牧草飼育肉を食べるのが賢明

人間は肉、卵、魚、乳製品を食べるのが賢明なのだろうか?あるいは動物製品を一切避けることが「より望ましい」 — より健康的で、より環境に優しく、より道義的 — なのか?この質問に答えるには各個人が複雑な要素をよく検討しなければならない。確かに、現在私たちの食料システムを席巻する非人道的で持続可能性のない工場式農場システムは、私たち(肉を食べる程度にかかわらず)の支持を受けるに値しない。

 意識が高く、健康食を摂る全ての方々に知ってほしいことが一つ。オメガ脂肪酸の役割だ。次々と出てくる研究が明らかにしているが、オメガ3脂肪酸(魚や牧草飼育肉に高い含有率で知られる)は脳機能を高めるのに必須な栄養素。オメガ3の不足が関っていて、注意喚起すべきものは、精神衛生状態で、低IQ、暴力的態度、記憶喪失、うつ病などがある。現在の工業的食料システムが家畜に与える飼料として大豆やトウモロコシに頼っていることで、人の食料事情がオメガ脂肪酸の深刻なアンバランスを抱える結果となっている。

 養殖でない魚、狩った肉(ジビエ)、多年草で育てた家畜からの農産物は、それにひきかえ、オメガ3脂肪酸の含有レベルが高い。つい最近まで、健康分野のライターは、必須オメガ脂肪酸に関する、この新情報をほぼ意識してこなかった。つまり、穀物飼育肉を食べる利点欠点についてのほぼ過去50年にわたる研究は、グラスフェッド肉に対する疑義としてほとんど見当違いだったということだ。

 あなたの日々の食事で、工業肉のみ食べたり、グラスフェッド肉や酪農品を避けるよう意識したりすると、オメガ脂肪酸がアンバランスとなる危険に身を置くことになるかもしれない。私たちは、誰でも必須栄養素を手に入れられるような方法を見出さなければならない。オメガ3が豊富な魚をもっと食べるのは良案だろうが、現状の世界人口は70億を超えていて、すでに過剰に漁獲して海洋の漁場を破壊している。海洋の生態系を健全に保つには、漁獲を減らす必要があり、増やさないことだ。弊誌の信念だが、賢明な選択肢は、あなたの健康を支え、家畜の扱いを向上し、環境を守るために人道的で持続可能で牧草に基づく仕組みを使用している生産者からの家畜の農産物を消費することだ。

 しかし、もし、オメガ3脂肪酸を多めに摂ることが重要だと十分に多くの人たちが理解するようになれば、グラスフェッド家畜の生産を推し進めることができる。そのような転換はまた、土壌侵食の低減、エネルギー使用の低下、肥育場用飼料を育てるのに用いられる有害な農薬使用の削減、肉を食べる人のカーボンフットプリントの縮小を意味する。それはまた、管理された集約放牧を推進することになり、損なわれた草地の肥沃度を回復して、気候変動を引き起している炭素を隔離できる。

 明らかに、地球が生み出せる質の良い食糧の量に限界がある。たとえ私たちの食事の質を落としてまでも人口が増加すると想定し続けることは妥当だろうか?あるいは、どういった類の食事支援が人の健康を最適化するのか導き出し、地球が永続的に支えられる人口レベルを定めながら質の良い食事が全員に行き渡るようするのが賢明だろうか?

 弊誌は、牧草飼育肉を消費するのが道義的な選択だと解釈するのに、妥当な理由が2つあると信じている。1) 多年性の牧草地で飼育された家畜による高オメガ3脂肪酸の食物を食べるのが、人の最適な食事の重要な一面だから。2) 牧草に基づく生産は、大豆やトウモロコシに頼る現状の仕組みよりも、持続可能で人道的だから。

— マザー

 

さらに詳しく学ぼう

Mother Earth News Guide to Healthy Fats and Pastured Meat: http://goo.gl/e2VzJx

Omega-3s and More: The Importance of Fat in a Healthy Diet:(和文)http://goo.gl/wmRK4m

Pasture Management and Carbon Sequestration: http://goo.gl/YGuSkQ

 

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Eat Pastured Meat for the Optimum Diet

An editorial from MOTHER EARTH NEWS 

April/May 2016