8つのDIY冷床。1年中とれる菜園を!

身近な材料をアップサイクルして安価なDIY冷床を作り(ひとつでも複数でも!)、栽培期間を延長しよう。

文: Rebecca Martin

翻訳:内野 清美

 

簡素な冷床は大型温室にお金をかけずに生育期以外の時期に栄養豊富な自家製食材を育てる素晴らしい選択肢を提供してくれる。多くの家庭菜園者はすでに春植え前の苗を保管するこういったミニ温室を利用しているが、冬の間にも冷床内で植物が生き続け、12月、1月、そして2月にも畑の新鮮な作物を提供してくれることには気づいていないかもしれない。

 市販の冷床は畑に更なる美しさをもたらしてくれるが、安価なDIYはスタートにもってこいだ。より美しい冷床を設置する前に、ひとつ、または複数の冷床を再活用した材料で手早く組立てられるし、最適な気象条件を備える場所を探し移動させることも可能だ。

 

シンプルさと低価格性から選ばれた8つの案にさっそく取りかかろう

 

冷床の利用

 一番シンプルな形状は、太陽光を通す透明の天板を支える箱状の冷床だ。天板は内部で育つ作物へのアクセスとして通常取り外し可能で、作物の根がより深く張るれるように、底はたいてい畑の土だ。冷床を利用することは畑の生育ゾーン【米国農務省作成の気候区分 による】を1段階南に移動させるということ。非加熱の温室内に冷床を追加するのは生育ゾーンを2段階南に移動させるのと同じ意味を持つ。

 まず耐寒性のある作物栽培に最も適した場所探しから始めよう。直射日光と水はけの良い表土が有り、家からのアクセスが良い場所に冷床を作りたい。1月のキッチンから冷床までの長い道のりは快適ではない。理想としては、透明の天板を冬に太陽が低くかかる南に向け冷床の効率を最大に高めよう。

 ゾーン6やそれ以下の寒冷地の菜園者は冷床内部にサーマルマスを追加することや冷床の壁面を盛土やストローベイル(藁)、又は落ち葉マルチの袋で断熱することで冷床内の温度を上げることができる。日光の少ない地域では冷床内部を白く塗ったり、わずかな日光を反射させるためにアルミホイルを貼ったりすることもできる。過度な熱で作物がしおれない様に気温が10℃を超えるような晴れの日は必ず冷床内を換気しよう。日中蓋を開け、日が暮れたら閉めれば良い。

 冷床の利用を成功に導くには、適した作物を育てるということが大切だ。例えばホウレンソウは氷点下少し手前の気温で良く発芽し育つし、ケールには強い耐寒性がある。ルッコラは管理下で冬中耐寒性を保ち、冬の限られた日光でゆっくりではあるが再生すらする。耐寒性を有する作物のいくつかは他よりも回復力が強いものがあるので、種の袋を注意深く読もう。

 

DIY冷床で栽培しよう

 新鮮な作物が1年中栽培できると発見したら、おそらく複数の冷床が欲しくなるだろう。次に挙げる8つの冷床案は全て組立が容易で再活用の材料を使用するので安価だ。野菜畑が許容できる限り好きなだけ作れるだろう。 

 1. 地下窓用カバー。地下窓用の穴がゴミ溜めになるのを防止するためにデザインされた丈夫なプラスチックカバーは、背の高い作物向けの良い冷床部品となる。48センチ長のペアカバーは、厳しい冬には枯れ絶えてしまうマザーアースニューズ事務所の菜園のセージを守ってくれている。2つの透明プラスチックの地下窓用カバーで冷床を作る際は、両方の高さを合わせ、上部を洗濯バサミかバインダークリップで留める。カバーが舞うのを防ぐため、石か煉瓦で足元を固定しよう。

 2. バスタブと電化製品。イギリスは温暖な気候に恵まれているが、それでも菜園者は霜、雪、凍雨から弱い植物を守らなくてはならない。イギリスの菜園者ブレン・フレンチは古いブリキのバスタブを土で満たしミニ温室を作った。屋根は透明波型PVCで、近所の家で建築業者が傷つけてしまったものだ。石で固定し温暖な日には容易に換気できる。

 イギリスより寒い地域では、壊れた箱型冷凍庫や冷蔵庫の断熱性能を活用する菜園者もいる。動かなくなった冷凍庫を部分的に地面に埋め、蓋やドアを外し日光を入れるための透明な天板に置き換える。箱型冷凍庫が野菜の凍結を防ぐなんてなんと皮肉なことだろう!

  3. 浴室ドア。シンディ・コープキは上げ床キットを購入し南にわずかに傾くように設置し冷床DIYに向け事前に計画していた。秋になり霜が降りてくると、彼女は単純に廃品だった強化ペアガラスの浴室ドアを上に乗せた。

 コープキはその後上げ床のサイズを2倍にした。使っていた浴室ドアでは全てカバーできなくなった為、上げ床内部の藁ブロックを1つ落としギャップを埋めた。彼女は雪降るウィスコンシン州で冷床の中ルッコラ、マスタードグリーン、ラディッシュ、その他耐寒性のある作物を作った。詳しくは:http://MyYarnstead.com.

  4. 藁ブロック。この簡単なDIY冷床に建築スキルは不要だ。菜園者リサ・ロンバルドは「レッドネック冷床」と呼んでいる。藁ブロックを2つとリフォームプロジェクトで残された防風ドアを冷床の組立に利用し、ガレージの西側に置いた。晴れの日は、ガラスの防風ドアを少し上げて温かい空気を逃がす。春になり温暖な気候になったら、藁ブロックを解体し畑の畝や通路のマルチとして利用している。

 多くの冷床案はドアや窓の再活用を要する。もしこの案を採用するなら、飛散防止ガラスを見つけよう。ロンバルドは、大きく重い窓は内部の植物へのアクセスが難しくなるから避けた方が良いとアドバイスしている。また、古いホースを縦に切り、窓やドアのギザギザした金属端部をカバーすることも薦めている。側面を全て藁ブロックにして冷床を組み立てることも可能だ。もし夜の気温が大幅に下がるおそれがある場合は、タープかビニールで冷床を覆い保護しよう。この冷床についてより詳しい情報はこちら:www.TheSelfSufficientHomeAcre.com.

 5. 窓。友人のプロジェクトに触発され、退職した庭園教育者のリサ・ワグナーは地元のハビタット・フォー・ヒューマニティ・リストアで購入したペアの2重ガラス窓でいくつか冷床を作った。底が開いた箱を形成するため、リサは木部に打ち込まれたタック釘の周りを麻ひもで巻き窓をつなげ、天板は重力に任せることにした。出来上がった冷床は解体も保管も容易だ。詳しくは:www.NaturalGardening.Blogspot.com.

 6. 穴。冬の栽培用として市販の冷床を2つ保有しているが、耐寒性の高い作物をより多く栽培するために、安価な代替品で冷床を作ることも楽しんでいる。過去数年間、戸外の南傾斜に掘った浅めの穴が幸運を運んでくれている。この「冷床」のカバーは木製窓に丈夫なビニールシートを張り再活用したものだ。穴内部の勾配を維持している。通常勾配は水やりの課題となるが冬の間冷床で育てる作物はそれほど水分は必要ない。最大の問題は、穴の換気を忘れないことだ。保護されたこの場所は寒い日でも穴内部は過剰に暑くなるからだ。ルッコラやそのほかの青菜はこのシンプルな温室で良く育ち、2月に植えたラディッシュは

私が住む地域の平均終霜日の約2週間前に収穫できた。 

 7. 天窓。建築現場にアクセスがあるかクレイグリスト・ガーデンに目を光らせている場合。バリンダ・ムリンはオークションで購入した安価な天窓を家族から一つ譲り受けた。藁ブロック8つで土台を作りスイスチャードやパセリをその冷床の中で栽培した。

 

 8. PVCパイプ。地面に掘った穴よりも凝った冷床を好む菜園者もいる。ユタ州のポール・ガーデナーは、直径1.2センチのPVCパイプを利用し成熟したブロッコリーを格納できる高さの120㎝×180㎝の枠を作った。6ミル (0.15mm) のポリシートで枠を覆い、直径1.8センチの短いPCVを C型に切った自作の留め金でポリシートを枠に固定した。この地域の大雪の為、ガーデナーは厚めのPVCを利用し枠の端を接着した。しかし天板とそれに接する水平材は接着せず、このミニ温室が収納の際ばらせるようにした。PVC冷床は畑のスペースや作物に合わせてデザインできる。詳しくは:Gardening Tips: A

 

 

たのしい暮らしをつくる

マザーアースニューズ

購読登録はこちらからどうぞ

  

 

8 Cold Frame Plans for Year-Round Gardening

By Rebecca Martin 

August/September 2016