太陽光発電の矛盾する意見を耳に?再生可能エネルギーの6つの神話を暴き、家庭用太陽光テクノロジーの数あるメリットを明らかにするべくエネルギーの実態を掘り下げた。
太陽光パネルはどんな住宅にも美しい付加であることを証明している
近年の対費用効果を含む数ある太陽光発電のメリットに関わらず、光電技術に関しいくつかの疑問が残り、この疑問が良くありがちな誤解に油を注いでいる。ここで家庭用太陽光発電のコストや信頼性といった最重要事項のうち6つの点を明らかにすることとしよう。
1. 発電できるほど十分な太陽光が自分の住む地域に無い
アメリカは陽のあたる国だ。曇りの日が一番多い北西部や北東部でも発電する。より大きなシステムが必要なだけだ。光電システムは春、夏、秋に最も発電するが発電に澄み渡った青空が必要な訳ではないことを忘れないで欲しい。曇り空の日でも、太陽光発電システムはその最大発電能力の10%から20%を容易に発電する。
2. コストが高すぎる
家庭用太陽光発電システム関連のコストは近年急降下したが、この原因の多くは関連産業の効率化による。実際、太陽光発電システムはかつてないほどに安くなっている。
加えて、太陽光発電のキロワット時あたりの製品寿命コストは、北米のその他電力オプションに比べ大幅に安く、2022年まで続く再生可能エネルギー導入投資税控除の延長がいくらかその原因となっている。(再生可能エネルギー導入投資税控除の詳細はこちらをご参照。http://goo.gl/F3iPHt)
中西部では、設置費をベースに、投資額の30%の税額控除を含め太陽光発電システムが発電する電気にキロワット時あたり6セントから7セントのコストがかかる。西部や南西部の様により日がさす地域では、太陽光発電システムの電力費は低くなる。比較として、大規模な投資家所有の電力費は通常キロワット時当たり10セントから17セント、時にそれ以上となる。
たとえ税額控除が無くても、太陽光電力はメジャーな電力会社の電気よりも安いか同等だ。また、在来型発電とは異なり、太陽光システムの電力費は次第に上がることはない。従って、太陽光発電システムはインフレやエネルギー価格の急騰への防止策になり、3パーセントから5パーセント程度の投資対効果をもたらす。
太陽光発電の課題は、電気代の前払いが台大英断を要するということだ。で30年から50年分の電気代を前払いしなくてはいけないので、一見法外なまでに高く感じる。
幸い多くの地域で太陽光発電システム設置者はシステムをリースし、無料で設置してくれるだろう。通常15年から18年間の設定期間中、システムが要する電気代をただ支払えば良いということになる。この場合、リース期間において電気代の請求額は電気会社に支払う額に比べ多くの場合安くなる。
リース期間が終了したら、システムは自分のものとなり、それ以降全ての電気代は無料となる。新しいインバーターの設置は必要になるかもしれないが、むこう15年から20年間は容易に電気代ゼロの恩恵を受けることができるだろう。
3. モジュールの発電量よりもモジュール製造により多くのエネルギーを要する
モジュール、インバーター、関連機器を含めた太陽光発電システムのエネルギー回収年数は一般的に1年から2年である。
私が働くミズーリ州東部では、多結晶技術を組み込んだシステムのエネルギー回収年数はおよそ1年半で、単結晶モジュールは2年、薄膜型は1年である。日光が多い幸運に恵まれた地域ではエネルギー回収年数は短くなり、日光が少ない地域では長くなるだろう。
どこに住んでいようとも、石炭、石油、天然ガス、又は原子力発電所から産まれる電気が総合的にプラスのエネルギーになることは決してない。
4. 太陽光エネルギーはライフスタイルに大きな変化をもたらす
時として需要は太陽光発電システムの供給を超過するだろう。しかしもしシステムがグリッドに接続していたら(大半の太陽光発電システムがそうであるように)、超過した需要は満たされるだろう。
さらに良いこと:あらゆる州においてシステムが過剰に発電した時は、その電気はグリッドに還元される。需要を満たすためにその電気が必要ならば、電気代請求のあるうちは、無償で、あなたのものになる。さらに電気が必要であれば、電力会社から買うこともできる。
覚えておくこと:グリッドシステムを導入すれば、何でもいつでも電源を入れることができる。
蓄電量は電池を使って運用するオフグリッドシステムを制限する。従って、オフグリッドシステムは通常のオングリッド住宅のおよそ10分の1から12分の1の電力に頼るライフスタイルが求められる。
オフグリッド住宅所有者はモダン住宅のアメニティを享受できるが、洗濯ロープとも知られる「洗濯物干し」、またはガスやプロパンが熱源の乾燥機で服を乾かさなければならない。そして彼らは料理や暖房の熱源をガスか薪としなければならない。
5. もっと効率の良いモジュールが市場に出てくるのを待つべきだ
太陽光モジュールの効率は改善していて、ワクワクするような開発中の新技術もいくつかある。しかし、過去25~30年に渡り市場に出回るモジュールの効率改善はわずかに確認されるのみだ。
ニュースで耳にするより効率性の高い太陽光セルの多くは研究所で実験的な試作品として存在している。その大部分は極めて高額なため、高効率太陽光セルの導入に市場は慎重だ。
6. 太陽光発電システムは太古の蓄電技術に依存している。
大半の太陽光発電住宅所有者は、バッテリーを必要としない系統連携型システムを選択する。説明したようにグリッドが「蓄電池群」として機能し、このような電池いらずのシステムは設置が容易で、安価、効率的で、実質的にメンテナンス不要だ。
蓄電技術に関しては、より良くより低コストな蓄電池がオフグリッドのライフスタイルにまつわる多くの課題を解決してきた。テスラの新製品「Powerpack」の選択肢も心躍る飛躍のひとつとなるだろう。(Tesla Powerwall とPowerpackの詳細はこちらをご参照。)
肝心なこと:太陽光発電は、クリーンで信頼性の高い資源を活用し、使用者や全人類に多くの利益をもたらす。
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マザーアースニューズ
By Dan Chiras
April/May 2016
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