地域支援型農業(CSA)ビジネスの運営

この夫婦は、CSAビジネスを通じて、毎週野菜ボックスを販売することで、農場で収入を稼いでいる。

 

オンタリオ州グレートナパニーの Seasons Fine Food のパットフォースターが、顧客が手にする前に、箱入り野菜を確認している。

 

文:Pat Forster and Cam Mather

翻訳:沓名 輝政

 

 

私たちの地域支援型農業(CSA)プログラムは、市場でのみ販売したり、単一作物を栽培したりする経済的リスクを低減している。CSAモデルを使用することで、メンバーが毎週の野菜ボックスへ事前支払するため、所得の前払いを確保している。販売できるよりも多くの農産物を収穫していないし、他の市場に結びついた生産者と競合してもいない。私たちのCSAの新規ビジネスでは、各メンバーは収穫の比例持分を得て、私たちは食材を少し無駄にするだけだ。このモデルは、栽培時期に集約的に連作して、より小さな農地から収入を最大化することができる。私たちの収入は控えめだが、CSAシステムは、私たちのスペース、生産、収益の目標に合わせて簡単にカスタマイズしてある。

 6月末の配達日について、会員に求めているのは、5月1日に会員持分の半分のコスト、6月1日に残りの半分を支払うことだ。配達前に支払いを求めるのは最初のうちは恐れ多く思えたのだが、まだ躊躇する会員に会ったことがない。街の中心部の受取り場所、または市内の何ヶ所かに配達するのが、CSAプログラムで一般的なやり方だ。私たちは、私たちを補完する製品のある地元の店を見つけ、その店のオーナーは、潜在的な顧客が定例で店から受け取ることを喜んで受け入れてくれている。宅配で提供することもできるだろう。ただ、プログラムコストに時間と燃料の要件を考慮しよう。

 新規生産者にとっての最大の課題の1つは、容易く顧客獲得するのに十分なほど都市中心部から近い、適切な農場や菜園の土地を見つけることで(自分の庭を持つ田舎の人々が会員になる可能性は低いため)、しかも十分遠く離れていて地価が障壁にならない土地だ。1〜5エーカーの耕作地で適度なサイズのCSAプログラムを運営でき、膨大な土地必要はないだろう。覚えておきたいのが、立地が田舎になるほど、長いドライブとなり、毎週の分け前の配達に燃料がたくさん費やされるだろうこと。

 成功への鍵の一つは必要経費を低く保つことで、土地代を現金で支払うことも一つの方法だ。栽培したい場所の土地代があまりにも高価な場合、地元の農家に数エーカーを貸してくれないか尋ねよう。多くの工業型農家は自家菜園を持たず、毎週の新鮮な食材一箱と引き換えでも土地をいくらか提供してくれるかもしれない。

 あなたのCSAプログラムをマーケティングすることは非常に重要になる。おそらく売上高は毎年いくらか発生するので、継続的に新しい会員向けに広告する必要がある(人々は引越したり、自家菜園で育て始めたり、結局野菜は好きではないと分かったりする)。農場見学、作業体験会、農場の優れたウェブサイトやプレゼンテーションは、全て役立つ。

 多くのCSAプログラムは、ケール、ジャガイモ、カボチャなどの温室で保護する、寒冷地の作物や貯蔵野菜を含めることができ、冬の分け前を提供し始めている。潜在的な冬の会員の多くが都市部に住んでいるため、おそらく食品を長期保存するスペースを持っていない(隔週または毎月の一箱が彼らにぴったり合うだろう)。

 CSAモデルがより一般的になるにつれて、多くの農家は、肉、乳製品、卵を含む他の自家製の製品を追加して、多様化している。CSAの顧客の多くは、工業型畜産の実態と高品質な放牧肉製品を食べる健康上の利点を認識していて、とても幸せな放し飼いの家畜からの卵、乳製品、食肉に対するプレミアム価格を支払う考えを受入れている。これらの製品で潜在的な顧客基盤と収益源を広げられるが、また、政府の食品安全規制、冷凍、畜産の知識、季節を問わない予定組みを含め、複雑さのレベルを高める必要がある。どっぷり浸かる前に、これらをどのように扱うか綿密に計画しよう。

 私たちの会員50人のCSAが収入の半分以上をもたらし、文筆契約と私たちの小さな出版会社を通じた販売から残りを稼げる(野菜の販売だけを通して、家計を支えることに興味があるなら、「市場向け野菜栽培:1.5エーカーで生活する方法」をご参照)。また、経費をカットし、住宅ローンを完済するのに何年か専念した。このライフスタイルに移行すると決意して、この上なく幸せだと思う。 会員のために新鮮な有機農産物ボックスを詰めることで毎週満足している。しかも、栽培シーズンの間、一日一枚パイを食べられて、それでも体は引き締まっていくのだ!

 

カム・メイザーと彼の妻ミシェルが自給農暮らしをするオンタリオ州の150エーカーの森では、会員50人の地域支援型農業(CSA)のプログラムや出版事業を運営して、太陽光と風力によって全電力をまかなっている。MOTHER EARTH NEWSストアで彼の本「Little House Off the Grid」を求めるか、彼のウェブサイト(website)を参照して、彼が2016年春に講義予定の詳しいCSAワークショップについて知ろう。

 

依存だけの消費者から自立できる作り手に

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Running a Community-Supported Agriculture Business

February/March 2016

By Cam Mather