キュウリとトウガラシの育て方と料理

キュウリ、日本キュウリを漬ける準備から、Chile Relleno【メキシコの詰め物料理】の為のポブラノ(Poblano)【メキシコ原産のマイルドな唐辛子】まで、ここでは、これら夏の菜園の主役たちを食卓に並べるための必須知識を紹介する。

夏の菜園で輝くキュウリとトウガラシ。

 

 夏の菜園で輝くキュウリとトウガラシ、どちらも美味しそうだが、異なる役割を持つ。キュウリは、温暖な初夏に熟すが、トウガラシは、特に冷涼な気候では、時間をかけて晩夏の暖かさを待つ。

キュウリは、常に「涼」に結びつく言葉。トウガラシは、色や辛さから、熱さの象徴。

 それらが出回る時期が重なる週、キュウリとトウガラシは、生では、どちらもとてもさわやかでサクサクとしているので、度々台所で一緒になる。色や風味、歯ごたえを生かして、サラダの大皿に並べたり、野菜サラダと一緒に混ぜたり、夏のオムレツの具にしたり、スパイスの効いたサラダか、伝統的なガスパチョに入れたりすると、キュウリとトウガラシは輝く。

 

キュウリの育て方

 キュウリは、近代化にやや弱い。私たち買い手は、固い皮のAmerican slicerに慣れている。輸送用の品種で、風味に欠け、皮を剥くとおいしい。家庭菜園では、より風味豊かな選択肢から選べる。長い中東タイプや、イボの多く小さなピクルス用キュウリ、または、ねじれたアルメニア種も試してみよう。多産な「ソクラテス」を温室で栽培したり、「テイスティジェイド」と呼ばれる日本のキュウリを露地に蒔いたりするのが私は好きだ。

 実がなるほとんどの作物と同様に、キュウリは陽当りの良い菜園が必要。霜の危険が去った後、温かい土壌に植える。直播または、播種から3週間以内の苗を移植する。必ず棚を作る。最良のキュウリは、つるで成長する。そしてもし伸びるに任せたら、無駄な量のスペースを必要とする。背の高いラティスか、自家製の木か金属のパイプフレームで作られた棚で栽培する。また、金属もしくはナイロンの網を取り付けた棚や、紐につるをはい上がらせるだけでも可能。つるは、上に伸びたがり、どこにでもしがみつくが、プラスチック製のトマト棚は、手に負えない植物をきちんと管理できる。しっかりと植物に水分を与えること。もしウリハムシを見かけたら、コードレスの掃除機に隙間ノズルを付けて取り去る(早朝動きが鈍いうちに吸い取る)

 

キュウリ料理

 キュウリは、クレソンとマヨネーズのサンドイッチ、カナッペ(クラッカー)として出したり、エビ、ロブスター、マグロ、チキンまたはゆで卵で作られるタンパク質をベースとしたサラダに混ぜて食べたり、どんな食べ方でも歯切れの良さを生かす。突然のお客様にも、これらのサラダをキュウリ以上にかさ増しできるものはない。薄く切ったキュウリの大皿は、持ち寄り食事会用の土壇場料理で、スライスした玉ねぎを少し、ディルの様な緑のハーブ、フレンチドレッシングまたは(できれば)プレーンヨーグルトとサワークリームを混ぜる。また、すぐできる冷たいスープは、キュウリとバターミルクを少しミキサーに入れる。キュウリを冬の食料に保存するには、発酵させるか、ピクルスにしてビン詰めするのが最高のやり方だ。

 キュウリも加熱調理できるけど知ってる?高い含水量にもかかわらず、熱しても、キュウリは驚くほど歯ごたえをよく保つ。玉ねぎと一緒に煮て、次にチキンブイヨンとクリームのスープと混ぜ合わせる。または、クミンでソテーする。かつてキュウリが嫌いな友人に、キュウリ料理を出した。彼は味わってガツガツと食べた。(彼は、ズッキーニだと思っていた。)

 

トウガラシの育て方

 古代アメリカ大陸の作物、トウガラシは現在、世界中で人気があって、驚くほど多様。専門カタログ(Redwood City Seed 社のような)のページをめくると、私が言っている意味がわかるだろう。

 特にエキゾチックな料理で実践して楽しむなら、毎年異なる種類を試してみよう。トウガラシの種類は、育った特定の地域、各地の料理法とよく関係している。これは、タイのトウガラシで明らか。また例えば、メキシコでかなり明らかだ。

 しかし、ピーマンの域に自分の目を開くにはそれらを有名にした、町の名前を持つイタリアのピエモンテへの旅行が必要だった。私は、カルマニョーラ(トリノのちょうど南の町)の有名なトウガラシ『カルマニョーラ・ロッソ』に恋した。Peperonata(タマネギ、トマト、ニンニクをとろ火で煮たピーマン)でとてもおいしい。ずんぐりとしたQuadrato d'Asti、そして牛の角のような形の尖ったCorno di Toroも大好きになった。イタリアからの種、アメリカ合衆国で有名なFranchiタネ類を表示したカタログは、これらも含め多くの良い情報源だ。

 ピーマンをいくつか、とても辛いトウガラシをいくつか、その中間をいくつか植えて試している。トウガラシは、特有の癖がある:長い時間を要して辛くなるものもあり(品種「Havasu」が思い浮かぶ)、ロシアンルーレット風のものもある。小さい『Padron』【スペインの小さな町の名前がついたピーマン】は20個の実のわずか1つが辛くなる。段階によって名前が異なるトウガラシもある。熟して乾燥させると、Poblanosは、anchosになる。(まだ緑でもanchosとして売られるのを見たことがあるけれど)。ハラペーニョは、熟して燻製にして乾燥させるとchipotlesになる。

 以前、観賞用のトウガラシを時々育てていて、植物の枝先に成るように改良されているものもあった。しかし、味よりもむしろ見栄えの為のトウガラシで、ほとんど意味がない。なぜならトウガラシは全て菜園で素晴らしく見えるから。

 トウガラシは、ウォームスタートが必要なので、菜園家は普通、屋内で種を蒔き、栽培時季に一足飛びをさせる。苗の成長を促すために、最初に咲いた花をもぎ取ろう。植物に十分な水と肥沃な土を与えよう。ただし、窒素を過剰に与えない。窒素は、果実の代わりに茎や葉の成長を促す。家庭菜園でトウガラシの棚は必要ない。なぜなら背も高くないし、つるもないから。しかし、たくさん実って倒れることもある。支えの為に、苗それぞれを茎のそばに突き立てた竹棒に結ぶ。もしくは、トマト棚として一般に売られているワイヤーの枠を使う。キュウリと同様に、トウガラシは剪刀で切るか、鋭いナイフで収穫するのがベスト。果物をもぎ取ると、植物を傷つけるかもしれない。

 トウガラシは、詰めもので揚げても、詰めもので焼いても、熱い油で揚げても、カレーに混ぜても、炙っても、料理で輝き、そして、クリーミーなスープやディップにもなる。乾燥させるのが最も簡単な野菜の一つでもある。トウガラシをひもで吊すか、新聞紙の上に広げて屋内の暖かいところに置く。乾燥したトウガラシは、色が褪せないように暗い所に保存する。私はよく乾燥したトウガラシを製粉し、。自家製のパプリカや、チリパウダーを作るために電動のコーヒーミルを使う。


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Growing and Cooking with Cucumbers and Peppers

By Barbara Damrosch 

August/September 2015