとして風味満載の小鱗茎の宝庫を栽培しよう。

 1つだけ作物を栽培できるとしたら、それはニンニクだろう。香りが強く、食欲をそそり、丸々とした鱗片の、健康を増進するニンニク。私は何年もかけてとびきりのニンニクを育てるコツを習得した。栽培に精を出す前に、選択する基本的な品種を知る必要がある。ニンニク (学名Allium sativum) には2つの亜種がある。オヒオスコロドン (var.ophioscorodon) とサチバム (var. sativum) だ。

 

 ほとんどの場合冬が寒い気候で植えられるオヒオスコロドン (ophioscorodon)・ニンニクは「トップセッティング (top-setting)」や「オヒオ (ophio)」、「ハードネック (hardneck)」ニンニクと呼ばれる。同じ科にはヒメニンニク、コンチネンタル (Continental)、アジアチック (Asiatic) 種がある。硬い中央の茎から葉が伸びて、「むかご」と呼ばれる小さなつぼみの付いた食べられる花茎(頭花)を付ける。ハードネック品種のほとんどは中央の茎の根元に4〜8個の鱗片ができる。風味は刺激が強い傾向があるが、繊細な面があることが多い。

 サチバム品種はどの気候でもよく育つ。「ソフトネック (softneck)」または「アーティチョーク (artichoke)」ニンニクと呼ばれ、鱗茎は大きくなる傾向があり、12~20個の小さな鱗片を付け、中央の茎はない。各鱗片から直接芽を出した葉は、とても柔軟性があり、編むのに最適。一般的に、ソフトネック・ニンニクは刺激が強いものと弱いものがあるが、繊細さはない。

この秋にやること

 大きな鱗茎にするには、必ずニンニクの鱗片を秋に植える。各鱗片は次の夏までに新しい球を形成する。ニンニクは春と夏の太陽と適度に冷涼な夜でよく育つ。球を形成するには温度が必要だ。有機質の豊富な深部土壌の場所を選ぼう。前年に被覆作物を育てていた土が理想的だ。 

 植え付ける前に、3~5cmのコンポストか完熟堆肥を深く耕した区画に加える。ニンニクは秋に根を成長させるのに窒素を必要とする。私は3mの畝につき100~200gの魚粉かアルファルファの窒素を加える。有機大豆粕は、ゆっくりと溶け出す窒素を提供し、それは次の春に球が作られるまで土の中で持続する。3mの畝につき200gを施す。(大豆粕やアルファルファ、海藻粉は農場や飼料店で購入できる。)有機土壌添加物のアゾマイト (Azomite) は岩粉の一種で、これにより私のニンニクは収穫量も大きさもかなり大きくなった。私は3mの畝につき200gを加える。アゾマイトがなければ、同じ割合で海藻灰を施せばミネラルを与えることができる。

 評判の良い業者から入手した、認証済の病害のないニンニクで始めよう。ニンニクセンチュウ (garlic bloat nematode) がついていないことが検査済みであることを確認する。汚染されている鱗片を植えると、センチュウは土にコロニーを作る。センチュウは球が成熟する前にニンニクを枯死させてしまう。種鱗片は青緑色の塊として現れる病気である青かび病に弱い。ニンニクは乾腐病、白腐病、灰色かび病(「ネック病 (neck rot)」と呼ばれることがある)にかかりやすい。乾腐病は葉が黄色くなり枯れる原因となることがあり、球の根元の白色菌 (white fungal) の増殖として現れることがある。白腐病は、球の根元の周りまで広がる茎上の菌の増殖の原因となり、感染した球はネック部が黒ずみ、鱗片の外側に水が染みる。灰色かび病は茎に水が染み、灰色の産毛のような菌が増殖する原因となる。こうした病気を制御するためにできることはほとんどない。感染した植物は抜き取る必要がある。

 秋に霜が降りる4~6週間前、霜が降りない土地では1年で最も寒い時期の1か月前にニンニクを植える。タイミングによってニンニク球の鱗片の数が決まる。早く植えるとニンニクは暖かい土の中に根を張り、 多くの栄養分があると推定してより多くの鱗片を付ける。遅く植えるとニンニクは入手できる栄養分は少なめであると感知し、鱗片を少なくする。いずれの鱗茎も同じ大きさになるかもしれないが、遅く植えると数が少なく、大きめの鱗片になる。

 よく成長したニンニク球は根が15cmほど広がるため、大きな鱗茎を育てるには、より広い植え付けスペースを確保する。株間25㎝、畝間30㎝の間隔でニンニクを配置する。個々の鱗片を5~8cmの深さに尖っている方を上に向けて植え付ける。ニンニクは平らで、水分の多すぎない土地でよく育ち、根は涼しい方が良い。そのため、適宜水をやり、藁、細かくした枯れ葉や干し草などで厚くマルチを敷く。マルチは凍上から保護し、雑草が生えるのも防ぐ。ニンニクは雑草との競争を嫌うのでこれは重要。春に厚いマルチを突き破れない幼芽が自由に伸びるようにしよう。

次の春にやること

 春には、花茎が出てくるまで2週間に1回フィッシュ・エマルジョン【魚由来の有機肥料】を葉面散布する(4L当たり大さじ1杯)か、その季節になるまで4~5週間、血粉の側状施肥を行う(頭花当たり大さじ2~3杯)。

 ハードネック品種は収穫の2~3週間前に花茎を伸ばす。これらの茎が出てきたら丸まる前に刈る。これにより、植物は花茎の形成ではなく球にエネルギーを注ぐようになる。ニンニクの花茎をただ放ってしまわないで。 ニンニクの花茎に美味しい料理方法がある。

次の夏にやること

 最適な収穫と保存のため、可能であれば比較的乾燥した季節になるまで待とう。下の方の葉が黄色くなったらニンニクを掘り出す。葉が枯死すると、球の周りの薄い「包み紙」の層が分解し始めるので、分解し過ぎないうちに収穫する。

 収穫するには、鋤で土をほぐし、地面から球を引き抜き土を振るい落とす。ニンニクは傷がつきやすいので鱗茎を叩かないようにする。ニンニクは葉やけにも弱いので、鱗茎を日陰に移動させる。

 それから、先端と根を切り落とし、球を台の上で乾燥させ保管する。もしくは、植物に手を加えず小さな束にして吊るすか、台の上に広げる。私はニンニクを素早く乾燥させるために扇風機を使う。ニンニクが完全に乾燥したら(約3週間)、残りの根を全て取り、残っている土をそっとブラシではたく。ニンニクを網の袋に入れ乾燥した冷暗所に保管する。保存期間は品種によるが6~12か月ほど。

 夏の収穫物から植え付け用のニンニクを取っておくため、その品種の一番良い特性を持った5~6cmの球を選ぶ。これらの球の中から一番丸々として大きい鱗片を、秋に再び植えるために取っておく。ダブルになっているものは側面の平らなダブルの球を付け、薄いものは普通小さな球を付けるため、ダブルになっている鱗片や薄い鱗片は避ける。

ニンニクその他秋の作物の詳しい育て方は、ニンニクの育て方の全て (All About Growing Garlic) をご覧ください。

 

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How to Grow Great Garlic: Expert Tips for a Blue-Ribbon Crop

By Roberta Bailey 

August/September 2015