切れ者:万能ナイフを自作

自作ナイフのカスタマイズをするには、刃をオンラインで注文し、余った木を面取りして把手にしよう。

 

 なくてはならない万能ナイフは、議論するまでもなく、農場、自作農場、又は作業場で、必要な細工をするのに、最も使い勝手のいい道具だ。梱を作るための紐を切ったり、リンゴをスライスしたりするのに、鋭いナイフがなくては何も出来ないのだ。

 

文:Hank Will

翻訳:堀水 理佳代

 

 自作の美しい万能ナイフを作るには、ボルスター【刃と柄をつなぐ、金属が厚くなってい部分】やフィンガーガード、ハンドルのついていないフルタング【ハンドルに入るタングという芯の部分がハンドルと同じ形】ブレード、ナイフのハンドル材の木(ハンドルの両面半分ずつ、タングの両面からリベットで取り付ける)、エポキシ接着剤、真鍮のピンひとつかみ、刃物用リベット、が必要。この記事で使われた、ナイフ作りの為の道具や、ハンドルの素材を含む全ての素材は、Jantz Supplyで入手可能。

テンプレートをなぞる

1. タングのハンドル部分を紙又は薄手の厚紙の上になぞる。ナイフの刃の部分まで線を伸ばし鋭い部分が始まる所に印をつける。なぞった外周から3mmの余白をとって、テンプレートを切りとる。ハンドルのテンプレートは、タングブレードのリベット穴を全てなぞって完成。

2. ナイフのタングでテンプレートの根元が決まるが、均整のとれた目を引くナイフの根元のデザインを作ることに、もっと注意と考えを注がなくてはいけない。ハンドルの根元に最も近いリベットの穴の中心から、ハンドルの末端までを測る。その長さで、一番刃に近い穴の中心から、刃側のハンドルの端に印を付ける。瓶かグラスの底を刃基の印に置き、カーブの外側が刃の方向になるようにして外枠をなぞる。これでナイフのテンプレートの輪郭が明確になる。テンプレートになぞられたリベット穴に、パンチで穴を空ける。

ハンドルの作業

3. ハンドル用の木を選ぶ時は、木目や固さ、入手しやすさ等を検討しよう。私はカンザス州の北部で働いているので、イースタンブラックウォルナットや、ニセアカシア、オセージオレンジなどの品種を好む。

4. テンプレートの外側を、木の上でなぞり、穴に印を付け、上となる方に上と記す。次に、バンドソーを使用してハンドルの形をした木を切り取る。バンドソーがなかったら、糸鋸、ジグソー、又は他の手鋸とヤスリを使って形作ろう。ハンドルの両面それぞれに付く、2つの全く同じ形で作る為に、最後に半分に切る ー 同様に手鋸の使用が望ましい。

5. タングのハンドル側の端にある穴のサイズにあったドリルビットを選ぶ。次に、注意しながら片側のハンドル材にあるリベットの印の所に穴をあける(ドリルプレスを使うのがベスト)。ビットかピンを使い、注意深くタングの穴を目安に、ハンドル材の端を合わせる。タングの穴に合うまでハンドル材を調整し、他の2つの穴を空ける。もう片方の木にも、同様に穴を空ける。最後に、刃物用リベットの頭の直径にだいたい合うようなドリルビットを使い、リベットの頭の深さに合わせた皿穴を、穴の外面に全て空ける。

6. 手動研磨機を逆さに、クランプで万力に固定し、ハンドル材の内側を平らにする。2つとも一緒にクランプではさみ、完成時の形に組み立てて、刃に面する側を削りながら、形作っていく。

7. のりを使わず組み立てて、ナイフのハンドルの穴が全て合っているかチェックする。もしも全て合っていたら、ハンドル材を分解しタングの部分のハンドル材を目の粗いサンドペーパーで傷付ける。最良の結果を得る為には固い金属の部分も同様にする。エポキシ接着剤を混ぜ合わせ、一方のハンドル材の内側の表面に十分塗る。

 凹側の刃物用リベットをハンドル材とナイフタングに通し、作業している場所や台に置く。エポキシをもう片方のハンドル材の内側に塗り、凹側の刃物用リベットの上を通すようにして貼り合わせる。凸側のリベットを入れ、エポキシが飛び散らないように気をつけながら、鋭くハンマーでたたき込む。ハンドルをサランラップかワックスペーパーで包み、両端と真ん中をクランプではさむ。エポキシの種類によって固まる時間が異なる。

8. エポキシが固まったら、クランプとラップをハンドルから外そう。刃を厚紙かマスキングテープでおおい、最終的な形作りの段階に入る。ナイフの刃を作業台にクランプで固定するか万力で挟む。木のブロックを使って、鉄が傷つくのを防ごう。石目ヤスリ、ヤスリ、電動ヤスリ、紙ヤスリの組み合わせを使い、ハンドルの輪郭がタングの端に合うよう綺麗に削る。ハンドルが手の中で気持ちいいようになるまで、全ての角を丸くする。スムースなハンドルにしたかったら、スチールウールで仕上げる。最後に、デイニッシュオイルをハンドルに何層か塗り、最高に目の細かい(#0000)スチールウールでオイルを塗るたびに磨く。

削るのを楽しんで!

 家族や友達が、あなたの格好良くて、使いやすいナイフを見たら、絶対彼らも自分のキッチン、農業用又は万能ナイフを作りたくなるに違いない。気軽にこの簡単な作り方を見せてあげよう。そうすれば彼らも自給自足のゴールに一歩近づく。

この記事を再版させてくれた、Massey Ferguson’s Farm Life Magazine(マーセイ・ファーグソンの農村ライフマガジン)にとても感謝する。ーマザー

 

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By Hank Will

April/May 2016