自立は家族で:直撃レポート

ジョンとエスター・アトウェル — そして、彼らの子供達、ベンヤ20歳、ヨルダン18歳、ナサニエル16歳、 ソフィア12歳 — はハワイのカーティスタウンで10エーカーの土地に暮らし、果物やスパイスの木を栽培し、複数のパーマカルチャー植床、タロ芋の水田、そして実験的な植床をハワイの自作農園で行っている。

文:K.C. Compton

翻訳:堀水 理佳代

 

 2016年の自給自足大賞に認定された3つの家族の中の1つ、アトウェル家は、フリーランスの執筆とコンサルティング、空港での早朝の仕事、ベビーシッター、 馬小屋の掃除、造園、ウェイター/ウェイトレス、地元の市場での手作りの焼き菓子、在来作物の種、苗木、植物の苗の販売など、感化してくれる多種多様な仕事を行っている。ジョンとエスターは、自分の食料を栽培し、熱帯果樹に焦点を当てた小規模の苗床運営を行い、在来作物やオーガニックの種を地元で販売している。彼らの家族は、太陽発電によってエネルギーを供給される、パオを中心とした建屋群を完成させるため、資金の確保に取り組んでいる。このインタビューでは、アトウェル家が、家族の自給自足への取り組みについて説明している。

 何に触発されて自作農に?

 ベイエリアでフルタイムの官庁での仕事をしていたのですが、2008年にスローフードの運動を知り、私の住んでいた郊外で自作農場の技術を身に付け始めました。2011年、私のもともと住んでいたワシントンDCの郊外にあるヴァージニアに戻り、そこで、桑やヒッコリーなど実のなる木、食べられる野生のネギ、いちご、たんぽぽが育つ1/2エーカーの土地にウッドストーブがある家を購入しました。まもなく私たちは、色々な種類の果樹、完全に天然の貯水池、大きな植床と上げ床、蜂の巣、牧草地で育てるアメルカナ (Ameraucana) の鶏の小さな群、草を与える食肉用のハバナウサギ、ミミズコンポストで庭を埋め尽くしました。2014年、食料生産の様相を数年間学習した後、私たちは飛躍を遂げる時が来たと判断しました。ハワイの年間の栽培条件、頻繁な雨、オフグリッド(公共のガス、電気、水道等を使わない)の生活のための地元の専門知識は、ハワイが私たちが生活したい場所だったと確信させました。

 そしてスムーズに自作農場天国へと出発したのですか?

 私たちは中断した所から始めようと考えていました。でも、犯罪やあまり馴染みのない建設基準に対応しなければいけなかったので、遅れに直面しました。自宅が完成するまで、貸家に住み、離れた場所から家畜の世話をしたり、10エーカーもの土地にある果樹や野菜を手入れするのは、並々ならない努力を必要とします。現在、家は完成しつつありますが、その過程が高くつく挫折となっています。私たちは、ゆっくり建てて、1番ギアから始めるべきでした。5番ギアではなく。そうすれば、壁にぶつかったり、私たちの手に負えない外からの圧力によって、プロジェクトをスケールダウンしたりスケールアップしたりする必要がなかったでしょう。

 そのような障害にもかかわらず、多くの事を達成しましたね。

 18種類のバナナ栽培品種、スパイスの木や植物(ナツメグ、メース、シナモン、クローブ、バニラビーンズ、黒コショウなど)を100本植えました。パーマカルチャー植床もあります。そこでは、コンパニオンプランツやその他の自然な技術を使用しています。試験的な区画から、地元の害虫によって攻撃されず、オクラ、ローゼル、ライ豆、ヤードロングビーンなど、強い日差しや強雨に耐えることができる、丈夫な一年生の果物と野菜を発見しました。私たちは、シンブルベリー、薬草のママキ、非常に有用で果実をつける野生のグアバの木、竹など、土地にすでにある野生の産物を増やし、スペースを確保しました。羊の屠畜の仕方を学んだり、食品を干し、乳酸発酵し、冷凍し、産物を漬物にしています。

 あなたの農業収入を補う方法は何ですか?

 ジョンは飛行場でのパートタイムの仕事を、朝の10時までに終えるので、その後、自作農園で働く時間が十分あり、家族にとってとても有益です。エスターは翻訳作業を行い、過去の専門的な経験を活かすコンサルティングの仕事を探しています。エスターはまた、私たちのホームスクールの取り組みをまとめています。 ジョンと子供たちは自作農場の農業生産を担っています。子供たちは、私たちのチャレンジにとって不可欠な役割を担っていて、我々は、それぞれの子供を特定の仕事のエキスパートにするしくみを取り入れています。その上、子供たちはみんな、貯蓄預金を増やす為に、お金を稼ぐ事に熱心に取り組んでいます。

 自作農場ではどんなエネルギー効率の良いものを取り入れていますか?

 現在、電力の100%を提供する太陽光発電システムと太陽熱温水器の入札を受け入れています。私たちの将来の家(ドームで通気されるパオと小さいドームが上に乗った堅い構造)のデザインは「煙突効果」に依存し、熱い空気が上昇し排気され、サイドの窓から涼しい空気を引き込んで気流を作り、温度を調節します。バックアップ用に、タンクのない瞬間式ガス給湯器とガス発電機等を計画しています(ここは、数週間雨が降ることがあり、太陽発電を止めてしまいます)。

 あなたが直面した課題を考慮しても、自作農場を選んだ事をうれしく思っていますか?

 私たちは、従来の会社勤めの世界から抜け出すという、難しい決断を下したことをうれしく思っています。自立して暮らし、子供達をホームスクールする利益は毎日どんどん生まれます。私たちは食べ物に、有害な農薬、除草剤、肥料、殺菌剤、ホルモン、抗生物質、GMOがないことを確信しています。私たちの食べる動物は自然に人道的に育てられていることが分かってます。なぜなら、私たちは自分たちで育てるか、同様のやり方を採用している人々から、動物製品を購入するからです。私たちには、より多くの自由と柔軟性 ー 誰のために働くか、いつ、どのように、どんな仕事をするかを選ぶことが可能 ー があります。また、家族と過ごす時間、地域社会との関わり、近隣住民との深い関係を、私たちはこれまでに経験した以上に持っています。加えて、神から預かった大地の管理責任を、私たちはさらに強く感じています。

 

K.C. コンプトンは現在シアトルに住み、元マザーアースニューズの編集者で、フリーライターかつ編集者。

 

たのしい暮らしをつくる

マザーアースニューズ

購読登録はこちらからどうぞ

 

Self-Reliant Living Is a Family Affair on This Hawaiian Homestead

By K.C. Compton

April/May 2017