縄ない:天然ロープを作る

縄を作ることは、見過ごされるべきではない基本的な生存スキルだ。このような天然のロープや縄は、弓きり式火起こし器、わなや釣り糸、小屋を建てる時の縄、衣服の修復や作成など、多くの目的に使用できる。様々な野生の花、ユッカやアガベの内部繊維、樹木の内樹皮、大型動物の腱など様々な材料から作ることができる。さまざまな種類があるが、最も一般的なものの1つは逆撚り(reverse wrap)。これについてここで説明する。

 

文:Filip Tkaczyk

 

選択する種は?

あなたの地域の一般的な地元の品種で天然の縄を作るのは素晴らしいことだ。縄作りに役立つ最も一般的な品種には以下のものがある:

- セイヨウイラクサ (Urtica dioica):茎内部の繊維

- トウワタ属(Asclepias syriacaおよび関連種):茎内部の繊維

- バシクルモン属 (Apocynum cannabinum):茎内部の繊維

- ユッカ(ユッカ種):葉の中の繊維

- リュウゼツラン(アガベ種):葉の中の繊維

- バスウッド(アメリカシナノキおよび関連種):内樹皮

- 西洋赤杉(Thuja plicata):内樹皮

これらを探そう。特にあなたの地域で最初の3つを探して練習しよう。

 

最良の縄を収穫するには、成長期の終わりに植物を集めることが最善の方法。例えば、セイヨウイラクサなら、夏の終わりに種をまいてから、集めることを勧めたい。種子を剥がして落とすことで、将来的に厚い茎の成長を維持することができる。これは、収穫した野生の花が繁殖し、枯渇しないようにする倫理的な良い方法だ。下の写真では、このイラクサ植物の種を見ている。

 

茎を地面の近くで切り取って、束にまとめる。涼しくて乾燥した場所に束ねて乾かす。葉は紅茶としてもよいし、良い肥料としても使用できる。

 

写真で、剥がして乾燥させた茎を見てみよう。室内で、数ヶ月にわたって、涼しく乾燥した場所で乾燥させている。そこまで長く乾燥させる必要もない。完全に乾くように十分に乾燥させると、手で潰すとパリパリと砕ける。

 

処理:打ち付けと皮むき

ここで話す方法は、できるだけ多くの細い繊維を植物から得るためのもの。セイヨウイラクサを処理する他の方法(中にはずっと手早くて少し雑なものも)があることを覚えておこう。

 

束が乾いたら、取り外して、処理を開始。まず、一本の茎を取って、滑らかな岩や板のような硬い表面に置く。重い枝や滑らかな岩を手にとり、茎全体を静かに叩く。つなぎ目は最も厚い木質の部位なので、各つなぎ目を叩くのにもう少し時間をかける。

 

叩き終わったら、茎を手に取り、親指の爪またはナイフを、幹の内側にできるだけ長く茎の端まで走らせる。ここを正しく行うと、はがすことができ、本のように畳んで開くことができる。

 

開いた茎を手の上に、手よりも 3 〜 5 cm 突き出るように置く。その部分を手前に折り、奥へ折り返す。これを行うと、茎の木質部分が柔らかい繊維部分から剥がれ始めるはずだ。木質部分が繊維から分離するまで前後に移動。

 

ここで、できるだけ繊維の木質の部位をつまみ出すように注意。そうすると、後の作業を大幅に省ける。植物とあなたのスキル次第で、茎のできるだけ下の方までこれを続ける。かなりの量の繊維を失う可能性が最も高い場所なので、各節やこぶの周りに特に注意することを忘れずに。

 

処理:縄擦り (Buffing)

縄擦りは、木質のとげのようなかけらを繊維からより多く取り除くために、材料をさらに細かくする工程だ。材料が乾燥していれば、手のひらの間で繊維の撚り線を擦って、縄擦りができる。

 

縄擦りを着々と続けて少しすると、繊維は分離し始め、よりふわふわして見えるはずだ。繊維がまだこの段階で、どのくらい、滑らかでつやつやしているか注意して見てみよう。

縄擦りを続けると、繊維のつやがどんどん取れて、よりふわふわして見える。手の間で動かし続けると、より白っぽくなり、よりかっこよくなるだろう。下の写真の毛羽立ちに注意。

 

この段階は、簡単に縄に加工できる段階。

ごく間近に見ると、繊維の中に木質素材の小さな糸状繊維がまだあることが分かる。これらは、さらなる縄擦りで取り除ける。

 

満足のいくレベルの縄擦りに達したら、縄ない(逆撚り:reverse wrap)できる。確かに材料をここまで処理せずとも、「即席の」縄を作ることができる。だが、間違いなく耐久性が低く、負荷がかかると解ける可能性が高い。

 

逆撚り (reverse wrap) テクニック

 

この縄作成の技を始める1つの方法は、準備した繊維を 5cm 強ずらした両手に取ること。次に、5cm 強ずらしたまま手を捻って、材料に輪っかやもつれが生じるまで反対方向に動かす。例は写真をご参照。

 

ここから、今作った輪っかやもつれをつまんでしっかりと抑える必要がある。片手の2本の指でこれを行うこともできるし、歯で保持することもできる。ここでは、口で保持する方法を実演するが、最適なものを自由に試してみよう。口での保持方法は、写真をご参照。

 

歯でそれを保持していると仮定すると、繊維を2つ握る必要があり、各手に1つずつ持つことになる。各手の2本の指で、繊維を同じ方向にねじって、歯の間に挟んでいるねじれに圧力を加え続ける。一旦ねじれたら、それを巻き込むように撚る。意味することは、今ねじれた繊維を2つ取って、お互いに撚り合せること。今ねじれた方向と逆方向にすることが重要。この背景にある考え方は、ねじれの伸びようとする力が、2つの繊維を一緒に保持するように巻き込むときの方向に押すことだ。解き放たれないように互いを押し合っている。

同じ方向にねじって巻き込むと、縄は解き放たれる。これは逆撚り (reverse wrap) のキーポイント。

 

繊維の長さだけ続けていくと、素敵な、とぐろを巻くほどまでになるはず。ムラのない締め付けをしたい場合に重要なことは、繊維を巻き込むときに均一な締め具合を維持することだ。

 

練習することで、あなたの縄はとても素敵で丈夫なものに見えるようになる。縄を作って練習しよう!

 

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