手作りドッグフード

愛犬にバランスのとれた食事を用意する方法を学ぼう。

 

 

自宅で採れたメロンを可愛いワンコにもひと口あげよう。

 

文:メアリー・シュトラウス

翻訳:松並 敦子

 

 

愛犬に手作りの食事を与えたいのですが、どうすれば犬に必要な栄養素を満たしたドッグフードが用意できますか?

 

 健康的なドッグフードの鍵は多様性です。どんなレシピでも、同じものばかり長い期間与え続ければ、問題になりかねません。長い目で見てバランスが取れていれば、日々の食事が常にバランスの良いものである必要はありません。

 最高の手作りドッグフードとして、赤身肉、鶏肉、魚、レバー、卵、乳製品、野菜、果物、また、時には穀類、豆類を使います。中身がシンプルになればなるほど、子犬にはそれに応じた量のサプリメントの摂取が必要になってきます。全ての手作りドッグフードには、カルシウム(丸ごと食べられる生の肉付きの骨が入ってない場合)とビタミンEが必須です。これらのガイドラインは成犬用です。詳細は私の情報ページ「Homemade Diets for Dogs」をご覧になり、このリストを熟読の上、手作りドッグフードに入れてはいけない、あるいは制限すべき食品を理解してください。

 

骨の入った生のドッグフード

 生の肉付き骨 (30~50%)。生の肉付き骨として、チキンの首、背、手羽、もも、ラムの胸と首、ポークの首とスペアリブ、ビーフの首(普通は大型犬のみに使用)、ターキーの首が使えます。また、マアジ、ピンクサーモン、イワシ(オイル漬けより水煮が好ましい)などの缶詰の魚も与えられます。ツナは水銀の含有量が高いため、あまりたくさん与えないでください。肉の入った丸い塊状のドッグフードを与えるときは、窒息につながる恐れがあるので、犬がまるごと飲み込まないように注意してください。

 大半の生のドッグフードは脂肪分が高いです。ですから、ワンコの運動量がとても多いとか、体重維持に苦労していない限りは、あまり脂肪分が高くない部位を使うのが賢明です。

 レバー (5%)。レバーは栄養価が高く、他の食品では得られない栄養が摂取できます。ですから、ワンコの食事に取り入れるか、レバーに代わる適切なサプリメントを与えてください。腎臓など他の内臓でも構いませんが、定期的にレバーの代わりに与えるのは良くありません。一度に大量の内臓を摂取すると、軟便になることがあります。大量に週に1、2回与えるのではなく、少量を毎日、あるいは一日おきに与えると良いでしょう。

 心臓 (5~10%、好みで)。心臓は栄養的には筋肉のようなものです。軟便にならなければ、もっと多く与えても構いません。

 その他 (35~65%) としては、次のような食品を混ぜて与えます:

 筋肉。 ビーフ、ラム、ポーク、ターキー、チキンなど、できるだけ多種類の筋肉を与えてください。鹿、ウサギ、カモなどのような少し珍しい肉は与えないようにします。それは、ワンコの食物アレルギーを確かめる際に、除去食として使えるように、普段は控えておくためです。赤身肉、特に脂肪分が10%以下の筋肉が理想的です。また、1つの食品が食事の半分以上を占めないように気をつけてください。

 卵。好きなだけ与えてください。生卵より、半熟卵のように少し火を通した卵の方が消化しやすいですが、どちらでも構いません。

 乳製品。 ヨーグルト、ケフィア、カッテージチーズなど。

野菜。 犬が消化しやすいように、野菜は火を入れるかピューレ仕立てにします。マメ科やでんぷん質の多い(サツマイモや冬カボチャなどの)野菜は、火を通さなければなりません。全般的に生野菜が有害なのではなく、ただ、あまり栄養にならないのです。

 野菜を与えない場合は、グリーンブレンドか昆布とアルファルファのミックスを加えてください。ただし、昆布に豊富に含まれるヨウ素は、過剰摂取すると甲状腺機能の低下につながることがあるので、推奨量以上は与えないでください。昆布にはヒ素が含まれていることもあるので、複数の青物食品を混ぜて与えましょう。

 果物。リンゴ、バナナ、ブルーベリー、パパイヤ、メロンは与えても良い果物です。よく熟した果物は消化しやすいです。

 穀物とパスタ。アレルギー、関節炎、過敏性腸症候群、発作など、多くの犬の病気に穀物が関わっているケースがあります。こうした健康上の問題を抱えるワンコは、穀物(さらに、でんぷん質の炭水化物)を除去して、健康状態が改善するかどうか様子を見ると良いでしょう。もともと健康状態が良好、あるいは穀物除去食でも改善が見られないワンコには、適量の穀物を与えても構いません。穀物が全食事の半分以上を占めるようにはしない、できれば、25%以下に抑えるのが理想です。犬には炭水化物という栄養素が必要ないことを覚えていてください。ただ、炭水化物は一番安いカロリー源として使えます。

 

調理したドッグフード、あるいは骨なしのドッグフード

 ワンコに火を通して調理したドッグフードを与える、あるいは生の肉付きの骨を与えない場合は、いくらか調整する必要が出てきます。少なくとも食事の50%(それ以上が望ましい)は、脂肪分の少ない筋肉、心臓、レバー、腎臓、卵、乳製品、ピンクサーモン、マアジ、イワシなどの骨入りの魚の缶詰といった動物性タンパク質にしましょう。こうした食品は、長時間高温で調理するより、さっと火を通すだけの方が良いです。その他の食品については、前述の生の食事指導の注意を参考にしてください。

 ドッグフード1ポンド(454g: 調理済みの重量)当たり800~1,000mgのカルシウムを加えてください。卵殻粉(食品454g当たり小さじ1/2杯)など、どんな形状のプレーンカルシウムでも構いません。骨粉なら、1,000~1,200mgのカルシウムを加えてください(骨粉にはリンが含まれているので、プレーンカルシウムより量を増やさなければならないのです)。ビタミンDを含むカルシウムのサプリメントは、カルシウムの摂取過多になりかねないので、使用しないでください。

 

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Homemade Dog Food Diet

February/March 2017

By Mary Straus, www.DogAware.com