雑草を最小限にする水やり方法

どの水やり手法なら、時間をかけずに、上手に野菜に水を与え、雑草には与えないでしょうか?

 

 

 

 2015年の記事「菜園に最適な水やりの方法を学ぼう (Choose the Best Garden Watering Systems) 」で、バーバラ・プレザント (Barbara Pleasant) は散水チューブ、点滴潅水、貯水タンクの埋め込みを含めた最も効率的な水やり方法を幾つか説明している。これらの方法は、もっと元気な野菜を育て水を節約するだけでなく、雑草の成長を最小限に抑え、水やりや除草にかかる時間を減らしてくれる。秘訣?水分と養分をお目当ての作物にあげて、雑草には行き届かないようにすることだ。

 土製水がめ、素焼鉢の埋め込み、多孔質の素焼パイプ・カプセルのようなセラミックの活用を基礎とした潅水システムは、小さな土地に最適な水やり方法の一部だ。こうした方法を使って、肥料や堆肥を作物が取り込むまさにその場所に届けることもできる。水は、作物の要求に応じた速さで素焼の壁を通り抜ける。だから、雑草の成長のための水分はほとんどなく、作物間の乾いた裸の土の間にはほとんど雑草が育たない。夏に雨が少ない地域では、その違いは明白だ。最近の研究では、素焼鉢潅水で育てられた作物の周囲の雑草の重さを測ったところ、慣行的な表面への潅水では4,000平方メートルあたり7.7トンだったのに比べ、90キログラム強だった。草を鍬で掘り起こしたり引き抜いたりするのにかかる時間(日数とさえ言える!)がどれだけ節約できるか考えてみよう。作物の間をしっかりとマルチすれば、更に雑草を抑えることができるだろう。

 たった数年前、多孔質の素焼鉢による潅水方法はほとんど選択肢に上げられなかった。現在、多くの土製水がめ販売者がいる。市販の多孔質テラ・コッタの鉢を使って、排水穴をゴム栓やエポキシ樹脂、熱接着剤で塞ぐこともできる。埋めた鉢の上に、リサイクル・ショップや窯元から買ってきた板をのせよう。雨が入るように、蓋にはドリルで小さな穴を開けておこう。

 ひも潅水は、水を土に送り込むために繊維質のひもを使う水やり方法だ。素焼鉢潅水よりいっそう効率的だ。作物が水を吸うと、ナイロンもしくはポリエステルのひもを通して貯水器からさらに水を引いてくる。ひもは、長い間、セントポーリアの育成に使われてきた。というのも、この花は、葉が水分に弱いのだ。一方、ひもは、他の多くの植物にも有効だ。もっと小さな植物を育てる時は、貯水器を毎週もしくは2週間毎に満たんにするだけで足りるだろう。つりがごやプランターにも有効だ。ひも潅水の一式は、Wickinatorsで購入できる。

 パイプ埋め込み潅水 (Deep pipe irrigation) は、もっと大きな高低の木に最適なことが多い。蓋のない直立の、もしくは直立に近いパイプを使って、根が張る場所に水を届ける。深部への水やりができ、雑草の繁茂を最小限に抑えながら、良好な根の成長を促す。パイプは、プラスチック、金属、もしくは節にドリルなどで穴が空けられた竹で作られている。ディープ・ドリップ (Deep Drip) と呼ばれる市販の埋め込みパイプは、現在、ほとんどのホームセンターで購入できる。

 点滴潅水やスプリンクラー、もしくはじょうろやホースを使うなど、どの水やり方法でも、集中的に行えば効率的な水やりができる。けれども、土製水がめ、ひも潅水、パイプ埋め込み潅水ならずっと簡単だ。比較研究はほとんどなされていないが、自分で試してみて、こうした方法で4倍も多くのトマトの収量があった。

 このようなもっと効率的な潅水方法は、水やりの時間を節約することにもなるだろう。というのも、おそらく1週間に1度だけ貯水器を満タンにすれば足りると思われるからだ。作物が成長段階の時、1日に1度、自分の手で水をあげることと比べてみよう。ここで紹介した菜園の水やり方法は、土曜の朝まで菜園に行くことができない忙しい菜園家に申し分ない。

 

 今年の菜園で比べてみよう。時間、労力、もちろん水も節約できるはずだ。

— David Bainbridge

 

翻訳:浅野 綾子

 

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Best Garden Watering Systems to Control Weeds

By David Bainbridge 

August/September 2016