ハーブオイル、塗り薬、シロップの簡単な作り方

外傷の消炎効果、体の免疫力アップに - 傷口用オイル、セントジョーンズワート(西洋オトギリソウ)配合オイル、ブラックエルダベリーのシロップ、ハーブオイル配合のリップクリームなどの簡単なレシピをご紹介

 

文:Richo Cech

翻訳:西本 祥子

 

以前、足に深い傷を負い、ヒレハリソウの根を砕いて作った軟膏の湿布を貼って休ませてもらったら、これで痛みが和らいだ。貼った直後はズキズキしたが、根を煎じて作っただけの軟膏薬で驚くほど痛みが取れたのだ。手作りには、他にも良さがある。ハーブを乾燥させ、細かく砕き、水、オイル、アルコールなどで煮詰めれば、ハーブ療法が手軽に試せて、これが意外にも簡単だった。(膿が出ていたつま先は、有難いことにまだ動かせて、ストレッチしつつそう思った)。

 

ハーブフレーバーオイル

 ハーブオイルは手軽に作りやすい。基本的には、ハーブを細かく砕いて、オーガニックオリーブオイルで成分を抽出する。このハーブ成分配合オイルは、肌に直接塗ればその薬効成分が浸透するし、軟膏やリップクリームの下地として使うこともできる。ハーブフレーバーオイルの原料には、エッセンシャルオイルとは異なり、ハーブを煮出して蒸留した揮発性のオイルが使われている。ハーブフレーバーオイルは、アルニカの花、ベルガモットの葉・花、キンセンカの花、カイエン・ペッパー、大麻の葉・花、ハコベの葉・花、ヒレハリソウの葉、ジンジャーの根、ムギワラギクの花、モウズイカの葉、ターメリックの根など、エッセンシャルオイルが含まれるハーブ(ローズマリー、タイム、ラベンダーなど)ならほとん

どすべてのハーブで作ることができる。オイルを温めると、どれも抽出しやすい。

 生のニンニク片、コットンウッドのつぼみ、エルダベリーの葉、マロニエのつぼみ、モウズイカの花。中でも、温めたオリーブオイルで特によく抽出できるのがセントジョーンズワートの花だ。

 セントジョーンズワートオイルの作り方。セントジョーンズワートの生の花・葉を細かくすりつぶし、分量の3倍のオリーブオイルと合わせる。十分にかき混ぜたらビンに移し、チーズクロス(目の粗いガーゼ)で口をふさいで、輪ゴムで止める(チーズクロスの生地は、中の湿気を程よく逃がしてくれる)。このビンを2週間、日当たりのよい場所に置き、毎日かき混ぜる。オイルはヒペリシンという活性成分により赤いルビー色へと変色していく。 2週間たったら、このオイルを4重にしたチーズクロスで濾して清潔なボウルに空け、清潔なビンにさらに移して一晩寝かせる。堆積したドロドロの不純物は捨て、鮮やかな赤色のオイルを保存容器に移し、使う分だけその都度取って使う。

 乾燥ハーブのハーブフレーバーオイルの作り方。まず、やや粗めに乾燥ハーブを砕く。電気鍋、ステンレス鍋、ビンなどを用意し、ハーブ1に対してオーガニックオリーブオイル5(重量比)の割合で合わせる。あるいは、砕いた乾燥ハーブを器に入れ、たっぷりのオリーブオイルを注いで濃い溶液を作れば、あとはスプーンでかき混ぜるだけでよい。よく抽出するには毎日かき混ぜ、61℃~67℃の温かい状態を保つこと。薪ストーブのそばや暖かい日向に置いて、温度を保ち、オイルが固まらないようにするという人もいる。いずれにせよ、ストーブの直火は厳禁。オイルは83℃以上の高温で変質する。1週間後、ボウルに4重にしたチーズクロスを掛けて、オイルが温かいうちに空け、クロスの四隅を持ち上げて一つにまとめ、念入りに絞って不純物のない透明なオイルを濾し出す。ちなみに、搾油機があればもっと効率よく絞れる。このハーブフレーバーオイルをビンに移して、一晩寝かす。ビンの底にはオリが溜まるので、慎重に、上澄みの透明なオイルだけを保存用の遮光ガラスのビンに移す。ハーブフレーバーオイルは冷暗所で保存し、使用期限は1年。

 

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How to Make Easy Herbal Oils, Salves, and Syrups

By Richo Cech 

October/November 2016